第11話 女神降臨
最後のチート勇者がいるハラキリ城を攻めあぐねていたジャックの作戦は先に女神を倒すというものだった。
ジャック「女神を倒せば勇者はチートを交換できなくなる。俺たちが女神と戦えば慌ててハラキリ城を出てくるはずだ」
サラ「そのために手下たちを正門前に集めてチート勇者の足止めをさせようってことだね」
トニー「動揺したチート勇者に言ってやりましょう。この作戦どうよってね!」
さっそくジャックは女神降臨の儀式を始める。盗賊団が見守る中で精霊の指輪を天にかざした。
ジャック「女神よ…我が前に現れろ…」
すると精霊の指輪が光りその光りが空に向かって伸びる。そして空に魔法陣が現れてその中から女神が降臨した。それをハラキリ城から見た勇者ケンゴは盗賊団の目論見を知る。
勇者ケンゴ「しまった! 今すぐハラキリ城を出て盗賊団を攻撃するんだ!」
久しぶりにジャックたち3人と会った女神は驚いた表情で言った。
女神「まさか私に戦いを挑むのがあなたたちだったとは…チートを拒んだときに始末することもできましたがこそ泥だと油断しました」
ジャック「チート勇者が迫っていて時間が無いからさっさとチートを寄越してもらうぞ」
ジャックの言葉に女神は嘲笑しながら答えた。
女神「あなたたちが私からチートを盗むなんておこがましいですね。私は数百のチートを持つ女神ですよ?」
サラ「チートの数を誇るなんてみっともないね!」
トニー「チートが無いとなにもできないんでしょうね」
2人の挑発を聞いた女神から笑顔が消えた。
女神「いいでしょう。かかってきなさい。人の子よ…」
ついに盗賊団と女神の戦いが始まった。
ジャック「一気にケリをつけるぞ!」
ジャックは巨人の杖を取り出し女神に振りかざした。
女神「!」
その攻撃をとっさにかわす女神。
女神「なるほど。確かに精霊の指輪を破壊できる巨人の杖なら私の体に傷をつけることができますね」
それを見たサラが盗賊団に指示を出す。
サラ「アンタたち! ジャックの攻撃の手助けをしな!」
手下「がってんだ!」
盗賊団が女神と戦っているとハラキリ城から出た勇者ケンゴが盗賊団に襲いかかってきた。手下たちの中を突破してジャックたちに斬りかかる。
勇者ケンゴ「女神さまをやらせはせんぞ!」
サラ「くっ!」
トニー「サラの姉御!」
勇者ケンゴの剣をサラがかろうじて受け止めた。トニーがサラを助けるために矢を放つ。
サラ「こいつ…やるじゃないさ!」
トニー「かわされた!?」
剣豪のチートは伊達ではなく2人がかりでも厳しい戦いを強いられた。
女神「ヴィーナスチートサンダー!」
手下「うわーっ!」
女神がチート魔法で盗賊団を蹴散らす。
ジャック「ちぃ!」
女神「ふふふ。さっきまでの威勢はどうしました?」
ジャックは何度も巨人の杖を振ったがあらゆるチートで強化された女神には攻撃が当たらなかった。
女神「人の子にしてはよく頑張りました。ですが茶番は終わりにしましょう」
勇者ケンゴ「ここまでだな盗賊団!」
女神を倒せずチート勇者の介入も許した盗賊団は万策尽きて窮地に陥った。
女神「さようなら人の子よ…」
ジャック「させるかよ!」
チート魔法の詠唱を始めた女神にジャックが止めようと走り出した。どう見ても間に合わない。盗賊団の敗北が決まりかけたその時、音もなく忍び寄った老人が女神を後ろから剣で斬った。
女神「くうっ!」
ジャック「もらった!」
その隙を見逃さずジャックが巨人の杖で女神を強打した。
女神「ぐはっ!」
さらに追撃として精霊の指輪を女神にかざす。精霊の指輪と女神が光り女神が持つ様々なチートはジャックに盗まれた。
勇者ケンゴ「女神さま!」
女神に駆け寄ろうとした勇者ケンゴの前に老人が立ちはだかる。
老人「おっと、あなたには私の相手をしてもらいますよ」
一瞬で形勢が逆転した。しかしジャックにチートを盗まれて傷だらけの女神がなぜか不敵に笑いだした。
女神「ふふふっ…」
サラ「なに笑ってんだい! アンタはもう終わりだよ!」
トニー「怒りで頭がどうにかなちゃったんですかね?」
女神「やはりこの姿では思うように力が出なくて戦いづらいですね。ここまで頑張ったご褒美に私の本当の姿を見せてあげましょう…」
なんと女神はみるみるうちに醜い悪魔へと姿を変えた。
悪魔「我が名はチートデーモン…チートを管理する神なり」




