究極生命体と練習 1
「おお!できた!できたよデスティ!」
私は床から数センチ離れた自分の足を指差しながら、言った。
「…おめでとう。結構かかったね。」
そう、私達が練習を始めてから実に2時間が経過していた。
「…ダイアナはまだ苦戦してるね。」
「そうだね…さっきからずっとあんなだもんね…」
私とデスティが視線を向ける先には、顔を思い切り強張らせて、何とか能力を発動させようと奮闘するダイアナの姿があった。
「…頑張ってるようで悪いけど、一回休んだ方がいいかも。」
その言葉は届いたようで、ダイアナは力を抜いた。
「そうね…このままやっていてもできる気がしないわ…」
「…もしかしたらダイアナには場所が悪かったかも。」
そう言ってデスティはダイアナに話し始めた。
「…この部屋には石がないから…対象がはっきりイメージできるアルトと違ってイメージがしにくいのかも。」
「じゃあ、訓練場が空くまでは私は休むしかないわね。」
2人はその結論で落ち着いたようだが、私は2人が1つのことを見落としていることに気づいた。
「いや、まず詠唱ありで小石を作って、それを見てイメージすればいいんじゃ…」
それを聞くと2人はハッと気づいたような表情をした。
「…私は…はじめに教えるのが苦手って言ったでしょ…」
「わ、私も…全然気づいてなかったわ…」
2人は少し顔を恥ずかしそうに下に向けながらそう言った。
「じ、じゃあやってみるわね。《小石生成》‼︎」
ダイアナがそう唱えると、彼女の前に小石が1つ、小さな光とともに創り出された。
「よし!それで、これをイメージすればいいのね。」
そう言うとダイアナは、余計なものをイメージしないためだろう、目を閉じて構えた。
すると数秒後、彼女の前に再び同じような小石が創られた。
「や…やっとできたわ…」
これまで2時間進展がなかった分の反動だろう、ダイアナは床に座り込んでしまった。
「…お疲れ様。訓練場が空くまでまだ30分くらいあるけど…」
「す、少し休ませて…」
ダイアナはかなり本気の目でデスティに訴えかけている。
「…わかった。じゃあそれまでお茶でもしようか。」
それを聞いたダイアナは今日一番、安心した顔をした。




