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私、究極生命体⁉︎  作者: 石動昼間
第2章 学校と試合
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究極生命体と試合準備 2

「そもそも、何でデスティにあんなことやらせたの?カナデさんなら自分でできるでしょ」


「んー、今はちょっと多くの人の前で魔法使っちゃダメなんだよ」


「なにそれ…意味わかんないよ…」


 そう言いながらカナデさんの後をついて行くと、訓練場の壁に突き当たった。


「カナデさん、ここ行き止まりだけど…」


 私のその言葉を聞くと、カナデさんは少しドヤ顔をして壁に向かって魔力を発した。


 すると、先ほどまで壁だった場所には地下へと続く階段が現れていた。


「こ、これって隠し通路⁉︎一体どこに…」


「これは王城へと繋がる隠し通路、この学校の正門以外で唯一外へとつながる場所だよ」


 私を含めてこの場にいるカナデさん以外の全員がざわつく。


「今日の試合が行われるのは王城内の闘技場なの。さあ、急がなきゃ、時間がかなり押してるの」


 そう言うと、カナデさんは突然かなりのスピードで走り始めた。


 どうやら今の私達はカナデさんから離れられないらしく、私達の足も勝手に動きを早めていく。


「ちょっと、カナデさん!いきなり走んないでよ!ていうか他のみんなも何で黙って…」


 そう言って一緒についてきている私とダイアナ以外の3人を見ると、なぜかその3人は気絶していた。


「か、カナデさんこれは…」


「ああ、最初連れて行こうとした時に、ちょっと抵抗したから首トンしちゃった☆」


 何か今日のカナデさん、怖い…


 隣にいるダイアナもそう思ったようで横からうわぁ…と漏れた声が聞こえてきた。


「カナデさん、何か今日は焦ってる?」


「今日は特別な日だから、絶対に失敗しちゃいけないんだよ」


 カナデさんはいつになく真剣な様子でそう言った。


「アルトちゃん達はこの学校が何年も試合で負け続けてることは知ってるよね?」


「うん、デスティから聞いてる」


「それについてね、国王が疑念を持ち始めてるの。異生命体は本当に戦力になるのかってね。このまま今年も同じ結果になれば、学校の運営に影響が出かねないから」


 その後カナデさんは重い表情のまま走っていたが、しばらくするといつもの明るい表情に戻り、言った。


「だから、絶対勝ってね!」



 ―――




「ここがうちの学校の選手控え室だよ」


 カナデさんに案内されたその部屋は、学生が使っていいとは思えないような、まるで貴族の屋敷の一室であるかのような部屋だった。


 まあ、王城内の施設なので当然といえば当然だ。


 カナデさんはまだ気絶している他の3人をソファに寝かせ、私達の方を向き、言った。


「じゃあ私は試合の準備とか、色々あるから。あの子達が起きたらお互い自己紹介でもしてて待ってて」


 そう言ってカナデさんは部屋から出て行ってしまった。


「どうしよっか?」


 私はダイアナに言った。


「そうね。この3人もそろそろ起きるだろうし、余っている椅子に座って待ちましょ」


 ダイアナがそう言ったので2人とも椅子に座ると、あることに気づいた。


「そういえばあの3人の中の男の人、あれって前に私にちょっかいかけてきた人だよ」


「ああ、前にそんなこと言ってたわね。アルトや私のこと良く思ってないみたいだし、チーム内の空気が悪くなったりしないかしら」


「流石にこの大事な時だったら大人しくしてるんじゃないかな」


 そんなことをしばらくの間話していると、ようやく3人の中の1人が目を覚ました。


 さっきまで話題に上がっていたあの男子生徒だ。


「あれ、ここは…」


「おはよう。ここは選手控え室だよ、カナデさんが連れてきてくれたの」


「ああ、そうなのか…って君達は!まさか、僕の他の代表というのは…」


「そう、5人のうち2人が私達で、残りがあなたとそこに寝ている2人…あ、起きた?」


 おそらく急に隣で叫ばれたからだろう。他の2人も目を覚ましたようだ。


「何事…」


「うう…耳が…」


「おはよう、ごめんねうるさくて」


 少し意識がはっきりしていないようだったが、時間もなかったので、起きた2人に今の状況をさっと説明した。


「それで、カナデ様は帰ってくるまでに自己紹介をしておけとおっしゃったのね。いいわ、じゃあまず私から、私はティア・ワット。水を操る異生命体よ、よろしく、ほらティムも」


 ティアは自分の後ろに隠れている生徒を無理やり前に出した。


「ど、どうもはじめまして…ティム・ワットです…あの、ティアの弟で…すみません、能力は言うなって言われてて…」


 弟…男だったんだ…どう見ても女の子にしか見えない可愛らしい顔立ちだから気づかなかった…


「私はアルト・アイメーテ。究極生命体だよ」


「究極…」


「生命体…?」


 ティアとティムの2人はよくわからない様子でこちらを見てくる。


「ごめんね、私もよくわからないんだ。あ、でも能力はとってもたくさん使えるよ」


「へえ、凄いのね」


 まあ、魔力が足りなくて少ししか連続で使えないけどね…


「次は私ね。私はダイアナ・ストーン、石の生命体よ」


 ダイアナはそう言ったが、石の生命体というのがあまり強そうに思えないのか、あまり反応は良くない


 ダイアナが戦うところを見たらそんなイメージは吹き飛ぶのだろうが、戦略を立てる段階で影響が出ても困るので言っておくことにした。


「石の生命体って言っても、石ころみたいなのじゃないよ。岩山みたいなのが降ってきて、私も何度潰されたか…」


 そう言うとダイアナのイメージは変わったようで、ティアは「それは、期待できるわね!」と言っている。

 ティムに至っては「こ、怖い…」と怯えてしまっている。


「最後は僕か…僕はフューリー・ブレイズ、火の生命体だ。言っておくが、僕は君達とは格が違う存在だ、話しかける時は敬意を払え。そこのサボリ魔2人とは違って君達はわかるよなぁ、ティア、ティム」


「もう私達はあなたの召使いじゃないわ。もうあなたに頭を下げるなんて絶対嫌よ」


 どうやらフューリーとワット姉弟の間には複雑な事情があるようだ。


 あの大人しそうな見た目のティムがティアの後ろから睨みつけてるのを見ると相当な因縁だろう。


 大丈夫なんだろうか、このチーム…

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