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異世界盗賊団〜女神と勇者からチートを盗め〜  作者: エムジェイセブン


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第9話 千里眼勇者

勇者リガンは迫っている盗賊団を迎え撃つためにサトル将軍に協力を仰いでいた。しかし2人の意見は割れていた。


勇者リガン「なぜ盗賊団を倒すために力を貸してくれないのですか?」

サトル将軍「この戦争は負ける。それに女神が信用できないという盗賊団の言い分は正しい。女神からチートを授かった一部の勇者が富と権力を独占していることに不満を持つ者が多いんだ」

勇者リガン「あなたも女神さまの恩恵に授かった私と共に出世したのだから女神さまに恩返しするべきです!」


2人は勇者リガンが持つ千里眼のチートで成り上がった親友だった。


サトル将軍「…わかった。盗賊団と戦おう」


勇者リガンがサトル将軍の説得に成功した頃、ジャックたち盗賊団の3人はチート勇者との戦いの作戦を考えていた。


サラ「次のチート勇者はどんな奴なのさ」

ジャック「千里眼のチートで俺たちの行動を監視してた勇者だな。俺たちの進軍は筒抜けだからこの先で待ち受けてるはずだ」

トニー「今まで覗き見してたことを謝ってほしいですね…you謝だけにっ!」

サラ「なにか作戦があるのかい?」

ジャック「チート勇者は俺たち以上にこの世界を荒らす嫌われ者だから戦ってれば勝手に仲間割れするさ」

トニー「私たちの方が優勢ですから勝ち馬に乗ろうとする人も多そうですね」


勇者リガンとサトル将軍は部下たちと城を出て自分たちに有利な地形で盗賊団を待っていた。そこにジャックたち盗賊団が到着する。


サラ「いいかいお前たち! 派手に暴れてやりな!」

手下「ヒャッハー!」


サラの号令で戦闘が始まった。


ジャック「フンッ!」


ジャックが次々と敵を斬り倒していく。


サラ「ドラゴンとの戦いは邪魔が入ったから楽しませてもらうよ!」

トニー「サラの姉御のおかげで私たち盗賊団全員のレベルはカンストしてますもんね!」


サラがダガーを投てきしてトニーが弓で遠距離から正確に攻撃する。両軍の実力と士気の差から盗賊団が圧倒していた。すると勇者リガンとサトル将軍が言い争いを始める。


サトル将軍「リガン。お前は女神からチートを授かる前は目が不自由だったそうだな」

勇者リガン「な、なぜそれを…」

サトル将軍「そのこと自体は不憫に思う。だがお前はそれが理由で千里眼のチートを選んだんだろう」

勇者リガン「だったらなんだというのですか!」

サトル将軍「目が不自由な人はそれまでの人脈が大切になるから人一倍に義理人情に拘るはず。お前が俺に助けを求めたのは女神への恩返しでも盗賊団を倒すためでもなく、戦いに負けてチートを奪われた後の自分の保身のためだろう!」

勇者リガン「!」

サトル将軍「お前は千里眼を持っているから誰よりも早くこの敗戦を予見したはず。…部下たちを無駄死にさせないために俺は軍を引かせてもらうぞ」


サトル将軍が戦場を離脱して勇者リガンの戦力が半減した。それを見た盗賊団は一気に攻勢をかける。


ジャック「今だ! チート勇者を捕まえろ!」

手下「がってんだ!」


そこからはあっという間だった。勇者リガンは捕らえられてジャックたちの前に引きずり出される。そして千里眼のチートを盗むために精霊の指輪をかざすと精霊の指輪と勇者リガンが光った。


勇者リガン「…私は敗れたが女神さまが必ずやお前たちを倒してくださるだろう」

ジャック「千里眼のチートがお前に見せたのは別の光景じゃないか?」

勇者リガン「…くっ!」


千里眼のチートを盗んだジャックたちを待つチート勇者は最後の1人を残すだけとなった。

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