黒幕はエリカ様(カチュア視点)
あたしはお屋敷にいるマークを探した。
しかし、何処にも見つからずにお屋敷で働く使用人に尋ねるとこちらにと案内された。
学生時代に偶に遊びに来ることはあったが、あたしは他の幼馴染と違ってこのお屋敷勤めではない。
だから、お屋敷の庭に案内され目の前に現れた建物に驚いた。
「ここにこんな場所があったんですね」
「ええ、普段は全く使われていないんですけど・・・ああ、そういえば!」
と案内してくれたメイドさんが話す。
「え、どうしたんですか?」
「マークさんとお話しするなら少し身嗜みを整えた方がいいかもしれませんね。
私がお手伝いしますのでこちらへどうぞ」
言われてみれば急いで駆けつけてから身嗜みを一切整えてない。
好きな人と大事な話をするのにそれはどうなのだろうか?
今までその辺りのことを全く気にかけなかったので今後は気にかけた方がいいのかもしれない。
「ええっと、それじゃお願いできますか?」
「はい、あちらには何人か常駐しているので手伝いをお願いしましょう」
そう言ってメイドさんが案内してくれたのは建物の正面入り口ではなく、横にある裏口というべき場所だった。
そちらに入ると本当に何人ものメイドがおり、煌びやかな衣装やアクセサリーまで完備された豪華な衣装部屋という印象を受けた。
「さ、こちらに座ってください。
後は私達に任せて楽にしてくれていいですからね」
ふふふと楽しそうに笑う女性たちの何と華やかなことだろうか。
あたしはその雰囲気に流されて深く考えずに着せ替え人形のようになされるがままになっていた。
何故使われていない建物にこれだけのメイドが常駐していたかという疑問を感じることもないまま。
「・・・あれ、少し寝ちゃってたのかな?」
ここまで疲れたでしょうとマッサージまでしてくれたり、大事な話を落ち着いて出来るようにと心を落ち着かせる作用のあるお茶を出してくれてそのまま受けたのが悪かったのか。
ここまで強行軍だった疲れも相まって寝てしまったようだ。
「あら、起きられましたか?
こちらの準備は整っていますよ」
とメイドさんが手を差し伸べてくれたので、その手を取って立ち上がる。
メイドさんはそのまま鏡の前まであたしを案内してくれたのだけど、その鏡に写る自分の姿を見て愕然としてしまった。
純白のドレスに煌びやかなアクセサリー。
そう・・・花嫁姿の自分がそこに写っていたのだ。
「え?これって・・・?」
「さぁさぁ、新郎やお客様がお待ちですので早速会場に向かいましょう!」
頭が混乱しているメイドさんたちがあたしを入ってきた扉と別の扉へと押し出す。
その先は教会になっており、いつの間に集まったのか多数の人たちがベンチに座っていた。
彼らは私が登場したのに合わせて一斉に拍手をした。
その中にはエリカ様やビリーにパメラだけでなく、シグルド様、メリル様、エミリオ様にシャルロット様・・・そしてマークやあたしの両親までその場にいた。
彼らは拍手しながら口々「おめでとう!」と言葉にする。
呆然としながらも視線を前に移すとそこにはタキシードを着たマークが手を差し伸べていた。




