(三)角笛三回
◆ 名のない連絡役
魔王城。
西の国境洞窟突破について、分類が行われる。
死霊宰相が記録する。
西国境洞窟、封鎖一時突破。
原因、両側村落の挟撃。
主戦力、村落自警団。
不明要素、連絡手段。
推定、若年連絡役または猟師道の利用。
合図音の証言あり。
角笛三回との報告。ただし証言不一致。
封鎖再構築。
強戦力の東方配置は維持。
竜将が言う。
「勇者とは関係ありませんな」
死霊宰相が答える。
「現時点では、勇者の条件には該当しません。東の血筋ではなく、神託も聖剣も聖痕も確認されていない。仲間の構成も不明です」
吸血侯が言う。
「ただし、連絡手段は気になります」
現魔王はうなずく。
「記録に残せ。西の村々が連携し始めているなら、国境分断の効果は落ちる」
竜将が問う。
「強戦力を戻しますか」
「戻さない。東の封鎖を維持する」
「西を放置するのですか」
「放置ではない。低優先度で監視する」
現魔王は、西の地図を見る。
「村落自衛、若年連絡役、角笛による合図。いずれも記録に残せ。ただし、勇者候補としては扱わない」
記録官が書く。
西方村落自衛。
連絡役不明。
勇者候補、非該当。
監視継続。
※第9話「灰色の報告」は全五回です。
続きます。
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