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【完結】呪われた王子と幸せにしたい少女  作者: Nadi
第一章

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25/77

きっと運命✿

王子(フェリクス)とキエリの絵を文末に挿入しました。見たくない方は注意です。

今回で一章はおしまいになります。


2022/1/3 挿絵の入れ替えを行いました。

アナログからでぢたるへ!

グイスさんは‥‥いつか‥‥また


 王子は、部屋で一人読書をしながら考え事をしていた。


 (キエリが戻ってきてよかった‥‥だが、気を付けねば。彼女がまた出ていくだなんてことがないように‥‥)


キエリが居なくなったことはそうとう王子にこたえていた。


それゆえ、キエリには二階の部屋に移動してもらい、それでも心配は拭えず部屋の窓に鍵をかけた。


さらに、メイドの一件もある。


まさか、キエリがそんな危ない目に合うとは思ってもみなかった。


本当に馬鹿だったと反省した。


刃物を持ったメイドがキエリを襲っているのを見た時、あのメイドに対してどす黒い感情を持った。


今でもそうだ。


こんな感情は呪いをかけられた時しかないと思っていたのに、元の自分も持っていたことに驚いた。


とりあえず、あのメイドは監獄におくったから、出てくることはしばらくない。


 机に肘をつき、髪の毛をかきあげる。


 (彼女の部屋の前には護衛騎士を配置しておけば、危険な奴が入ることはないし、出ていけばすぐにわかる)

 (しかし、男の騎士を配置しておくのは心休まらない‥‥彼女は顔の傷がなくなって、とても綺麗なことが他の奴にバレやすくなってしまった‥‥)

 (ただでさえ、グイスもクイナも彼女の魅力に気付いているのに‥‥これ以上彼女を好きになる男を増やしたくないな)

 (本当は彼女の部屋に鍵をかけて、それを俺が管理できればいいが‥‥)


 「‥‥さすがに嫌われるな‥‥他に方法を考えよう」


王子の不穏な考えはなんとか途切れた。


 「嫌われるって、好かれてる前提ね!」

 「おわっ!?」

 「やっほー! さっきぶり」


部屋の中に魔女のゼノが突然現れた。


本当に神出鬼没で、しかも部屋の中に突然現れるのだから恐ろしい。


 いったい何の用なのだと勘ぐるように王子がゼノを見るが、ゼノはにんまりと笑みを浮かべている。


 「アナタ、キエリのこと好きなんでしょ」

 「そうですが」

 「やだっ! この子、どうしてこうも即答するのかしら‥‥とまぁ、冗談は置いといて」

 「キエリのこと諦める‥‥わけないか。でも、キエリのためを思うなら身を引いてほしいわ。王妃なんて面倒だし、アナタって重そうだし‥‥」


ゼノが金髪をくるくると巻いて、ぽつぽつと話した。


 「それに、アナタの好きって気のせいかもよ?」

 「諦めるのは無理ですが、気のせいとはどういうことですか?」

 「キエリといると癒される~とか、安らぐ~とか思わなかった?」


王子は心の内をあてられて少し眉をひそめたが、こくりと頷いた。


 「それ、キエリの魔力のおかげだから! あのときはアナタに魔力を渡していたからそう感じてただけ。だから、べつに好きだからとかじゃないかもよ」

 「それは、本当ですか?」

 「えぇ、アナタがうけた呪いもキエリの魔力で解かれたのよ‥‥だから」

 「あはは、そうか‥‥そうだったのか!」


王子が急にとても嬉しそうに笑ったのでゼノは眉をひそめた。


 「な、何がそんなに嬉しいのかしら?」

 「だって、それって俺のためにキエリの魔力があるみたいに思えて、ますます運命に思えますよ」


ゼノはあちゃーと言いながら片手で頭を抱えた。


 「そうきたか‥‥んー‥‥でもっ、キエリがアナタを好きとは限らないんだから! アナタはキエリにとって恩人ではあるけど、それ以上でもそれ以下でもないわよ!」

 「そうかもしれませんが、必ず振り向かせてみせます‥‥」


ゼノは再びあちゃーと言いながら今度は両手で頭を抱えた。


 「んもう! 勝手にしなさいよ! でも、キエリのこと悲しませないでよね」

 「もちろんです‥‥でも、どうしてそこまでキエリに肩入れするのですか?」

 「それは‥‥」


飄々としていたゼノが急にぴたっと動きを止めた。


 「どうして‥‥んー‥‥あら? どうしてかしら?」


真剣な表情で考え込み始め、うーむと唸った。


 「ちょっと考えてみるわ。まさか自分のことでわからないことがでるだなんてね‥‥まだまだ面白いわね」

 「じゃ、茶化し終えたから帰るわね。ばいばーい」


ゼノがくるりと手を捻ると、すっとからだが消えてしまった。


 (突然現れたのは、移動魔法を使ってたのか‥‥)


一人になった王子は嵐が過ぎ去ってほっと息をはいた。


 (キエリ‥‥確かに、俺のことは恩人くらいにしか思っていないかもしれない‥‥それに、好きでもない相手に頬にキスをしてしまうくらいには鈍感だ)


頬にキスをされた日を思い出す。


そして、キエリとの日々をどんどん遡っていく。


 「あれ?‥‥俺はキエリに好かれているのか?」


先ほどゼノにあおられたのもあるせいか、急に不安になってきた。


 「屋敷で初めて会った時は、喉に爪を食い込ませて怖い思いをさせてしまったし、暴言だって吐いた。その後もせっかくキエリが花を摘んできてくれたのに、それをひったくって踏みつぶした」


王子の顔が青ざめていく。


 「キエリに好きになってもらう要素がない!」

 「そもそも、好きだとも伝えていない!!」

 「挽回‥‥しなければ‥‥」


王子は椅子にしなだれて、これからの苦難を考え天井をあおいだ。


挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

ここまで読んでくださった方々ありがとうございます。

お気づきでしょうか?あの二人付き合ってないんだぜ…

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― 新着の感想 ―
[良い点] 一章お疲れ様でした。二章も楽しみにまっています。 王子とキエリの絵もイメージが分かりました。 ありがとうございます。 [気になる点] 片手ならともなく両手が欠損で掃除は?普段の着替えなど日…
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