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私、究極生命体⁉︎  作者: 石動昼間
第5章 デスティ・ルークシオン
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元究極生命体デスティ・ルークシオン 14

オーネがこの世界を消しにやってくる。


そのことをカトラが伝えてくれたのはおそらく、私だけでなく、私の大切な人も逃げることができるようにするためだろう。


私は姉と話をするために王城へと赴いた。




―――




姉は休憩を取っていたらしく、すぐに見つかった。


私の姿を見るなり、笑みを浮かべ私の方へと近づいてきた。


「どうしたんだデスティ。任務は順調なのか」


「…うん、順調だよ。それで…実は、お姉ちゃんに話したいことがあって……ここだと話しづらいから、一緒に外まで来て欲しい」


そう言って私は無理矢理姉を引っ張って城の外へと連れて行った。


「どうしたんだ急に、そんなに急がなくてもデスティのためなら時間くらいとるさ。だからゆっくり話してくれ」


姉は優しく微笑みかける。


「…あのねお姉ちゃん、実は…」


わかっていた。


「この世界、ファーストワールドがもうすぐ消えてしまうの」


姉にこの言葉は決して届かない。


「だから、お姉ちゃん。私と一緒に逃げよう」


なぜなら姉の周りはもうすでに真っ黒な魔力でいっぱいだから。


天使の魔力に侵された人間は、神の魔力に逆らえない。


「デスティ、それは無理だ。この世界の外には敵がいる。それを倒すことが私たちの使命なんだ、それに──」


姉の魔力はどんどん黒く染まっていく。


「デスティ、何故お前が外の世界のことを知っているんだ。まさかデスティが行方不明になっていだ間、もしかして外の世界にいたのか?それならば話は別だこのことは国王様に報告しなくては。さあ、行こうデスティ、一緒に国王様の元へ。大丈夫だ、全て正直に話せば国王様なら許してくださる。だからデスティ」


黒く渦巻くその魔力は私の元へと絡み付いてくる。


「こっちへおいで」


だめだ。


その手を取ってしまいそうになる。


姉へと差し出す私の手が姉の手を掴もうと言うその時。


横から別の手が私の手と、姉の手を同時に掴んだ。


「横からごめんね。あなた騎士団長様のインスティちゃんでしょ。それとデスティ」


カナデは掴んだ手を振り上げて言った。


「2人を私の学校の先生としてスカウトしにきました!」




―――




その日の夕暮れ、カナデと私は学校の、寮の中で話をしていた。


「…昼間はありがとう、カナデ…さん。お姉…インスティから助けてくれて」


「いえいえ、こっちこそ、教師の仕事受けてくれてありがとうね。って言ってもデスティには2人だけを教えてもらおうとしてるんだけど」


「…私、人に何かを教えたことありませんよ」


私がそう言うと、カナデは笑って答える。


「大丈夫、そこにある私が作った教師のいろは第1巻から第10巻まで読めば、バッチリよ」


そう言ってカナデは一冊一冊がやけに分厚い本の山を指さした。


「…ずいぶん大変そうですね」


「デスティなら楽勝よ。カトラに鍛えてもらってたんでしょ」


確かにあの特訓の日々を思えば、分厚い本10冊なんて大したことはないかもしれない。


「ねえ、デスティお願いがあるんだけど。いいかしら」


どこか遠くを見つめながら言った。


「あなたのところにやってくる2人の生徒、その2人のこと、私の代わりに守ってあげて欲しいの。私は多分、国王の命令で十分に守ってあげられないから」


「…わかった。ちなみにその2人のこと、聞いてもいい?」


「いいわよ。まず1人目は、とっても強い子。ううん、強く見せている子ね。自分の弱い部分を見せないよう必死で頑張ってる子。あなたもよく知ってる子よ」


私は1人の女の子を思い浮かべた。

その金色の髪の子は、確かに強く見えて、もろく、壊れてしまいそうだった。


「…だけど、ダイアナはもう凄く強い子だと思うよ」


「そうね。だけどあの子が助けを求めた時は、助けてあげてね。それともう1人は…なんていったらいいかな、一言で言うと、あなたそっくりね」


私にそっくり。

それはまた、なんとも面倒くさそうな子だ。


「あの子に関しては、私じゃなくてカトラから伝えたほうがいいわね」


そう言うと、カナデの魔力の質が変化した。


「1日ぶり、デスティ。まだちゃんと回復してないから長くは話せないけど、たしかにあの子のことは話しておかなくちゃいけなかったわね」


カトラはそう言うと、私の目を指さした。


「デスティの目、オーネにあげちゃったでしょ」


私は頷く。


「オーネはそれを元にして、究極生命体の力を持ったもう1人のデスティを創っちゃったの。第二の究極生命体(アルト・アイメーテ)なんて名付けて」


私の目がそんなことになっていたとは知らなかった。


カナデが言っていた私に似ているとは、中身のことではなく、見た目のことだということか。


「ねえ、デスティ。私からもお願いがあるわ。もし、オーネに会えたら私からの伝言を伝えて欲しいの」


「…いいけど、どんな?」


「それはね────」



カトラはそう言い残すと、カナデの中へと戻って行った。




―――




そして今、目の前にはその言葉を伝えるべき相手、オーネがいる。


カナデに守ると約束した1人がいる。


2人との約束を守るため、私はオーネへと踏み出した。

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