変形
「ただいま〜」
誰もいない部屋に向かって言う。
荷物を置き着ていた服を脱いでベッドに放り投げ、部屋着に着替える。
「大智くんだけでこーんなに儲けちゃった」
ベッドに寝転び何百万もある万札を上に向かってばら撒く
「あはははっ…この美しさがあればこぉ〜んなに楽して生きていけるのよ!!」
なんて素敵な人生!!誰もが私を羨ましがるはずだわ!!
暫くしたら安定した人と結婚。
そして子供。もちろん私は仕事なんてしなくても美貌さえあれば金なんていくらでも手に入れれる
「もう、人生最高!!!」
こう叫ばざるおえなかった。
ーポツリ
「…?…あら雨…」
窓に当たった雨の音に我に帰る。
どんどん激しく降ってくる雨。
胸騒ぎがした。
もし、こんなに美しい顔で産まれてきてなかったらどんな人生を歩んでいたのか
ーーゴロゴロ…
分からないなら知ればいい。
ーードォン…
「なに!?」
ーーパリィン
「キャアッ…!!」
空が明るく光りその瞬間爆音とともに部屋の窓が激しく音を立てて割れた。
「は…っ…はっ…びっくりした…」
まだそれだけで良かった。
「…?」
近くにある鏡を覗き込んだ。
何かおかしくてゆらりと歩み寄る
「…私…誰?」
「…な、にこれ…」
鏡を見ると写っていたのは醜い人間の顔
目は前の2分の1にまで小さくなり
頬は垂れ下がり
ほうれい線、目の下のクマ
歯並びも最悪。
前の顔が世界で美しいと例えればこの容姿は世界一醜い。
「…っ…あ…」
なぜ、こんなことになった、現実を確かめようと顔に触る。高くすらっとした鼻は低く触ると凹凸はそんなに無かった。
「いや…何よこれ…どういう事よ!?」
あれだけ気を付けていたすらっとした体型も原型すらなくお腹は出て脚もむくみが酷かった。
「嘘だ…こんなの嘘よ!…そうだ夢だわよね…こんなこと現実に起こりうることないわ!!!」
すぐさま近くにあるバッグの中からスマートフォンを取り出し検索をかける
ー美人 いきなりブスー
…ない
…ない
「ほら!やっぱり前例は何も無いじゃない!!はぁ…これは悪い夢ね…早く覚めちゃえ!!…
…悪い…夢…よね?…夢…」
ーピンポーン
「…!!」
びっくりして玄関の方に振り返る
この時間帯に誰…?
のそっと立ち上がり玄関の扉のドアに手をかける。
「…まって…この姿で出るの?」
吐きそうなほど気持ち悪い私を見られるの…?
「…あの?隣に引っ越してきた杉山です。明日ご挨拶に伺う予定だったんですけど、窓が割る音がしてどうしたのかと…」
ーガチャッ
「あ…大丈夫で……うわっ!?」
ああ、これは現実なんだな。
「大丈夫…ですか?」
この方が隣にこしてきた杉山さん?綺麗な顔つきしてる。
前の容姿なら即アタックしてたわね。
「……あの…私…綺麗…ですか?」
彼にそう問いかけ私は記憶を失った
「…あの!?大丈…!?」
..........




