究極生命体、お喋り
教師との顔合わせの後は、軽いスケジュールの説明でその日の日程は終わった。
なんでも明日からは能力についての説明と訓練があるらしい。
今はもう夜、おそらくほとんどの生徒が自分の部屋で明日の準備をしている時間に、私とダイアナは自分のではない部屋に来ていた。
「ねえデスティ、1人部屋で寂しくないの?」
「…別に、もともと1人の方が好きだし。今年は人数が奇数でラッキーだったよ。」
「そ、そうなんだ…」
少し気まずい空気になり、何を話すのか忘れかけていたのだが、
「…あなた達、何しに来たの?」
「え、えと…それは…」
「アルトが、あなたともっと話したいってうるさかったのよ。」
私が濁した言葉ばかり言っていると、ダイアナが不機嫌に口を開いた。
「な、なんかごめんね…でも、ダイアナも付いて来る必要なかったのに…」
「そ、それは……私がアルトと一緒にいたいだけというか…」
「そう?ならいいけど。」
私もダイアナと一緒にいれば楽しいので何も文句はない。
「…いちゃつくんなら自分たちの部屋でやって。」
「ご、ごめん…」
いちゃついてたかどうかは微妙として、少し家主を置いてけぼりにしすぎた。
デスティの顔は少しイラついてるように見える。
「……というか私と話すって…何か聞きたいことでもあるの?」
「というか、お喋りしたかっただけかな。デスティって近くにはいてくれたけど話すときはちょっと距離置いてたから。」
「…よく理解できないけど、あまり長くは話せないから。」
少し無愛想なのは変わらないが、機嫌はいくらかなおったようだ。
「えと、じゃあまずデスティに聞きたいことがあったんだ!」
「…答えられる範囲で答える。」
「デスティって、インスティ先生とどんな関係なの?」
私は先生の名前を聞いてからずっとそれが気になっていた。
先生を見てから明らかにデスティの様子が変わったし、ルークシオンという性も一緒だ。
「……あの人は私の姉。それだけ。」
「お姉さんか…いいなぁ、私一人っ子だからなぁ。」
「というか、あなたインスティ先生の妹ってことはあのルークシオン家の娘なの?」
どうやらダイアナはデスティの家のことを知っていたようだ。
言い方から察するに、かなり有名な家なのだろう。
「あのってことはデスティの家ってすごいところなの?」
「……別に、すごくなんか…」
「ルークシオン家は、代々王国騎士団の騎士団長を任されている家なのよ。お客さんが教えてくれたわ。」
「すごい家じゃん!そんなに恥ずかしがることないのに。」
そういうとデスティは少し暗い表情をして、
「……本当に、すごくなんかないよ。あの人たちは。」
どうやらそれはデスティにとってあまり触れられて気持ちのいいものではなかったらしい。
「ご、ごめんね。なんか悪いこと聞いちゃったかな。」
「…ううん、いいよ。でも今日はこの辺にしておいてくれると助かるかな。」
「わ、わかった。こんな時間にごめんね。」
そう言って、私達はデスティの部屋を後にした。




