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私、究極生命体⁉︎  作者: 石動昼間
第4章 ファーストワールド・エンド
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究極生命体と事件 5

 目を覚ますために洗面台へ向かった。顔に思い切り冷たい水をかけた。


 髪から滴り落ちる水をタオルで拭こうとした時、扉を叩く音が聞こえた。


 おそらくカナデさんあたりだろう。そう思ってタオルで髪を拭きながら扉へ向かった。


 扉を開けるとそこにいたのはデスティだった。まだ傷は治っていないようだが、もう歩いても大丈夫らしい。


「どうしたの、デスティ。こんな朝早くに」


 よく見るとかなり汗をかいている。よほど急ぎの用事みたいだ。


「…昨日の夜、カナデさんに会った?」


「うん。図書館跡を調べるって言ってた。カナデさんに何かあったの?」


 しかしデスティは私の問いに答えず、あそこか、と言って何処かへ行ってしまった。


 あの様子だとどうも良くないことが起きたと考えるべきだろう。


 きっと向かった先は本校舎の図書館跡だ。


 私は急いで着替えると、本校舎へ走った。





 ―――




 すっかりガラクタの山となった本校舎の一角、図書館のあった場所へ着いた。


 周りを見渡すと、何やら瓦礫を動かすような音がする。


 きっとデスティだと思い、そちらへ足を運ぶ。


 一つ大きな瓦礫を超えると、やはりそこにはデスティの姿があった。


 何やら一心不乱に瓦礫の山を掘り進めている。近くに寄ると投げた瓦礫に当たってしまいそうなので、ここから叫んで話しかけた。


「デスティ、どうしたの。カナデさんに一体何があったの」


 言葉が届いたのか、デスティは手を止めこっちを向いた。


 そしてものすごい速さでこっちへ飛んできた。


「…早くここから離れて、寮へ……いや、寮はだめ、それなら私と一緒にいた方が……でもそれじゃ……」


 デスティは私に話しているのか、独り言を言っているだけなのか、とにかくかなり焦っているようだ。


「落ち着いてデスティ。そんなに慌てて、本当に何があったの?」


 私がそう言うと、デスティはようやく私が求めていた答えを口にした。


「…昨日の夜からカナデさんがいなくなった。それに、寮からも何人もの生徒が消えたの」


 あの時私達がついていれば。思わず、そう考えてしまった。


 だがすぐに考えを改める。今まで聞いた話によるとカナデさんは相当な実力者だ。ならば私がいたとしても何もできなかっただろう。


 それでも何か変わったのだろうか。


「この場所に来ることは、スライに勧められたの。やっぱり犯人は……」


 それを聞くと、デスティはさらに恐ろしい形相になる。それは、怒りというよりも何かに恐怖しているようだった。


「…早くカナデさんを見つけないと」


 私はそれに頷くと、私も手伝うと言って二手に分かれた。瓦礫を越え、デスティとは反対側へ進む。


 すると、一つの人影が見えた。男子生徒のようだった。


 なぜ今外にいるのか気になり、その生徒に近づいた。


 すると、遠くからではわからなかったその顔がより鮮明になってくる。


 鮮やかな金髪に、翠の瞳。フューリーだ。


 驚いた私はまだ高さがあるにも関わらず、瓦礫の山から飛び降りる。


 フューリーの目の前まで走って行き、一体どうしたのかと訊こうとした時だった。


 私の視界が急にぐらついた。一歩一歩進むたびに意識も遠のいて行き、最後に映ったのは不気味に笑うフューリーの顔だった。

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