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遠山の禁さん!  作者: 活動寫眞
第三章・幕末維新篇
30/37

第三話「風雲児-手負い狼-」

「この話はフィクションでございます。」

【吉原遊郭・遊女・花魁】


18世紀中頃、京と大江戸に遊郭と呼ばれる男性の社交場が存在した。

多くの遊女は年季奉公という形で働き、一定年数を働く、もしくは遊女を買った金額を

返却できれば開放されるシステムであった。


大半の者は年季が明けて出て行くが遊郭で生涯を終える者も存在した。

その中でも年を重ね、遊郭としての仕事が難しい者は

「やり手」「飯炊き」「縫い子」などの雇用がされた。


人気が出ればそれだけ稼ぎが多くなり、年季奉公も短く済む

また誰かに肩代わりして貰い出て行く事もある。それは市民が払える金額ではないので

限られた人間になる。


遊郭で位の高い者を花魁と称する。

かつて京では太夫 (だゆう)と称していたが花魁 (おいらん)という言葉が出てからは

呼称が入れ替わる形となった。


ここ、大江戸吉原にも数年の間に花魁の座に君臨し続ける遊女が存在する。





第三話「風雲児-手負い狼-」 




【-大江戸吉原遊郭-】



遊女

「そこの殿方!遊んで行かないかい?」


源外

「悪いなっ!ゾッコンの遊女がいるもんでなっ、はははっ」


店主

「これは脇賀さま、いつもご贔屓に有難うございます!」


源外

「おいおい!店先で大声で名前を言うなよっ!恥ずかしいだろっ!!」


店主

「これはとんだ粗相を失礼しました!今日も彼女でございますか?」


源外

「ああ、頼む。ほれ」


店主

「まぁ、こんなに多く・・・・・・ゴホンッ!」


老女

「はい、ただいま!」


店主

「それでは脇賀さま、3階の特別室へどうぞぉぉ!」


源外

「恥ずかしいから静かにしろよっ!ガツン!」



花魁

「あら、また来てくださったの?」


源外

「ああ、俺はお前に惚れてるからな!あはははっ」


花魁

「ふふっ、そんなこと言ってわたしが今の1度も手すら握った事ないじゃないですか?」


源外

「高嶺の花ってやつよ」


花魁

「・・・・・・いつも有難うございます。」


源外

「いや、俺にはこれしか出来ないからなぁ」


花魁

「今は亡き父もきっと感謝しています」


源外

「俺に力があればあんたも父上も救えたと思っている」


花魁

「源外さまからは沢山の心遣いを頂きました。

 そのお陰で厳しい世界ではありますが頑張ってこれました。

 わたしはこれ以上の感謝の言葉を持ち合わせいません」


源外

「そう硬くなるなよ、ジジイが勝手に余生を楽しんでるだけだ。

 あの世に金なんぞ持って行ける訳でもない。

 それにあんたと会うだけで俺も救われる気がするんだよ・・・」


花魁

「いつか必ずわたくし、お通が源外さまに恩返し致します」


源外

「何を言っても根が頑固だからなぁ、ここに入るのも止めたって聞きやしねぇ!

 だからその言葉、よーく覚えておくが、生きて出て来いよ!」


花魁

「はい・・・」


店主

「すいません、脇賀さま!お時間が近付いておりますが?」


源外

「ん?いつもに増してはえーな?まっ、用事もあるし今日はこの辺で」


店主

「かしこまりました・・・」


源外

「また来るよっ!」


花魁

「たまには遊んで行ったらどうですか?」


源外

「俺のはとっくに元気なんてねーよ、んなことしたらそれこそ三途の川だ、がはははっ」


花魁

「ふふふふっ」



花魁

「あら?しけた顔してどうしたんだい?」


「そう見えるかぁ?」


花魁

「ちょういと、あんたその傷は!?」


「くくくっ、闇討ちにあっちまってなぁ、情けねぇ・・・」


花魁

「すぐに医者を呼ばないとっ!!」


「呼ぶんじゃねぇ!!!」


花魁

「でも尋常じゃない血が!?そうだまだ源外さまが近くに・・・」


「お、おい!!だ、大丈夫・・・」


花魁

「安心して!その人はわたしの恩人なの」



源外

「どうにか傷は塞いだが出血が酷い!」


「おい、じいさん!!」


源外

「俺は脇賀源外だ。町医者をしている」


「ああ、あの有名な・・・イカレテル発明した?」


源外

「誰がイカれとんじゃぁ!!バチバチバチッ!!」


「ぎゃぁぁぁーーーー!!」


花魁

「ちょっと源外さま!!電気止めて!!血がぶわっって!!!」


店主

「タタタタタタタタタタッバン!!何事ですか!?」


源外

「ん?こういうプレイだめ?」


花魁

「・・・・・・。」


「プシューー・・・」



源外

「クソっ!あの店主め!エレキテル没収とは何だっ!!」


花魁

「お、大事にならずに良かったじゃありませんか・・・」


「い、いちよう・・・助けてくれて感謝する。」


源外

「俺の発明を馬鹿にすると刀傷以上に辛い目に合わすぞ!!ふんっ!」


花魁

「とこでどうしたんですか?」


「実は京都のとある旅館に居る所で襲われて命からがら逃げて来たんだ」


源外

「良く生きてたなぁ!?どんだけ逃げ足速いレベルじゃねーぞ?」


「うむ」


源外

「がぁぁぁぁ!? 一言で済ませやがった・・・」


花魁

「では以前話されていたことは失敗に?」



源外「失敗? そいつはどんな話だ?今更隠すわけないよな?」


「・・・説明しよう!実は幕府転覆を目論む連中が居てなぁ、

 徳川圧制に苦しむ者達が集い、各地で反乱を起す予定だったきに・・・

 そこである2つの組織のトップを引き合わせ連合同盟を結ぶはずだった!」


源外

「きに?」


「互いの組織は大きくて強い、志も同じ!だが仲が少しばかり悪い!

 そこでおれが仲介を引き受けたのまでよかったんじゃがぁ・・・」


花魁

「襲われたわけですか?」


「内密に事を進めるつもりだったんじゃがぁ、

 予約した店が店先に『坂本龍馬ご一行様』と書いたもんで居場所がばれた!」


源外

「偽名で予約しろっ!」


「!?」


源外

「なにはじめて気付いた顔してんだオメー!!

 よくそんな仕事受けたな、依頼した方もどうかしてるがな・・・」


店主

「お客様!困ります!!ここは男性のみで女性は!!!」




ドドドドドドドドドドド・・・バンッ!!キャァァァーーー



源外

「外が騒がしい・・・」


「まさか追ってか!?」


花魁

「わたくしが見て参ります」


店主

「皆様、ご迷惑をおかけしています。

 ご心配ご無用でございます!すいません!!!」


花魁

「どうしました?」


店主

「おお、それが気の狂った女が突然、殴り込んできてねぇ、

 誰かを探してるみたいなんだ!どーせ旦那でも探してるんだろうけど、

 ちょうど用心棒の奴が休憩していないんだよ。全く・・・おい、若いの集めて来い!!」


花魁

「たまにあるんだけど浮気旦那を捕まえに妻が殴り込みにさぁ」


源外

「それはたまんねぇなっ!そんな女だから浮気するんじゃないのかねぇ・・・」


「!?」


源外

「どうした?顔面蒼白じゃねーか?!」


花魁

「やはり怪我の所為では!?」


「あいつだ!?」


源外

「あいつ? ん? 向こうからこっちに来るなぁ・・・女が」


花魁

「まさかあなたの奥さんとか?」


「あいつだよ」


源外

「だから誰だよ!」


「俺を襲った奴だよ!」


花魁

「あの女!? 刺客か何なの!?」


源外

「京から爆走して追っかけてきたのか!?」


「みつけたぞぉぉぉぉぉ!!」


「ギャああああああぁぁぁぁぁぁ!!」


「金払えぇぇぇぇぇぇええええええ!!」


一同

「えええええええええええええ!!??」



「まいどあり、面倒かけるんじゃないよぉ!!」


源外

「お前、襲われたんだよな?」


「うーん、旅館の2階で飲んでる時に襲われたんだよなぁ、

 斬られてながらも必死に屋根伝いに逃げたんだよ。

 そういえば後ろの方で襲ってきた連中が悲鳴あげていた気もするなぁ・・・

 あっ、そうか!?きっとあの女将に襲われたんだなぁ、あいつら!!」


花魁

「闇討ちされたってのは?」


「ああ、ここまでに来る途中に何度か殺気を感じてなぁ、

 今思えばそれが女将だったんだのか・・・・・・うんうん!」


源外

「お前は明日の夜明けすら来ないわ!!」




-次話へ-

遠山禁四郎

「話にも出てこなくなったか・・・」

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