マークの受難
カチュアの衝撃の告白(?)と旅立ちから半年が経とうとしていた。
僕から何度か手紙が送ったが返事は来ない。
お館様に対しては報告書が届いており、文官として僕も見る機会はあった。
しかし、内容は向こうで修道院や教会を建てる事業に手を貸しているとか、持っていった本が向こうで完売したから追加で送って欲しいだのという話だけだ。
確かに報告は大事だ・・・しかし、それだけというのもあんまりな話ではないか。
日に日に思い出せなくなっている口づけの感触に僕はあの日の事は自身の妄想ではないかと疑うようになっていた。
そんな僕は心配したのか、エリカ様と結婚し日夜貴族のマナーを叩き込まれているビリーが声をかけてきた。
「なぁ、マーク。
久しぶりに今夜は2人で飲まないか?」
「どういう風の吹き回しだい?
それに久しぶりって今まで酒を飲んだことは無いだろう?」
「ああ、それは言葉の綾っていうか・・・まぁ、気にするな!
俺は毎日の勉強で鬱憤が溜まってる。
お前も働きすぎなのか最近疲れてるように見える。
だから、久しぶりに友人としての話を聞こうってわけよ」
ビリーの言葉に思わず苦笑いを浮かべてしまう。
こいつは僕のことを心配して不器用にも遊びに誘ってくれたということなのだろう。
僕はビリーの提案を了承し、彼の部屋でお酒を飲むことになった。
その日のことはよく覚えていないが妙にスッキリした気分だった。
今までのモヤモヤを全て吐き出したような爽快な気分だ。
ただ一つ問題があった。
なぜ僕はクロード家騎士団の地下牢の中にいるのだ?
昨晩の事を思い出そうとするが全く思い出せない。
誰かいないのかと辺りを見回すと牢の前の椅子にパメラが座っていた。
「あ、パメラ!
これは一体どう事なんだ?
何で僕は牢屋にいるんだ?」
「ん〜姫様から教えるなって言われてるから答えるのは無理。
一つ言えるのはマークは何か色んな罪で処刑される。
しけーい」
パメラはそう言って手を手刀の形で横にし、首の前でスッと動かす。
簡単に言うと首を切るようなジェスチャーだった。
「は・・・嘘だろ?」
あまりの衝撃に言葉を無くしていると階段を降りる音が聞こえてきた。
誰かがここに来ているらしい。
階段を降りてきた人物を見て僕は益々混乱してしまった。
マーク君の不幸はとどまる事をしりません。




