究極生命体と試合準備 1
王立魔法学校との試合当日、私とダイアナは他の生徒とともに訓練場に集まっていた。
なんでも、カナデさんが今日の試合についての説明を行うらしい。
しかし、肝心のカナデさんが遅れているらしく、もう呼び出された時間からかなり経っていた。
「カナデさん、こんな時でもマイペースだなぁ…」
「でもあの人、人前で緊張するって言っていたじゃない。それで体調を崩しているのかもしれないわ」
ダイアナは心配そうな様子でそう言った。
相変わらず、ダイアナは優しい。
さっきの会話で自分があったことを思い出し、少し恥ずかしくなるくらいだ。
「まあ、カナデさんならきっと大丈夫だよ。それより今は自分達の方を心配しなきゃ…」
「アルトは心配性ね。デスティも言っていたじゃない、今の私達なら大丈夫って」
そんなことを話しているとようやくカナデさんが現れた。
…何故か私達の目の前に。
「やっほー!アルトちゃんもダイアナちゃんも元気そうねー。2人とも、準備はオッケー?」
「か、カナデさん⁉︎ま、まあ準備はできてるけど…」
「そう、それは良かった!ダイアナちゃんは?」
「私もバッチリよ。それよりカナデさん、あそこには立たなくて大丈夫なの…?」
ダイアナは本来カナデさんが立っているはずの台を指差す。
「ああ、だいじょぶだいじょぶ。今日はこの学校の代表、私じゃないから。ほら、出てきたよ」
そう言われて、カナデさんが見ている方に顔を向けると、そこには数秒前まではなかった人影があった。
そして、その人物は疲れ切った様子で話し始めた。
「………どうも、本日のみこの学校の代表を務める、デスティ・ルークシオンです」
「「で、デスティ⁉︎」」
私とダイアナは驚いて声を出してしまった。
続けてデスティが何か話しているようだったが、驚きのあまりよく聞き取れない。
「な、なんで…?」
「それは、あとで本人に聞きなよ。とりあえず今はデスティの言ってくれてること、聞かないと」
カナデさんにそう言われて、私達は注意をデスティの話へと戻す。
「…そして今回の試合の形式ですが、それぞれの学校の代表選手5人による、勝ち抜き戦となりました」
「…細かいルール等の説明は試合会場にて行われます……では、最後に我が校の代表選手の選抜を行います」
デスティそう言った瞬間、今まで少しざわめいていた周囲が一気にシーンと静まり返った。
その直後、私達の周りにいた生徒たちがバタバタと倒れていく。
「なにこれ⁉︎どうなってるの⁉︎」
「みんな意識を失ってる…どうして⁉︎」
私とダイアナが混乱しているとデスティが再び口を開いた。
「…はい、終わったよカナデさん。この5人なら大丈夫」
「オッケー、ありがとデスティ。それじゃ、交代ね」
カナデさんはそう言うとデスティのいる場所へと飛んでいく。
そして地面へ着地すると、カナデさんは話し始めた。
「はーい、おめでとうみんな、あなたたち5人が今日の試合の代表よ!」
周りを見渡すと確かに私達とカナデさん達の他に3人の生徒が立っていた。
しかしどの生徒も未だ状況がわかっていない様子だ。
「カナデさん、デスティ。一体何をしたの?これ…みんな大丈夫なんだよね?」
「…大丈夫。私がちょっと意識を失わせただけだから…」
「意識を失わせたって…何でそんなこと…」
「…言ったでしょ。代表5人の選抜。意識に干渉する能力をどんどん威力を上げながら5人になるまで発動していたの」
「それであなたたちが残ったってわけ。さ、ダイアナちゃん達と、他の子達、私についてきて。会場まで案内するわ」
カナデさんがこちらに手招きしながらそう言うと、これも何かの能力なのだろう、体が自然と動き出しカナデさんの方へと進み始めた。




