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私、究極生命体⁉︎  作者: 石動昼間
第2章 学校と試合
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究極生命体と王族

「くぅっ…!」

 無数の光線が私の体をかすめていく。

 しかし、直撃するものは一つもない。

 きっと殺してしまわないよう調整してるのね。


 なら…


 私は思い切り前へ飛んだ。

 すると突然光は全て私から逸れていく。

 さらにコウスケから余裕の表情が消えた。


 思った通り。


 そのまま間合いを詰め、一気に彼の間合いの内側まで入り込む。

 私の動きはそこまで速くない。

 しっかり見ていればここまで詰められることなどないはずだ。つまり…


「あなた、戦いに慣れていないのね」


 その言葉に、コウスケはさらに動揺する。

 それを確認すると、一気に隙だらけになったコウスケに岩の剣を振り下ろす。

 だが、コウスケに傷はつかない。

 流石の防御ね。おそらく私の攻撃では傷はつけられない。


 だったら…


 一度コウスケから距離を取る。

 まだ焦っているらしいコウスケは私が離れていくのを見るとすかさず魔法の構えをとる。


破光(バースト)!」


 予想通り。


「《鉱石創造》」


 闘技場内に無数の透明でキラキラと輝く石をが作り出される。

 私へ向かってくる光線がその石に触れると、その光線はあらぬ方向へと曲がり、コウスケの制御から外れて闘技場内を駆け巡る。


 あとはこれが、先にどちらに当たるか。


 少しでも当たる数を減らすために私は地面に伏せる。

 刹那、すべての光が消えていく。それが意味することはコウスケが能力を解いたか、あるいは…


 顔を上げるとそこには自身の光に打ち抜かれたコウスケの姿があった。


「コウスケ・カンダ戦闘不能」


 私がそれを確認するのとほぼ同時にカナデさんがそう告げた。

 救護班が出てきて、大急ぎでコウスケを運んで行く。


 コウスケはとてつもない強さだった。それこそ、彼が転生者であっても信じるほどに。


「もしも叶うなら、もう一度自分の力だけで戦いたいわね」




 ―――




「ダイアナすごい!転生者相手にあそこまで圧倒するなんて」


「想像以上だったわ…私は努力した量では誰にも負けないと思っているけど、才能には勝てないわね…」


「す、すごいです!これで向こうはあと1人に対してこちらはあと3人。僕の出番はないかもですね」


 私とティア、そしてティムが盛り上がる中、デスティだけは何故かかなり曇った表情でダイアナを見つめていた。


「デスティ、どうかした?」


 私がそう聞くが、デスティは何も反応しない。聞こえていないようだ。

 そのまま少しデスティの様子を窺っていると突然、デスティが大きく目を見開き、窓の外の闘技場内を凝視する。


「…そうか、まだ…まだあの人が…」


 見ると相手側の最後の選手が闘技場に入ってくるところだった。

 その髪はまるで本当に光を放ち輝いていると思うほど光沢のある金髪で、その瞳は遠目でもわかるほど鮮やかな碧く輝いている。

 様子からして男性ではあるだろうが、その姿はまさに美しいと形容するのが最もふさわしい人物であろう。そう思わせる容貌をしている。


「うわぁ…すごい綺麗な人だね。デスティ知ってるの?」


 そこでようやく私の言葉が耳に入ったようで、デスティが私の問いに答える。


「…あの人は現国王の息子。つまりこの国の王子だよ」


 それを聞くとティアとティムが驚愕に目を見開く。そしてその見開いたままの目で、その王子だという人物に視線を移す。


「あれが…《神の子》…初めて見たわ」


「どういうこと?王子なんだから、この年になるまでに一回くらいは公の場に出たことくらいあるんじゃない?」


 よほど驚いていたのか、ティアは私の質問に、一呼吸おいて落ち着いてから答えた。


「この国の王家は滅多に顔を出さないの。国王ですらここ10年で1回あるかどうかってところかしら。何故かはわからないけどね。神の子って呼ばれてる理由も噂ばっかり飛び交って、本当のことははっきりしてないわ」


 余程世間に顔を見られたくないのだろうか、確かにそこまで出てこないならこんな風にあっさりと出てくることに対し、ここまで驚くのも無理はない。


 そう思っているとデスティが私の肩を叩く。


「…アルト。彼とは戦うことになるから言っておかなきゃいけないことがある」


「な、なに?」


 デスティからその内容を聞こうとしたその瞬間、カナデさんの声が聞こえる。


 やはりダイアナの魔力も残り少なかったのだろうが、こうも一瞬でやられてしまうものかと思ったが、どうも様子が違う。


 カナデさんは何故かかなり焦っているようであり、声を荒げすぎて魔力によって伝えられる音声にはかなりのノイズが入ってほとんど聞き取れない。


 何が起こっているのかと闘技場内を見ると、そこには信じがたい光景が広がっていた。


 そこには不気味ににやついた笑みを浮かべる王子と、その王子に踏みつけられ血塗れで横たわるダイアナの姿があった。


 それを見て呆然としている私に向かってデスティが言葉を発する。おそらく先ほど言おうとしていたことだ。


「…彼は異生命体に異常なまでの恨みを持っている。殺すのも躊躇しないほどにね」


 さらにデスティは続ける。


「…今この世界に神はいない。遥か昔にサノイクサの厄災によって滅びた…はずだった」


「…この国の王族は、神々の生き残りなの」

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