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私、究極生命体⁉︎  作者: 石動昼間
第2章 学校と試合
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転生者

「ごめん、相討ちになっちゃった…」


 救護班に運ばれてきて、ぐったりとしているティアが言った。


「全然すごいよ!ていうかティア、ここにいて大丈夫?医務室に行った方がいいんじゃ…」


「平気。怪我をしたわけでもないし、しっかり休めば明日には治ってるわよ。それより…」


 ティアは闘技場の中心で相手と見合うダイアナに視線を移した。


「ダイアナは大丈夫かしら。またフラムくらい強い人だったら…」


「多分大丈夫だと思うよ。ずっと一緒にいた私が言うんだから間違いない」


 ダイアナが1人も倒さずに終わることはないだろう、私とデスティはそう確信している。


 問題はどこまで相手の数を減らせるかだ。

 ティムの能力を出来るだけ使いたくないというのなら、確実に私までで終わらせなければならない。


 私の魔力量からして1人の相手が限界だろう。

 だからダイアナには頑張って3人倒してくれと伝えたけど…



 ―――



 3連勝。1人目のフラム戦の苦戦具合からしてかなりの難題ね。

 だけどアルトに頼まれてしまったから。


「やるしかないわよね…!」


 相手は何やら精神統一をしているのかさっきから目を閉じて動かない。

 そういえば一度も目を開けてない気がする。この闘技場内に入ってきた時からずっと。


 目に何か特殊な能力があるのかしら。警戒しつつ攻めるか…能力を使われる前に決めるか…


 考えているとカナデさんの声が聞こえてきた。


「それでは、始め!」


 意外と急に始めるのね…


 そう思いつつ狙いを相手に定める。


幻岩(ロック・オン)


 私がそう唱えると一瞬で相手を巨大な岩山の幻が包み込む。


現岩(クリエイト)!」



 ―――



 …何も心配する必要はなかったかもしれない。


 さっきまでしっかりと整備された闘技場だった場所には巨大な岩山が現れている。しかもその場所はさっきまで相手選手がいた場所だ。


「想像以上に大きいの作れるようになったんだね…」


「…そう、アルトには秘密にしておいてくれって言われてたけどね…自慢したかったんじゃない?」


「けどあれって、どうなるの?完全に埋まっちゃって相手がどうなってるかわからないけど…」


「…30秒、相手が視認できない状態で何もしてこなければ10秒のカウントが入って、それでも何もしてこなければこちらの勝ちになる」


「って言ってる間にカウント始まったね、これもしかして勝っちゃうんじゃ…」


 そう言っているうちにも5秒4秒とカウントは進んでいき、ついに0になった。


「勝っちゃったわね…」


 ティアが唖然とした様子で言う。


「このままいければダイアナ1人で勝てるんじゃない?」


 この能力ならば例えくるとわかっていても防ぐのは難しいだろう。


「…無理だと思う」


 デスティはそう言い切った。


「…考えてみて、あれ程の岩山を作るのにどれほどの魔力を使うのか。せいぜい使えてあと1回だよ」


 それもそうだ。

 それにこれから先には今までの選手よりも強い転生者が控えている。

 全く同じように勝利できるかはわからない。


「せめてあと1人勝つことができればいいんだけど…」


 ティアの言う通り、もう一度ダイアナが勝てば人数的に有利になる。

 出すなと言われているティムを除いても私とダイアナの2人。

 相手の4人目をダイアナがある程度消耗させてくれれば私1人でも2人を連続して相手にできる。

 兎にも角にも今はダイアナに頑張ってもらうしかない。


「よし!とりあえずはダイアナの応援だよ!ダイアナ、がんば―――」


 そう私が言いかけたところで闘技場から轟音が響いた。


 見ると闘技場内が先ほどの岩山の半分もない大きさだが、剣のように鋭く尖った無数の岩でうめつくされている。


 ダイアナが立っている場所を除いて。


「うっそぉ…」


 隣を見るとデスティもかなり驚いているようだ。

 ティアやティムに至っては目をゴシゴシと何度も擦っている。


「…ダイアナ、訓練ではあれの半分も出せてなかったのに、隠してるわけでもなさそうだったし…」


「私はあんな魔法見たこともなかったけど…」


「…アルトが図書館に行ってるときに―――」


 そこまで言ってデスティは突然言葉を止め闘技場の方を見た。


「…?どうしたのデスティ?」


 どうやらデスティが見ているのはたった今闘技場内に入ってきた選手のようだ。


「…あの取ってつけたような巨大な魔力、間違いない、あの人、転生者」


 デスティが少しばかり深刻な様子で言う。


「なんでそんなに怖い顔してるのよ、別に一番強い人が最後に出てくる理由なんてないじゃない」


 ティアがデスティを少し心配げに見る。


「…相手の学校、王立魔法学校は弱い者にも経験を積ませ強くするっていう考え方。過去の試合でも一番強い選手は必ず最後に持ってきていた。つまり―――」


「もう1人、転生者よりも強い選手がいるってこと…?」


 そうなると、かなりまずい。

 ここまでダイアナは全部一撃で決めてきたけど、それでも消耗は少なからずあるはずだ。


 ここでダイアナが勝たないと、私の魔力量では2人を連続して相手にすることは難しいだろう。


「頑張ってダイアナ…!」



 ―――



 …2人目も大したことなかったわね。

 あと1人倒せば十分だけど、もしかしたらこのまま転生者にも勝てるかも。


 そう思っていたら次の選手が出てきた。


 なんだろうこの感じ。さっきまでとは何か違うような…


 そうやって相手を観察していると、向こうから話しかけてきた。


「やあ、俺はコウスケ。いい試合にしようぜ」


「ダイアナよ。簡単には負けないわよ」


 そう試合前の決まり文句のような感じの返事をするとカナデさんから位置に着くよう指示が来た。


 さっき感じたあの感じ。少し気になるけど…

 さっきまでの試合ですでに半分ほどの魔力を使ったから探ったりしている余裕もないわね…

 なら…


「両者準備は整ったわね。それでは、試合始め!」


 速攻で…!


幻岩(ロック・オン)現岩(クリエイト)!」


 先ほどまでコウスケのいた場所に巨大な岩山が現れる。


 これで完全にコウスケは岩山の中。このまま何も出来なければ私の勝ちね。


 今のでもうほとんど魔力を使い切っちゃったけど、まあ目標には届いたし、少しでも次の相手の手の内を明かさない…と…


「嘘…」


 岩山に大きな穴が開いている。

 しかもその中心にいるコウスケは全くの無傷だ。


「その手はさっき見たよ。俺を倒すならもうちょっと工夫した攻撃を頼む」


 そう言いながらコウスケはゆっくりとこちらに近づいてくる。


「あんたに恨みはないけどあいつらに勝ってくるって約束したから、今からはちょっと本気出させてもらうぜ」


 くる…!


 そう思い身構えた瞬間、辺りに光の粒子のようなものが現れる。


破光(バースト)

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