表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者の条件  作者: KEI
第28話 次の土地へ行け

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
152/224

(八)壊れた道

◆ 壊れた道


数日後。


街道の宿場に、早馬が来た。


最初の知らせは北方小国からだった。


「北の旧砦下、転移ゲート破壊。安定石破砕。保守記録焼却済み」


続いて、山岳都市。


「廃砦裏のゲート沈黙。副石処理完了。逃げ道一部崩落、負傷者あり。全員搬出済み」


神殿都市。


「地下水路近くのゲート停止。逆流小。神官防護班が対応」


東方商業国。


「旧街道ゲート焼却完了。符号石を回収。商人ギルドが通行止め解除を準備中」


そして、アークガルム王国。


「国内確認済みゲート、同時刻に破壊。二箇所成功。一箇所は推定外れ。小型ゲート一つは保守部隊逃走」


すべてではなかった。


推定地点の中には外れもあった。


壊し損ねた小型ゲートも一つある。


負傷者も出た。


失敗もあった。


けれど、主要な転移ゲート網は断たれた。


魔王軍の広域移動能力は、大きく削がれた。


宿場の人々は、その意味を完全には理解していなかった。


けれど、早馬が次々に来る異様さだけは分かった。


ロアンたちは、宿の片隅でその知らせを聞いていた。


ロアンは小さく息を吐く。


「成功したんだ」


ミルカが言う。


「私たちは壊してないけどね」


ガルドが答える。


「でも、届けた」


エナも頷く。


「届けなければ、壊せませんでした」


ロアンは静かに言った。


「なら、それでいい」


少しだけ、部屋の空気が軽くなった。


派手な勝利ではない。


自分たちが剣を振るったわけでもない。


ミルカが魔法で焼いたわけでもない。


エナが誰かを癒やして勝たせたわけでもない。


ガルドが敵将を斬ったわけでもない。


けれど、届いた。


動いた。


壊れた。


それは、確かな結果だった。


魔王軍から見れば、奇妙な出来事だっただろう。


各地のゲートが、同じ時刻に狙い撃ちされた。


誰かが裏で各国を結んだ。


だが、その誰かが誰なのかは見えない。


王なのか。


将軍なのか。


諜報組織なのか。


勇者なのか。


魔王軍には、まだ分からない。


ロアンたち自身も、自分たちがどう見られているのかを知らない。


彼らはただ、宿場で豆の煮込みを食べながら、早馬の知らせを聞いていた。



※第28話「次の土地へ行け」は全十回です。

続きます。



作者個人サイトでは、人物相関図・各話アイキャッチ・用語メモなどの補足資料を公開しています。

※ネタバレ範囲にご注意ください。


https://www.simulationroom999.com/blog/yuusha-no-jouken-top/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ