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やっとアンバールートの全ステージをクリアしました!
いつものようにゲームをする日々、しかしそこには友人の聖麗がいる。
今日も彼女は定位置に座って一緒にゲームをプレイする。
「昨日最後までできなかったからね。今日こそ、アンバールートを全て攻略しよう!」
「そうだね、えっと昨日はハッピーエンド2まで攻略したから次は3かな。」
と言ってゲームを開始する。
ー数十分後
ー好感度90
アンバー「ルナ、愛してるよ。結婚したら35歳までは領地経営してそれからの余生はのどかなところに屋敷でも建ててそこで二人で過ごそうか。」
アンバーが主人公の手を握りしめてこれから先の未来を二人で話すスチルがでる。
アンバーの声でナレーションが入る。
ー二人はその後結婚して子供を授かり、余生はのどかな場所で幸せに暮らしましたー
ーHappy End③
▽『ゲームをやり直しますか?』
「意外と早く終わったね。結構前回かかってたから大体の好感度の上げ下げが分かってきたよね。」
「そうだね、幸せに暮らせたようで何よりだよ。さあ、最後のハッピーエンドをやろうか。」
ちょうど聖麗がそう言い終わる時にバンッと急に私の部屋のドアが開いた。
そしてそこに立っていたのは息切れしているのか肩で息をしているようちゃんだった。
「ようちゃん?どうしたの?そんなに急いで。」
「はぁ、はぁ...インドアにはやっぱり走るの、キツい....聖麗が来てるって美智子さんに聞いたから...はぁ、急いで来た。」
美智子さんというのは私のお母さんの名前で、ようちゃんは普段は私のお母さんのことを「美智子さん」と呼んでいるのだ。
「私がどうかしたのかい?自分の感覚では何も変化はないのだが...。」
「君は不穏分子だからね。目を離すと酷い事態になっていたりするから見張ってないと、咲が危ないでしょ。」
「え?私?聖麗は私に危害は加えないよ?」
「私は咲に危害を加えようとは思わないのだが、そうだな。見張りがいるに越したことは無いか...。」
聖麗が意味不明なことを言い出したので私はストップをかける。
「ちょっと待った、とりあえず今危険なことは起きてないからいいんじゃないかな?」
ようちゃんは考える素振りを見せた後に言う。
「まあ、今のところは大丈夫そうだからとりあえずはいい、かな?」
聖麗はその言葉に頷く。
「ああ、今のところは大丈夫そうだね。」
とりあえずは大丈夫みたいだ。
「じゃあ、再開しよっか。好感度100に頑張ってしよう。」
ー1時間経過
ー好感度15
アンバー「今日は卒業だね。今までありがとう、じゃあね。」
手を振って別れるスチルが現れた。
アンバーの声でナレーションが入る。
ーその後、主人公は誰と結ばれるということは平穏な日々を過ごしたのでしたー
ー友情エンド
▽『ゲームをやり直しますか?』
「意外と100にするのって難しいね。このエンド何回目だっけ?」
「僕が知ってる中では13回目だね。これ本当に好感度100なんて存在するの?」
「好感度100の難易度だけすさまじく低いみたいだね。ほら、これを見てごらん。」
と言って聖麗はRergleの画面を見せた。
RergleというのはSNSのアプリで、いろんな人がつぶやきを投稿するアプリだ。
そこには「ツキオトの好感度100に全然ならない~(泣)」や、「好感度100とは...?(´;ω;`)」などの好感度100をなかなかクリアできないことを嘆いたリア―トがされていた。
「...やっぱり難しいみたいだね。今日中にクリアできるかなぁ...。」
「できるさ、なぜなら私の勘が次はできると言っているからね。」
「聖麗イオンの野生の勘がそう言っているならいけるんじゃない?」
「ようちゃん、聖麗イオンって聖麗はライオンじゃないよ?」
「ライオンみたいなものでしょ。本人はまったく気にしてないから大丈夫だよ。」
「聖麗イオンか、強そうだね。さて、始めようか。」
と言ってまたゲームを再開する。
ー10分後
ー好感度100
アンバー「私は貴方に出会えて本当に良かったよ。君の人生に私が加わることを許してくれる?」
少し照れたように笑う彼が画面いっぱいに花フィルターが付いたスチルがでる。
アンバーの声でナレーションが入る。
ーその後二人は生涯幸せに暮らしましたー
ーHappy End④
ーThank you for playing! 『アンバールートを全てクリアしました。』
▽『ゲームをやり直しますか?』
「凄い、聖麗の勘...本当に当たった...。」
「さすが野生の勘は当たるね~、やっとアンバールート全クリだね。」
「私の勘は鈍ったことがないからね。どのエンドもよかったね。...いや一部を除いてかな?」
「そうだね、どのエンドもしっかりとしてるからファンディスクが出るのが楽しみになったよね。」
「ファンディスクか、確か今年の8月中旬に発売されるんだっけ?」
「そうそう、ようちゃんよく知ってたね。てっきりこういうジャンルのゲームはしないのかと思ってた。」
「ああ、僕はそんなにしないよ。編集の浅尾さんが乙女ゲーム好きだから、今日、咲達がやってる乙女ゲームの話したら彼がファンディスクの話してたから。」
「ようちゃんの編集さんが好きなのか~どんな人なの?」
「...まあ、変わった人...かな、うん。」
「変わった人か~、今度会ってみたいな~。」
「え、やめたほうが...」
ようちゃんの言葉を遮って聖麗が言う。
「確か浅尾 東谷って人だったよね。この前会った、確か一つ年上の。」
「聖麗、知り合いなの?」
「ああ、この前のパー...むぐっ...」
なぜか聖麗の口元を手で覆ったようちゃんは笑って言う。
「わかった。咲が合いたいって言うなら今度連れてくるよ。たぶん来週あたりに来ると思うから。」
「あ、う、うん。わかった...?」
私は今の状況に返答の仕方が分からなくて首を傾げながら言う。
その時に時計がちょうど見えたので「昼ご飯、食べない?」と提案した。
「うん、いいね。お昼にしようか。ね、聖麗もいいでしょ?」
とびきり笑顔のようちゃんは聖麗から手を離して彼女に聞く。
「ぷはぁ...まったくひどいじゃないか。人の口を塞ぐなんて...まぁいいか。そうだね、昼ご飯を食べようか。」
聖麗は一番にドアから出ていった。
「まったく...あいつを放っておくと大変なことになるな...。」
ようちゃんは私に聞こえない声で何かをつぶやいていたが彼も聖麗に続いて部屋から出ていった。
状況がよくつかめない私は何秒かその場に立ち尽くしてからはっと現実に戻って「お昼たべなきゃ...。」といって階段を下りた。
次回の投稿は来月の3月15日の20時です。しばらく休載しようと思います。
※『Restart sideストーリー』の投稿は一週間に一回、日曜日に投稿するのは変わりません。




