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異世界盗賊団〜女神と勇者からチートを盗め〜  作者: ジェイセブン


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第3話 獲得経験値増加勇者

地下へと進むダンジョンがある町トラップー。ここの冒険者ギルドではいつも冒険者たちがダンジョン攻略のためにパーティーの勧誘をしている。ジェシカという美しい女冒険者もその1人だった。


ジェシカ「誰か僧侶の私とパーティーを組んでいただけませんか?」


美女からの勧誘にその場にいた冒険者たちは驚いたがすぐに2人の男が応えた。


ビリー「戦士のビリーだ。俺たちと組まないか?」

ダン「魔法使いのダンです。ちょうど僕たちも1人募集してたんですよ」


仲間が決まったことに笑顔で自己紹介をするジェシカ。


ジェシカ「よろしくお願いします。回復魔法を使えるので怪我の手当てはお任せくださいね」


こうして3人は冒険者ギルドを出てダンジョンに侵入した。


ビリー「ジェシカさんは後ろに下がっていてください。治療が必要になったらお願いします」

ダン「戦いは僕たちに任せてください!」

ジェシカ「ふふふ。お二人は頼もしいですね。優しそうな方たちで安心しました」


相性がいいのか地下1階から地下2階のモンスターは彼らの相手にならず下層に進んでいく。


ビリー「俺の斧をくらえ!」

ダン「燃え尽きろ! ファイヤーボール!」


スライムやゴブリンを蹴散らすビリーとダン。


ジェシカ「無理はいけませんよ。ヒール」


そして怪我をした2人を治療するジェシカ。


ダン「ジェシカさんのような綺麗な人に治療してもらえて嬉しいですね」

ビリー「いつもより力が湧いてくる気がするな」

ジェシカ「まあ。お上手ね」


攻略は順調だったが地下4階からはオークが出現するため難易度が上がる。そして問題が起きたのは地下5階に到達したときだった。


ジェシカ「ふう…」


ジェシカが疲労で立ち止まることが多くなった。


ビリー「ジェシカさんがお疲れのようだから少し休憩にしよう」

ダン「賛成です。ジェシカさんも無理はしないでくださいね」

ジェシカ「ありがとう。ではお言葉に甘えて休ませてもらいますね」


ビリーとダンに促されてジェシカが腰を下ろした。すると2人が薄気味悪い笑みを浮かべながらジェシカに近づいてきた。


ダン「へっへっへっ…」

ジェシカ「ど、どうかなさいましたか?」

ビリー「だめだよジェシカさん。信用できない男についてくるなんて」


異様な雰囲気にたじろいだジェシカは2人から距離を取ろうとするが腰が抜けているのか立ち上がれない様子だった。


ビリー「怖がることはない。俺たちが可愛がってやるぜ」

ジェシカ「い、嫌…誰か助けて…」

ダン「こんな所に助けなんて来ませんよ」


そして2人はジェシカに襲いかかった。


ビリー「ヒャッハー!」

ダン「ヒャッハー!」

ジェシカ「キャー!」


絶体絶命のその時、物陰から1人の男が現れた。


男「やめろお前たち! その女性から離れろ!」

ビリー「何奴!」

勇者ケン「俺の名前はケン。女神からチートを授かった勇者だ!」


悲鳴を聞いて現れた勇者ケンのもとにジェシカが走り寄った。


ジェシカ「助けてください勇者さま!」

勇者ケン「もちろんです。お嬢さんは下がっていて」


勇者ケンに邪魔をされたビリーとダンは武器を構えて睨みつけた。


ビリー「野郎…いいところだったのに邪魔しやがって!」

ダン「ビリーさん! やっちゃいましょう!」


勇者ケンと対峙するビリーとダン。それを見守るジェシカ。今まさに戦いが始まろうとしたその時、この場の雰囲気に合わない声が聞こえてきた。


サラ「女を襲っている男たちと助けに来た男は仲間だね。100賭けるよ」

ジャック「女と女を襲っている男たちが仲間に100だ」

トニー「女と助けに来た男が仲間ですよ」


突然現れた3人に呆気に取られた彼らは何も言葉を発することができなかった。


サラ「他の冒険者の登場を予期できなかったということは全員仲間ってことじゃなさそうだね」

勇者ケン「な、何を言っているんだ君たち!」

サラ「あたしたちは探偵じゃないからね。あたしたちのやり方で試させてもらう…よっ!」


サラの投げたダガーがジェシカの胸に刺さった。


ジェシカ「え?」


勇者ケンとビリーとダンが驚いた表情でその様子を見ていた。


勇者ケン「ジェシカ!」

ジェシカ「ち、ちくしょう…」


倒れたジェシカに駆け寄った勇者ケンにもトニーの弓矢が数発放たれた。


トニー「隙だらけですよ!」

勇者ケン「うっ!」


矢の1本が勇者ケンの背中を貫く。


ビリー「に、逃げろ!」

ダン「人殺しーっ!」


そして逃げていくビリーとダン。


サラ「おや? 賭けはトニーの坊やの勝ちみたいだね」

ジャック「賭けだとお前には敵わないな」

トニー「ついてるね! …ダガーだけにっ!」

勇者ケン「お前たちよくも…!」

サラ「ねぇジャック。さっさとやっちゃいなよ」


ジャックが精霊の指輪を重傷の勇者ケンに向けてかざす。すると精霊の指輪と勇者ケンの体が光った。


勇者ケン「な、なんだこれは…力が抜けていく!」

ジャック「元々は女神にチートを返す儀式で使う指輪だそうだ。つまりこいつは女神に会うカギってことになる」


勇者ケンはチートを盗まれてその場に倒れた。


ジャック「こいつのチートは…獲得経験値増加だと?」

サラ「アハハ! なんだいそのクズチートは!」

トニー「レベル上げが下手ですって自分で言っているようなものですね。おそらくレベルの低いこの辺りのモンスターよりも高レベルの冒険者を罠にかけて楽にレベル上げするつもりだったんでしょう」


笑いながら去っていく3人を勇者ケンは見ていることしかできなかった。


???「ケンがチートを盗まれたようじゃの」

???「彼はレベルをカンストさせていなかったですからね」

???「奴は我ら四天王の末席…始末する手間が省けたというもの…戦いはこれからだ」

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