表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私、究極生命体⁉︎  作者: 石動昼間
第2章 学校と試合
29/80

異生命体達と初戦

 私達が闘技場につくと、そこにはデスティが待っていた。


「…今からルール説明が行われる。よく聞いていて」


 すると、能力で音量を上げられた、よく知っている声が聞こえてきた。


「えー、私は王都異生命体学校のカナデです。今回の試合の審判をさせてもらうわ。早速だけど、今日の試合のルール説明に入ります。」


 カナデさんはそこで一呼吸置くと、ルール説明を始めた。


「試合の形式は、勝ち抜き戦。勝敗のつけ方だけど、お互いの能力の行使の結果、どちらかが戦闘不能になったとみなされたら、戦闘不能になった方の敗北。1分以内に次の選手に交代して次の試合を開始。それで最終的に相手の選手全員を戦闘不能にした方の勝利よ。」


 どうやら緊張がいい方向に働いたのか、カナデさんの口調がいつもの感じに戻っている。


 いや、もしかしたら私たちと話す時いつも緊張してたのかな…


 ともかくカナデさんの話が終わると、他のみんなが準備を始めた。


「ティア、何故君がそんなことをしているんだ。僕が全て終わらせるんだからする必要のないことだろう」


「私はあなたが全員に勝てるなんて少しも思ってないから」


 もうすぐ試合が始まるのにまだフューリーとティアは言い争い中だ。


 弟のティムはというと出番も最後ということもあり、少し離れたところで精神集中をしていた。


「ダイアナ、緊張してる?」


「大丈夫よ、アルトこそ魔力切れ起こさないでね」


 ダイアナはからかうような笑みを浮かべそう言った。


 少しすると、カナデさんの声が聞こえてきた。


「間も無く試合を始めます。両校、1人目の選手は闘技場へ入ってください」


 それを聞き、フューリーはむすっとした顔で、出ていった。


 そらとほぼ同時に、円形の闘技場の反対側から相手の選手が出てきた。


「あ、あの人は…」


「ティア、知ってるの?」


「ええ、あの人はフラム・ブレイズ。フューリーの双子の妹よ」


 確かにフューリーとよく似た容姿をしている。

 男女の差がなければ鏡合わせではないかと思えるほどだ。

 私がその姿を見て感動していると、ティアが言った。


「多分気付いてると思うけど、私とティムはここに来る前はフューリーの家に仕えていたの。でもその時にはフラムはほとんど能力が使えなかったのに、たった1ヶ月でどうやって…」


 フューリーも同じ疑問を持っているようで、疑わしげな様子でフラムに近づいた。

 そしてフラムと顔を合わせたフューリーは言った。


「フラム、なぜお前がこんなところにいる。ここはお前の来れるようなところではないだろう」


 その問いに、フラムは答えず、ただこう言った。


「調子に乗っていられるのも今のうちよ、お兄様」


 それを聞いたフューリーは少し顔を強張らせたが、それ以上は何もしなかった。


 両者が完全に向かい合ったことが確認されると、再びカナデさんが話し始めた。


「両者、準備はできたわね?では…王立魔法学校と王都異生命体学校による模擬戦闘、始め!」


 カナデさんがそう叫んだ瞬間、闘技場を赤黒い炎が包んだ。

 フューリーの《獄炎(インフェルノ)》だ。

 1ヶ月前インスティ先生に放ったものとはまるで別物のような威力になっている。相当鍛えられているようだ。

 フラムの姿は炎に飲み込まれてしまって確認できない。


「僕が調子に乗ってるだって?これを見て理解しただろフラム、お前が間違ってる、僕が最強だってね」


 しかしフラムのその言葉への返事はない。

 返ってきたのはフューリーを貫く炎の槍の攻撃だった。


「がァ⁉︎何⁉︎」


 腹部を焼かれ貫かれた痛みにフューリーは顔を歪める。


 するとフューリーの前で燃え盛る獄炎の中からフラムが現れ言った。


「《三叉戟(トリシューラ)》お兄様はこんな魔法も見たことがないの?」


 《三叉戟(トリシューラ)》 私も図書館で見て知っている。だけど確かあれは…


「あれは太古に失われた魔法、《三叉戟(トリシューラ)》⁉︎なんでフラムがそんな能力を…」


 ティアが驚いて半ば叫んでそう言う。


「…転生者。急な成長の裏には必ずあの人たちが絡んでる」


 デスティがティアの疑問に対する答えを述べた。


「…転生者が厄介なのはただ強すぎるからだけじゃない。周りの人間まで強すぎるまでに成長させてしまうからなの」


 ―――


 それからは一方的な展開が続いている。

 フューリーの攻撃をフラムが受け流し、攻撃後の隙にフラムが《三叉戟(トリシューラ)》を放つただそれだけで、フューリーは戦闘不能寸前まで追い込まれていた。


「お兄様、もう諦めたら?これ以上抵抗しても、苦しい時間が長引くだけよ?」


 その言葉にフューリーは答えない。

 ただひたすら《獄炎(インフェルノ)》を放ち続けている。


「でも、何でフラムには《獄炎(インフェルノ)》が効かないのかしら、火の生命体であるフューリーですら完全に無効化はできないのに…」


 ダイアナのその言葉に、デスティが答えた。


「…完全耐性の能力、数百年に1人しか発現しないと言われている能力だけど、おそらく彼女は火の完全耐性を持っている」


「じ、じゃあフューリーが勝つ手段なんてないじゃない!」


 ティアがそう叫ぶ。


「…完全にやられた。転生者の影響がここまで大きいだなんて…」


 そして遂に、フューリーの魔法が止まった。


「もう今までの私じゃないわ、さよならお兄様」


 フラムはそう言うと、魔力を抑えるためだろうか、とても小さな炎でフューリーに最後の一撃を与えた。


「フューリー・ブレイズ戦闘不能。王都異生命体学校は1分以内に準備し、試合を始めてください」


 カナデさんのその言葉が終わると、救護班がフューリーを運び出し、そこには全く無傷のフラム・ブレイズだけが残った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ