カチュアの考え
あたしの名前はカチュア・フレイル。
あたしは物心ついた時からこの自分のいる以外の場所を見たいと夢見ていた。
だけど平民である自分が自由にあちこち回れるはずはない。
何かないかと方法を色々と調べた結果、貴族学校に特待生で入り外交官になるのが一番色んなところを回れるという事を知った。
そのタイミングで運良く子供達に勉強を教えている修道院が、クロード家の援助を受けて子供達を請け負う範囲を広げた事を知った。
これはあたしに対して波が来ているに違いない!
あたしは早速幼馴染のマークを連れて孤児院にやってきた。
マークは物心ついた時からいつも一緒にいた。
あたしの夢を馬鹿にせずに真面目に聞いてくれて、調べるときも一緒に協力してくれた。
だから修道院に学びに行くときも一緒だったし、特待生として貴族学校に入学したのも当たり前だった。
この時からあたしはマークとずっと一緒にいるものだと思っていた。
マークから伝わる雰囲気も一緒にいるという思いを感じていた。
だから、あたしは外交官として帝国に行くことになった時に帰ってきたら結婚式挙げようと言った。
それはあたしの中では当たり前のことで確定していた未来だったから。
帝国に着いたあたしは愕然とした。
大きな国力を持ちエリディス王国を圧倒する国。
そう聞いていたのに民は飢え、国全体が暗い雰囲気なのに一部の貴族を除いてその現場を認識せずに毎日贅沢三昧。
貴族の現状は帝国側がどうにかする問題なのだが、民たちの飢えは別だ。
あたしは直接神様から聞いた不作の原因を取り除くために神殿や修道院を作り、布教活動に勤しんだ。
その活動記録を報告書に認め、クロード家に送る。
ついでにこちらでの顔つなぎに持ってきていた本も追加を頼む。
この時、あたしの頭の中にマークに手紙を送るという考えは全くなかった。
先ほども言ったけれども結婚するという事が確定しているのに連絡することに意味を見出せなかったからだ。
どうせ、この仕事が終わったら結婚してまたずっと一緒にいるのだ。
ここでの出来事などその時に話せばいいやと軽い気持ちでいた。
そんなあたしにクロード家の家紋が刻まれた封蝋付きの手紙が届いた。
こんな厳重な手紙など今まで無かったので何だろうと思い中を開く。
「え・・・はは。
そんな馬鹿な事が・・・」
あたしは手紙に書いてあった事を信じられなかった。
何度もそんなはずは無いと読み返したけれども内容が変わってくれることなど無かった。
その手紙はマークが死刑になる事をあたしに伝えていた。




