表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者の条件  作者: KEI
第11話 拠点は落ちる、勇者はいない

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
44/107

(一)切れた線の後始末

◆ 切れた線の後始末


魔王城、戦略会議室。


長卓の上には、転移ゲートの復旧表が広げられていた。


東部中継門。


西部中継門。


北方補給門。


中央中継門。


沿岸監視門。


旧街道監視門。


国境補助門。


前話で同時に切られた、人間側大陸の線である。


魔王大陸の本土門は残っている。


魔王城も、深森も、火山も、南方軍港も、門そのものは生きている。


だが、人間側大陸に張り出していた前線の線は傷ついた。


その遅れは、すでに数字になっていた。


転移門管理官が、青ざめた顔で報告する。


「中央中継門、仮復旧まで三日。東部中継門、仮復旧まで五日。北方補給門、復旧見込み七日。西部中継門は、座標石交換が必要です。旧街道監視門は、接続不安定。国境補助門は座標調整待ちです」


死霊宰相が地図上の光を確認した。


「連絡経路は代替できます。ただし、通常時の三倍から五倍の遅れが出ます」


竜将が舌打ちする。


「その遅れで拠点が落ちる」


転移門管理官が肩を震わせた。


「全力で復旧に当たっています」


「全力で間に合わねば意味がない」


竜将の声に、室内の魔族たちが身を固くした。


現魔王は手を上げた。


「竜将」


竜将が黙る。


「急がせろ。だが、急げば直るものではない」


「しかし」


「分かっている」


現魔王は、地図を見る。


東の封鎖。


西の遅れ。


北の補給。


中央の中継。


南の魔王大陸。


深海。


深森。


火山。


天空。


それぞれの線が、まだ完全には戻っていない。


「復旧班を増やせ。だが、東の封鎖から強戦力を抜くな。中央中継の仮復旧を最優先。東部中継を次に戻せ」


死霊宰相が記録する。


転移ゲート復旧、継続。


連絡遅延、通常時の三倍から五倍。


中央中継、最優先。


東部中継、第二優先。


西部中継、後回し。


その時だった。


会議室の外が騒がしくなる。


扉が開き、海魔将の副官が入ってきた。


鎧は裂け、肩には黒い海藻のようなものが絡みついている。


彼は膝をついた。


「深海拠点より、緊急報告」


会議室の視線が集まる。


副官は、声を絞り出した。


「深海拠点、陥落」


誰も、すぐには言葉を発しなかった。



※第11話「拠点は落ちる、勇者はいない」は全五回です。

続きます。

作者個人サイトでは、人物相関図・各話アイキャッチ・用語メモなどの補足資料を公開しています。

※ネタバレ範囲にご注意ください。


https://www.simulationroom999.com/blog/yuusha-no-jouken-top/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ