エリカの決意
案内兼護衛としてパメラと共にビリーの家に向かいます。
先ずはパメラにノックしてもらい、続けて紹介してもらいます。
「初めまして、私はビリーさんとお付き合いさせて頂いているエリカと申します。
よろしくお願いします」
「なんと・・・ビリーに君のような可愛い恋人がいるとは」
「本当にあの子も隅に置けないわね。
彼女が出来たなら手紙で知らせてくれたらいいのに。
立ち話もなんだからお上がんなさいな」
ビリーのご両親・・・いえ、結婚するのですからお父様とお母様でいいですわね。
お二人に居間へと案内されます。
そこにはビリーの祖父母が寛いでいらっしゃいました。
「お父さん、お母さん聞いてちょうだいよ。
ビリーってばこんな可愛い子とお付き合いしてるそうなのよ」
お母様が語りかけます。
「なんと・・・あやつも成長したもんよ。
昔はこんなに小さくて泣きべそかいていたというのにのう」
「まぁまぁ、お爺さん。
彼女さんの前でそんな話するものじゃありませんよ」
「あら、私はビリーさんの幼い頃の話に興味がありますわ。
パメラも良ければ聞かせてちょうだい」
「うん、姫様任せて」
パメラの言葉に部屋の全員がギョッとします。
「ひめ・・・さま?」
「そう、姫さま。
姫さまみたいに上品で可愛いから姫さま」
一瞬、部屋に緊張が走ったがパメラの更なる言葉で空気が一気に弛緩しました。
「ははは、確かにパメラの言う通りだ。
エリカさんは姫さまみたいだな」
「言われてみれば本当に・・・私たちは本物のお姫様なんで見た事ないけど、きっとエリカさんのような方なんでしょうね」
ふ〜何とか大事にならずに済んで一安心です。
(あまり余計なこと言うとお土産に買ってきたケーキ、パメラの分を没収しますわよ)
(それは困る。
真面目にやる)
「そうだ!私としたことない忘れるところでした。
これはお土産にと用意したケーキと紅茶なんです。
良ければ是非!」
「まぁ〜本当に気の利く娘さんだこと。
それじゃ皆でお茶にしましょうか」
「あ、それなら私がお茶を入れますよ。
ビリーさんのご家族に是非私の入れたお茶を飲んで欲しいのです」
「それならお願いしようかしら。
これって見るからに高級品ですもんね。
私達では無駄にしちゃうわ。
それじゃ、こっちが台所だから来てちょうだい」
私はお母様に連れられて台所に行き、紅茶の準備をします。
「エリカさんはご両親は健在なのかしら?」
「はい!父はいつも元気に仕事をしていますし、母は途中までは病弱で寝たきりだったのですが!今は回復して元気にしています」
私の答えにお母様はニッコリと微笑んでくれました。
「あら、それはいい事ね。
家族が健康に過ごせていることはとても素晴らしいことだわ。
エリカさんも私たちの家族になるのですから辛いことがあれば何でも言ってちょうだいね」
「はい、ありがとうございます!
あ、あの・・・お母様とお呼びしてもいいでしょうか?」
私がそう言うとお母様は満面の笑みで私を抱きしめました。
「もちろんよ!
本当に貴方のような子が娘になってくれるなんて嬉しいわ。
ちょっと、お父さん。
こっちに来てちょうだい!」
「うん、どうしたんだ?」
「ほら、エリカちゃん。
この人の事もそう呼んでいいからね」
「は、はい!これからよろしくお願いします・・・お父様!」
私がそう呼ぶとお父様も満面の笑顔になりました。
「こちらこそよろしく頼むよ。
ビリーはヤンチャな所があるから君のような娘さんが一緒になってくれるなら本当に安心だ。
私達の事は本当の両親のように思ってくれていいからね」
ビリーは本当に素晴らしいご両親に恵まれたのですね。
私もクロード家ではなく只のエリカとしてこの方達の本当の家族として見てもらえるように頑張らなくては!
その決意と共に紅茶を入れてみんなでケーキと紅茶を頂きました。
皆さんからこんなに美味しい紅茶は初めてだと褒められたのは私の人生でベスト10に入るくらい嬉しいことかもしれません。
そうして居間でお祖父様とお祖母様、パメラを交えて4人で談笑していた時にビリーが勢いよく駆け込んできて膝から崩れ落ちたのでした。




