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私、究極生命体⁉︎  作者: 石動昼間
第3章 ダイアナ
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究極生命体、入院

 目を覚ますとそこは知らない場所だった。


 ベッドに寝かされ動くことができない。


 拘束されているのかと思ったが、特にそれらしきものは見当たらなかった。


 ふと、扉の開くような音がし、音のした方を見てみると、そこにはデスティとダイアナの姿があった。


「デスティ、ダイアナ、これってどういう…」


 そこまで言った私の言葉は、ダイアナが抱きついてきたことにより途切れる。


「え、えぇ⁉︎どうしたのダイアナ⁉︎」


「どうしたもこうしたも、アルトあれから一ヶ月も目を覚まさなかったのよ?どれだけ心配したと思ってるのよ…よかった…」


 一ヶ月。ああそうか、私あの試合で倒れたんだ。


 でもよく思い出せない。私は誰と戦ってたんだっけ。どうやって戦って、どうして倒れたんだっけ。


 自分が戦ったはずのあの試合の記憶だけすっぽりと抜けているようだ。


「そっか…そんなに長い間…心配かけてごめんね、ダイアナ。ありがとう」


 ダイアナは泣きながらぎゅうっとさらに抱きしめてくる。これはなかなか離してもらえなさそうだ。


「…まあなんにせよ目を覚ましてよかった。私、先生呼んでくる」


「うん、デスティもありがとう」


 そうしてデスティは一度部屋を出て行った。


 部屋には私とダイアナの2人きりになる。


「ダイアナ、あの時の怪我は大丈夫?」


「もう大丈夫よ。ここには最高の治癒術師も揃ってるんだから。一ヶ月も治らないなんて、アルトくらいなものよ」


「そういえばここってどこなの?私たち学校からは出られないし、学校の中ってことはわかるけど」 


「ここは敷地内にある医療棟よ。本校舎と寮の間にある施設で、結構目立つ建物だと思うけれど、わからない?」


 そういえば。いつも横を通り過ぎていた気がする。特に用もなかったから気に留めていなかった。


「ねえ、アルト。実は…」


 そこで扉が開かれる。ダイアナは何か言おうとしていたようだったが、その言葉を続けることはせず、デスティともう1人の方へ視線を向ける。


「…先生、連れてきた」


「やあ、アルトさんはじめまして。僕はこの学校の医療棟主任、ピーター・クリップです」


 ピーターと名乗ったその男性は茶髪にそこそこな高身長で白衣を纏う、好青年といった印象だ。


「どうも、アルト・アイメーテです。あの、いろいろとありがとうございます。一ヶ月も…」


「いえいえ、お礼ならこちらのデスティさんに。彼女がいなければ、おそらくあなたを助けることは難しかったでしょうから」


「そ、そうなの?ありがとうデスティ」


 そう言うと、デスティは少し頬を赤くして、こくりと頷く。


「アルトさん、あなたは一時的に魔力が全く体内に存在しない状態だったんです。」


「魔力が?でも、魔力がなくなってもみんな意識を失ったりは…」


 ティアも魔力切れを起こしていたが、動きづらくはなっても、意識を失ってしまうことはなかった。何より過去に私自身経験がある。


「それは世間で魔力切れと呼ばれる症状だね。でもそれはあくまで使える魔力がなくなる状態なんだ」


 ピーター先生は続ける。


「普通人間も異生命体も、生命維持をするには微量の魔力が必要なんだ。だから絶対、体内の魔力がなくなる前に、無意識にストッパーがかかる。だけど君はどういう条件下かはわからないが、その使ってはいけない魔力まで使えてしまうらしいんだ。もしそれを使ってしまえばどうなってしまうかは目に見えているよね」


 もし使ってしまえば、死は免れない。そういうことだろう。


「本当に、アルトくんが助かったのは奇跡というわけだね。それもいくつもの奇跡が」


「いくつもの奇跡…ですか?」


「ああ、まずあの場に僕がいたこと。それに僕の研究している内容と今回のケースの相性が良かったこと。それに何よりの奇跡がデスティさんという存在が近くにいたことだね」


「…私?」


 デスティ本人が少し驚いているようだ。まさか自分の名前が出てくると思わなかったのだろうか。


「ああ、まず君の治療にあたって最も大きな壁は魔力の補給だった。全く他人の魔力を与えたりしたら、普通拒否反応で死んでしまうからね。しかし、デスティさんの魔力は奇跡的に君の魔力とほとんど同じものだったんだこれは本当に奇跡だよ」


「そうだったんだ、神様に感謝…あっ、神様は王様なんだっけ…じゃあ…」


 うむむ…この場合奇跡って誰に感謝すれば…


 そんなことを悩んでいるのがわかったのか、デスティが口を開く。


「…エクストラにはまだ天に残る神々があると聞くわ。感謝するならそっちにすればいい」


 なるほど、神様ありがとう!


「ちなみにアルトさん、まだ手足とかは自由に動かせ

 ないと思うけど、じきに回復すると思うよ。まあまた改めて検査はさせてもらうけど、ひとまず安心してください。それじゃ、僕は他の患者さんを見に行ってきます」


 それだけ言うととピーター先生は部屋を後にした。


「あ、そういえば…試合ってどうなったんだっけ。私、よく覚えてなくて…」


「試合はあなたとあの王子が引き分けで、ティムが残ってるこっちの勝ちだったわ。一応デスティのお願いも果たせたわけね」


「…そういえばカナデさんがその件でお礼がしたいって言ってた。予定が合えば連れてくる」


「そうだ、ティアとティムも、すごく心配してたわよ。まあ、あっちは最近フューリーにさらに絡まれるようになって今日は来れなかったけど、また今度みんなで一緒にご飯でも食べましょ」


「うん、私も早く動けるようになって元気な姿見せないとね!」




 その後、順調に回復が進み、1週間で元の通り動けるようにまで回復した。


 検査でも特に問題はないとされ、ついに明日、寮へと戻れることになった。

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