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遠山の禁さん!  作者: 活動寫眞
第二章・必殺幕末篇
27/37

最終話 「和衷共済 (わちゅうきょうさい)-後編-」

「この物語は、登場人物や団体・歴史などはフィクションでござる!」


からくり佐七「ボク、チャーリー・・・」

【遠山の禁さん-必殺幕末編-】




「最終話

 和衷共済 (わちゅうきょうさい)-(後編)-」




【-大江戸城下町-】



義母

「ぎぇ~っ!!」


恐妻

「お母様!大丈夫ですか!?」


門戸

「荷物は良いですから早く避難して下さい!!」


義母

「そいう訳には参りませんっ!・・・代々仲村家の家宝を持って行かねば!」


恐妻

「私が持ちますから早く出ましょう!」


義母

「何をやってるの!大黒柱の婿殿が守らないでどうするの!?」


門戸

「・・・。」


義母

「ほら、荷物を持って・・・」


恐妻

「アナタも手伝って!」


門戸

「いい加減にしなさいっ!!」


義母

「ひぃ!?」


恐妻

「アナタ!?」


門戸

「・・・こんな非常時ですから一刻も早くお逃げ下さい!

 家宝も財産も大事なモノです。ですがモノにしか過ぎんのですよ!

 命より尊いものはありません!私の家宝は家族です!さぁ、早く!!」


義母

「でも、婿殿・・・」


恐妻

「行きましょう!お母様!!」


門戸

「義母さまのことは頼んだよ!」


恐妻

「アナタはどうするの?」


門戸

「おれはこれからやる事がある。

 それが大国柱としての務めを放棄してでもやらねばならぬこと!

 武士として誇りを持って行って参る!!」


恐妻

「・・・そうですか、どうかご無事で!」


門戸

「ああ・・・」



【-事件発生から1日と数時間-】



一様、身なりは侍であろう男達が

部屋中に酒の臭いを漂わせ、楽しげに宴を開いていた。



男A「観て見ろ?」


男B「おお~ほっほっほっ!!」


男C「これは綺麗な赤い花だっ!」


男D「違うだろ?ありゃ“金の華”だよ」


男C「確かに!」


男B「おっと、少し飲みすぎた。ちょっくら厠へ行ってくるよ」


男D「途中で女と遊ばずに帰って来いよ~?がはははっ!!」



男Bは、部屋の襖を開けっぱなしに、小走りに廊下を突き進む。

馬鹿正直に勧められるだけ呑んだ酒の所為で今にも粗相しそうな勢い。

それでも腐っても武士、男である限り、厠が見えたからと安心して

板の間を濡らすわけには行かぬ!耐えて見せます着くまでは!

どうにかこうにか、面目は保った男B!



男B

「ふぅ~、危ない危ない。間に合わないかと思ったぜ・・・」


阿歩郎

「あら?意外と小さいわね♪」


男B

「うわ~!?く、曲者!!!」


阿歩郎

「くさいのあんたでしょ?」


男B

「ど、どこから入ってきた!?」


阿歩郎

「そんなの玄関からに決まってるわよ?」


男B

「ば、幕府の所有地だぞ!!簡単に入れるものか!!警護がいたはずだ!!」


阿歩郎

「さぁ?そんな心配するより自分のこと気にかけた方がいいわよ?」


男B

「えっ?」



相変わらず仕事が粗い阿歩郎。

男Bの叫び声は、見事に先程の男達にまで届くのであった。

「ぎゃぁぁぁぁぁ----」

なにをやればそこまでふんどしを無理やり引き裂いたような声が出るのか

それは描写的にご勘弁!



男D「ん?なにか叫んでるぞ?」


男A「どうせ女中に手を出して蹴られでもしたのだろう?」


男C「有り得るなっ!ははははっ」



そんな仲間であろう男のネタを肴に飲み進めると、

何処からか部屋に一陣の風が吹き寄せた。



ヒュー・・・



男A「なっ!蝋燭の火が消えたぞ!すぐに着ける様に言え!」


女中

「申し訳ありません、すぐにお付けします・・・ですがこの方が

“外の大火”が良く御見えになられるのではないでしょうか?」


男C「言われてみれば・・・」


男D「確かにこの方が酒のつまみにいいぞ!!」


男A「ふん、洒落たことを言うではないか。これは褒美だ、とっておけ!」


女中「ありがとうございます・・・」


男D「ああ、うまい酒だっ!!ってクラクラしてきたぞ・・・うっ」


男C「飲み過ぎなんだよ!あれ?酒持ってこい!!おーい!ったく、

   今さっきまで居たのにどこ行ったんだよ!」


男A「酒でも注文して来い!ついでに厠行った奴も見つけてな。

   俺らにはまだ仕事が残ってるだからよ!」


男C「あいよ!お頭!行ってきますよ!」



男Cが部屋を出ると、先程までの建物と思えない程の静寂、

そして目が慣れていない所為で、暗くなった廊下は

微かに月明かりに照らされて見えるのみ・・・



男C「・・・なんだ?部屋の外も真っ暗かよ・・・おーい!誰かいないのか?

   ・・・痛っ!?なんだ?何か生温かいかいなぁ・・・重いし

   ・・・ぶーらーぶーらって!?人が吊るされてる!?

   だ、誰か近くにいるのか!?で、出て来い!!」


女中「・・・お呼びですか?」


男C「うわっ!?いきなり出てくるな!!!あっ、ちょうど良かった行灯貸せ!!

   ・・・おまえ、Bじゃねーか!?何があった!!!・・・死んでる!?

   やばい!女!早くお頭・・・仲間・・・に・・・」


女中「生憎、女中ではなく“男なんだよ、僕は”」



男A「あいつら誰も帰ってきやしねぇー!

   おい、おい、起きろ!コラァ!!」


男D「うー・・・酒はもう良いですよぉ、お頭?」


男A「寝ぼけてる場合か!屋敷内の様子がおかしい・・・

   ほれ、刀だ。用心して他の連中を探して来い!いいな!!」


男D「分かりましたってぎゃああぁぁぁぁぁぁ!!!」


男A「なにぃぃぃ!?」


女中「あっ、お酒にお酌と頼まれていたのつい・・・」


男A「ついで酒樽を投げる奴がいるか!!ってテメー・・・誰だ!?」


女中「僕はしがない浮世絵師さぁ・・・そしてあんたの後ろが本物の殺し屋!」


男A「!?」



振り向く暇も与えずにスパッ!

阿歩郎とは全くの仕事の出来高ぶり!



女中

「しがない浮世絵師さん、言ったら避けられただろ!!」


女中

「元、お庭番の実力を見たくてさ!」


活動丸

「こんな時にしなくても良いだろう?」


北祭

「こんな時だからこそ遊び心を忘れたらダメなんだよ!」


活動丸

「いつもはそんなことしない真面目で通してるくせに!」


北祭

「たまには余裕な場面も欲しいかなと」


活動丸

「確かにいつも負けてるからねぇ・・・かっこいい所があっても!って居ねぇ!!」


北祭

「逃げられた!」



男A「な、なんなんだ・・・幕府の私有地だぞ?

   がっ!?表の連中がみんな倒れている・・・やばいぞ!これは!?」


同心「どうかしましたか?」


男A「おぉ!これこそ渡りに船だっ!助かった・・・」


同心「大丈夫ですか?」


男A「私は幕府から直属の命で働いている者なんだが・・・

   不審者に狙われていて、安全な場所まで送ってもらえないか?」


同心「良いですよ、どこでも良いですか?」


男A「ああ、頼む・・・っ!!」



同心は刀の柄に手をかけ抜刀すれば、最短距離で振りかぶり男Aを叩き斬る。

振り下ろした刀を再び鞘へと納める一連の動作は雷のような閃きであった。



同心「渡りに船かぁ・・・確かにおれに頼んだのは正解だ!

   タダで三途の川を渡らせてやるよ!」


男A「がぁ・・・は・・・っ」


同心「渡っちまえばもう安全だ。

   地獄の苦しみを味わうことになるがな!」




【-大江戸城・城内-】



細川

「よくここまで来れたねぇ?」


遠山

「誰が敵味方か分からなかったんで、

 とりあえず手当たり次第ぶちのめして来てしまいましたよ!」


細川

「そうか・・・で、今回のことを何処まで知っているのかな?」


遠山

「全ての計画は失脚した鳥井が作った。

 それを利用して利権を自分のものにしようとしている者。

 その所為で多くの町の連中や幕府関係者が犠牲になったこと!!」


細川

「まー、大まかな事は知っているわけか・・・

 斬られる前に少しお話をさせて頂こうかな?

 私はこれでも老中の中でもまともな人間だと思っている。

 水野や鳥井のやって来たことは全てが正しいとは思わない。


 ただ私が人の上に立って国を動かすことなど有り得ないと。

 でも違ったんだよ。私が徳川に代わってこの世を治めなければ。

 今、動かなければ大変なことになるのだよ!!!


 そのためには所構わず利用できる物はすべて利用し、

 私が利権を握りより良い国家と言うものを作るべきなのだっ!!」



遠山

「そのためには犠牲は厭わないと?」


細川

「考えても見たまえ、徳川が覇権を握って300年が経とうとしている。

 その間は平和だったのか?圧制に苦しむ民はいなかったのか?

 むしろ戦国時代の時の方が苦しくても理想を掲げたものが、各地を治め、

 次から次へと優秀な人材が生まれた・・・

 ・・・だが今は権力に魅入られたクズ集団しか居らん!」


遠山

「その権力に固執したアンタもクズじゃないのか?」


細川

「かも知れないな。だが理想を持たないクズとは違う!

 五年・・・いや、数年で成果を出して見せる!

 そしてその後の子々孫々へと語り継がれる国家と存在となって見せよう!!」


遠山

「・・・あんたは自分の正義を他人に押し付けてるに過ぎない」


細川

「なにぃぃ?」


遠山

「あんたの正義が万人に受け入れられると思うなよ!!

 あんたの理想論は結構だぁ!だが過去も未来もねぇ!!

 今の人たちを幸せに出来ない人間が国家なんて玩具で遊ばれては困るんだよっ!」


細川

「法の番人の君が国家に立て付くのか?」


遠山

「ふん、おれは法の番人の前に血の通った大江戸っ子だぁ!!」


細川

「ならば武士としてその魂を刀に宿し!

 どちらが正しいのか天に裁きを乞おうではないかっ!!」


遠山

「今宵のおれの刀は一味違うぞっ!!」


細川

「ふぅーーー!」


遠山

「おりゃーー!」



互いの魂の篭った刀と刀が交差する・・・

その瞬間、悲劇が起きた。


遠くから空気を引き裂き、悲鳴を上げながら

不気味な黒い影が大江戸城へと飛来する



『ヒュ----ゥゥウ・・・』



幕府の事件を握った老中首座・細川の手に落ちるのか?

大事な所では勝った試しの無い北町奉行・遠山禁四郎が防ぐのか?

大江戸城内で互いの正義をぶつけ合う二人の戦いの行方は如何に!?



『ドッゴゴゴゴゴーン!!』



そんな緊迫するであろう場所に、展開に全くの空気が読めない男が帰ってきた。

アメリクァ合衆国から指名を帯びて、阿歩郎に惚れ込み、入り浸り外国人

仏蘭西大使館で行方知れずも再び国際事件を巻き起こすのであった・・・。



ペロリィ提督

「あっ、大江戸城に砲撃してもうたっ!?」



大江戸城の火薬庫に見事的中!爆発・大炎上なり申す!

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