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私、究極生命体⁉︎  作者: 石動昼間
第3章 ダイアナ
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ダイアナのもとへ

 現在私とデスティは王都の建物の屋根の上をジャンプして進んでいる。


 悔しいが、デスティに言ったことを実行するには私1人の力では難しい。


 そのためにまずしなければならないこと、それは学校に一度帰ることだ。


 ただ、一歩進むたびに身体中の傷から激痛が走る。


 一応食堂を出る前に自身に痛み止めの能力はかけてきたが、あまり持続時間の長くない能力で、すぐに痛みが戻った。


 デスティがおぶって行こうかと提案したが、我慢すればこちらの方が早い以上こちらを選択しない理由は無かった。


「…アルト、本当に大丈夫?」


「うん…!大丈夫、それよりデスティ、やることは覚えてる?」


「…うん、アルトが図書館へ行っている間にティムを呼びに行くんだよね」


「うん、バッチリだね!あ、学校もうすぐそこだよ、急ごう!」


 校門から中に入ってすぐ、私とデスティは別れる。


 デスティは寮へ、私は本校舎の図書館へと向かった。




 ―――




「スライ、いる⁉︎」


 そう叫ぶと、奥の方からスライが飛んでくる。


「どうしたのアルト?やけに息が切れてる上にボロボロだけど」


「細かいことはいいから。ねえスライ、私に幻影魔法を教えて!」


 それを聞くとスライはにやりと笑う。


「なるほど、ね。いいよ教えてあげる、今回は意地悪なしでね」


「あ、ありがとうスライ!」


 やけに理解が早いが、そんなことを気にしている余裕は無い。スライに早く実演してくれと頼み、スライはそれを承諾する。


「ほい、これが幻影魔法だよ」


 そう言ってスライが手を振ると、目の前に私そっくりの幻影が現れる。


「コツは対象の事をしっかり見て、理解することだよ」




 ―――




 スライから幻影魔法を教えてもらい、校門へ戻ると、デスティとティム、そして何故かティアまでもがいた。


「お待たせ、えっと何でティアが…?」


「何でじゃないわよ、私だってあなたが眠っている間、ダイアナと結構仲良くなったんだから、私だってお別れを言いたいわ」


「デスティ、話したの?」


「…すごく簡単にだけど、その方がティムに伝わりやすいと思っただけで、ティアに聞かれるのは想定外だった」


 デスティってたまに抜けてるところがあるな…


「言っておくけど、私は足手まといになんてならないわよ。戦えば強いし、気配だって消せるわ」


「うう、色々言いたいけど…!急がないと間に合わないかもしれないから、早くここを出なきゃ!ティアも一緒でいいけど、このせいでバレたらティアとデスティのせいだからね!」


「…えっちょっ、ちょっと」


 私はデスティのミスまで計算に入れてなかったし、ミスをしたのはデスティなんだから文句を言われる筋合いは無い!


「さあ、みんな早く行くよ!」


 というかこのままの勢いでいかなければ私が激痛を我慢できなくなってしまいそうだ。


 そうして、私達は校門を抜け、再び王都へ出た。


 しかし街に用があるわけでもないので、さっきのようにすぐに屋根の上へと飛び乗る。


「デスティ、ダイアナたちはどのあたりかわかる?」


「…もう王都を出てだいぶ経ってる。別世界へのゲートは王都から少し離れた山の中腹にある洞窟の中だから、きっと今は山を登り始めたくらいだと思う」


「わかった、まずは王都を出るんだね、急ごう!」


 こうして私達は本来王都を出る際に必要な手続きなど無視して、王都の外へ飛び出した。




 ―――




「これ、バレたら大変よね。だって塀を飛び越えたもの。飛び越えてはいけない塀を飛び越えたもの…」


 ティアが何かぶつぶつ言っているが、自分からついてくると言ったのだから、もう少ししっかりしてほしい。


「大丈夫、今からやることも、バレないようにうまくやる」


 そう言うと、ティアは少し訝しんでいたが、何とか私の言葉を信じて落ち着いてくれたようだ。


 と、デスティが私の肩を叩く。


「…はやくしないと」


 私はそれに頷くと、デスティは一つの山を指差す。


「…あそこに見える山、そこを今登ってる最中だと思う」


「わかった、じゃあ行こう」


 そうして私達は走り出した。


 ダイアナにきちんとお別れを言うために。

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