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私、究極生命体⁉︎  作者: 石動昼間
第3章 ダイアナ
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究極生命体、外へ 2

 久々の王都は、初めて来た時と同じように、活気で溢れていた。


 大通りでは大勢の商人たちが、煉瓦造りの家の前で、木箱等で簡易な机を作り、大きな声を上げてその上に置かれている色とりどりな商品を売っている。


 初めて来たときは疲れていてあまり眺める余裕はなかったが、こうして見てみると壮観だ。


「やっぱりすごいなあ、王都は。人がたくさんで気を抜いたらみんなを見失っちゃいそうだよ」


「…不安だったら手とか繋ぐけど」


 デスティがそう言って手を差し出す。


「ありがとデスティ、じゃあ遠慮なく!」


 そう言って私もその手を握り返す。ほんのりあったかい。そういえば、デスティとこんなに気を許して触れ合うのは初めてだ。


「あなた達、ダイアナもだけど本当に仲がいいわね。一応立場は教師と生徒なのに。ちょっと羨ましいかも」


 ティアがそう言ってきたので私は彼女の腰にずっとしがみついているティムを見ながら言葉を返す。


「ティア達だって、すっごく仲良さそうじゃない。今日だって会った時から1回も2人が離れてるところ見てないよ」


 それを聞くと2人とも少し照れ臭そうに、誤魔化すように笑った。


「それよりアルト、街の方に出てきたのはいいけどどこか行きたいところでもあるの?」


 突然ティアは思い出したようにそう言った。


「あ、それなんだけど、私この前戦った王立魔法学校に行ってみたいなって…」


「お、いいわねそれ。私もフラムに会いたいし…ティムもいい?」


 ティアにそう聞かれたティムは口の形と頷いたことから「うん…」と言ったようだ。ここは周囲の音でティムの声を聞き取ることがなかなか難しい。


「そういうことなんだけど…学校の場所って誰かわかる?」


「…一応、行ったことはある。入れてもらえるかはわからないけど」


「きっとなんとかなるよ!じゃあデスティ、案内お願いしてもいい?」


 私がそう言うとデスティは頷き、「…こっち」と言って私の手を引いた。




 ―――




「ここが王立魔法学校…」


 デスティに手を引かれるままにやってきたその学校は、一言で表すならばとにかく大きい。


 私たちの学校もかなり大きいと、他を経験したことがないなりに思っていたが、ここは格が違う。


 というか王都の区画丸々1つ学校だ。


 今はデスティが校内に入るため交渉中で、私達は校門前で待機だ。


「デスティ遅いわね…やっぱり急には無理だったのかしら」


「だめだったらその時はその時だよ。もういつでも外には来れるんだし、最悪カナデさんに頼んだら入れてもらえると思う」


「それもそうね。今日はダイアナもいないし、また来れば…あ、戻ってきたわ」


 ティアがそう言って指差した方を見ると、デスティが誰かと一緒に校門から出てくる。


 見覚えがある人物だ。黒い髪に焦げ茶色の瞳、あの時ダイアナと戦った転生者だ。


「デスティ、どうだった?それと…コウスケさんだっけ、彼はどうして…?」


 私のその問いに答えたのはデスティではなくコウスケの方だった。


「うちの学校の方は大歓迎だってさ。それで案内役が必要だろうってことで俺が来たんだ」


「そうなんですね。じゃあよろしくお願いします!」


 私がそう言って頭を下げると、ティアとティムも続いてペコリと首から上だけを下げた。


「それで、君たちは何をしにきたんだ?ここに来たがってるってことはこの子から聞いたんだが…」


 そうコウスケが聞いてきたので私は答えた。


「私たち、それぞれ会いたい人がいて、こっちのティアとティムはフラム・ブレイズさんに。それで私は私と戦ってくれたシェイン王子に会いたいんです」


 私のその言葉に、コウスケは少し困ったように左手を彼の顎へと持ってくる。


「フラムは、多分校内のどこかにいると思う。だけどシェインは…」


「彼に何かあったんですか?」


「ああ、実はシェインはあの試合の後どこかへ行ったっきり戻ってこないんだ」


 そのことを聞き、私は驚愕するとともに、落胆した。

 というのも私が聞いた声が一体誰の声だったのか、当時の記憶がない私にとって、あの時目の前にいたはずのシェイン王子は一番期待のできる情報源だったからだ。


「ただ、王子がいなくなっているのに騒ぎにもならないってことはきっとシェインは城にいるんだと思う。だからそのうち帰ってくるさ」


 困っている私をみかねたのか、コウスケがそう付け加えた。


「わかった、じゃあシェインに会うのはまた別の機会にします!」


「うん、それがいいかな。それじゃあ、ずっと校門前で立ち話もなんだし、フラムを探しに行こうか」


 そう言ってコウスケは視線をティアとティムに移し、門の向こうへと歩き出した。


 それに私達もついて行こうとしたその時、デスティが口を開いた。


「…ごめんみんな、今カナデさんから急に連絡が来たから、私だけ先に帰らなきゃ。楽しんでね」


 唐突に、淡々とそう述べると、そのままデスティはものすごい速さで帰っていった。


「えっ、ちょっとデスティ………行っちゃった」


「あんなに急いで行かなくちゃいけないなんて、何があったのかしら…デスティも大変ね」


 私が呆然とする中、ティアは冷静に分析している。


 そして、今まで無口だったが、一番冷静なティムが口を開く。


「あの、2人とも、コウスケさん待たせてるよ」


 ティムのその指摘で、私たちは慌てて校門の中へと走った。

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