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終わり
ダイアナは動かなくなってしまった彼女を抱きしめ続けていた。
まだ彼女には温もりが残っている。
まだ彼女は生きている。
そう自分に言い聞かせるために、ひたすら自分の温もりで彼女を温め続ける。
ふと引っ張られる感覚がダイアナを襲った。
見ると自分が抱きしめている彼女を貫いている槍を、宙に舞う白い子供が引き抜いていた。
ダイアナは何も考えなかった、いや考えられなかった。
ただ、目の前に居る無数の白い人間が抱きしめている彼女の命を奪ったこと。
その事実と、それらへの怒りが頭の中を埋め尽くした。
気がつくと、そこに残っていたのはかつてともに学び高めあった。友人と、知らない女の人が1人。
そして腕の中で冷たくなったアルトだけだった。




