第5話 潜入作戦
ジャックたちはヌスンダーヨ軍の陣地に潜入していた。先の戦いの後にヌスンダーヨ軍の兵士から協力を得ることに成功したのだ。
ジャック「ヌスンダーヨ国に来たのはチートを盗む以外にも目的があってな。ここに女神への対抗策があるんだ」
サラ「確かに今のまま女神に戦いを挑んでも勝算はないからね」
ジャック「ヌスンダーヨ城の宝物庫に近づく口実が欲しいからヌスンダーヨ軍とトラレッタの残存勢力を戦わせて城内戦に持ち込ませるんだ」
サラ「そして城での乱戦のドサクサに紛れて…だね」
トニー「今日は器用な立ち回りが要求されますね…器用だけにっ!」
3人はヌスンダーヨ軍の陣地で怪しまれないように情報を集める。すると面白いことがわかった。
サラ「軍師が最近くたばったから今後の方針について軍内部で意見が割れてるようだよ」
ジャック「これは…利用できそうだな」
ジャックたちは将軍の中の1人と接触した。
トラレター将軍「くそっ! 俺の名前がトラレッタに似ているという理由でスパイだと疑いやがって…いっそのこと本当に裏切ってやろうか!」
ジャック「それはいい考えですよトラレター将軍」
サラ「そうそう裏切っちゃいなよ」
トラレター将軍「誰だ貴様たちは…どういう意味だ!」
ジャック「トラレター将軍が対立を煽ってヌスンダーヨ軍を仲間割れさせ味方についた兵士たちを連れてトラレッタの残存勢力に協力するんです」
トニー「そうすればトラレター将軍はトラレッタ再建の功労者ですよ」
トラレター将軍「!」
サラ「ねぇ…王様になっちゃいなよ」
この日も将軍たちはトラレッタ残存勢力への対応で意見が割れていた。
将軍A「軍師殿が亡くなられて混乱しているから一旦ヌスンダーヨ城へ戻り態勢を整えるべきだ」
将軍B「いや、トラレッタの残存勢力を叩くのは今だ!」
将軍A「トラレター将軍はどう思われますか?」
トラレター将軍「フンッ! 軍師殿が亡くなった以上、貴様たちの指示に従う理由はない! 俺は失礼させてもらう!」
将軍B「トラレター将軍! それは一体どういうことですか!?」
トラレター将軍「軍師殿の次の実力者は俺だ。だから俺の好きにさせてもらうということだ」
将軍C「トラレター将軍! 私もお供します!」
こうして3人の甘言に惑わされたトラレター将軍は他の将軍と対立して自分の部下と共にヌスンダーヨ城を襲撃した。
サラ「うまくいったね。トラレッタの残存勢力に情報を流してヌスンダーヨ軍の足止めをさせてるから城に忍び込むなら今だよ」
ヌスンダーヨ城の城内では敵味方が入り乱れて戦っていた。その混乱に乗じてジャックたち3人は宝物庫に辿り着いた。
ジャック「開錠を頼む」
サラ「あいよ」
盗賊のサラが宝物庫の扉を開けると中には金品がほとんど無かった。
トニー「ボーナスは期待できませんね」
ジャック「うん? あれは…」
ジャックが杖のような物を拾い上げた。
ジャック「見つけたぞ!」
サラ「それがアンタの言ってた巨人の杖かい?」
トニー「魔法の杖というより鈍器ですね」
2人が巨人の杖に見入っているとジャックが魔法図書館で調べた文献の話をする。
ジャック「はるか昔、女神が人間のチート勇者を利用して人間の抹殺を始めた。だがチート勇者が自分に歯向かってきたときのために精霊の指輪をエルフに渡したんだ。さらに女神はエルフがチートを悪用できる精霊の指輪を使って同じことを始めたときのために精霊の指輪を砕く巨人の杖も用意した」
サラ「うん? その話だと巨人の杖は精霊の指輪を破壊するためだけの道具ってことじゃないさ」
トニー「せっかく集めたチートが台無しですよ?」
ジャック「精霊の指輪と巨人の杖をどう使うかは後のお楽しみだ」
精霊の指輪に続き巨人の杖を手に入れた3人は残りのチート勇者狩りに戻った。




