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杉田神ノ助
次に目を覚ましたとき、クラークは泣いていた。
いや、正確には泣かされていた。
自分の意思とは関係なく、声が出る。
手足は思うように動かず、視界もぼやけている。
「……何だ、これは」
言葉にしようとしても、出てくるのは赤ん坊の泣き声だけだった。
神として数え切れない年月を生きてきた自分が、今は自分の体すら自由に動かせない。
屈辱だった。
彼は杉田家の長男として、正式に名前を与えられた。
杉田神ノ助。
両親は優しかった。
何をするにも気にかけ、笑いかけ、抱きしめてくる。
クラークには、その行動の意味が理解できなかった。
神々の世界に、無条件で誰かを大切にするという考え方はなかったからだ。
だが、彼はそれを口にしなかった。
いや、出来なかった
今の自分にできることは、何もない。
だから、ただ人間として生きることにした。
いつか戻り、ゼウスの首を断つ日まで。




