木材ダンジョン
外に出た。
海は丸く切り取ったように、地平線が見える。
ここは、岬の先。
人の村から大分離れている所にダンジョンの入り口がある。
木材のダンジョンらしい。
「早く行くよー」リンが元気良く催促してきた。
僕としては、もうちょっと海を眺めててもいいのだが。
手を引っ張られながら、ダンジョンへ入る。
ダンジョン内は、今までのダンジョンと代わり映えはしない。
慣れたもので、するすると奥に入っていく。
僕は、目の前の敵いや魔物に首をかしげた。
「かわいいー」リンが真っ先に魔物に抱きついた。
どうやらリンは、猫派のようだ。
猫の魔物、だすアイテムは麻と木綿の糸と布。
木材ではない。
植物繋がりといえばそうなるが。
「1トンを1万個だっけ?」この場合どうすれば?
糸と布をわざわざ1トン作る必要性はない。
すでに、小売店で売り出そうとすれば出来るだけの数は揃えてあるし。
まー今まで使った分を取り戻す程度でいいかなと思いエンちゃんに聞いてみると、『ざ、材木だけでいいわよ』と言われてしまった。
「アーー~~ーー猫たん」
何事と思いリンを見ると、リンの目の前にチリが舞い散っている。
どうやら、モフモフし過ぎて、魔物のHpを削り取ったようだ。
ガッカリしているのかと思いきや、リンは次の猫をなで回している。
リンになで回されてる猫は、お腹を見せてじたばたしている。
周りの猫は、猫パンチをしているかのように見える微笑ましい絵図。
実際は、猫の魔物の引っ掻き攻撃が炸裂しているにもかかわらず、リンに通じずなで回され続ける地獄絵図だ。
「リン。当分続けるか?」「うん。飽きるまでヤりたい」「良いよー僕はアイテムかき集めてくるから」「うん。いってらっしゃい」
ー数時間後ー
「ただいま・・・まだやってたの」「だってー」気持ち良いのはわかるのだけれど。
「外の世界じゃ出来ないからね。十分に補充しとかないと。ね」
ねって、それに補充って何のだよーと思ってしまう僕である。
「そろそろ次に行こうと思うのだけれど」「いいよー行こう。次はどんなモフモフさんがいるの?」「んー知らない。それにモフモフとは限らないと思うけど」「ですよねーふー」まー僕もだな、モフモフだったら堪能しようと思う。リンにはちょっと恥ずかしくて言えないけど。
そう思いながら次の会へと進む。
「なにあれー」とリンが声をあげるのも無理はない動物がそこにいた。
「アルーマジロ?だっけか?」「私に聞かれても」「うん」
日本にはまず居ない動物。
全身鎧に包まれモフモフ感0の動物。
その名もアルマジロ。
びっくりではあるし、残念である。リンは残念が勝ってるらしく嫌な顔をしていた。
さて、こんなアルマジロがどんな物を落としてくれるのであろうか?鑑定してみよう。
アルマジロ (G) / 固い皮膚は弾丸を弾くと言われている。以外に速い。 / 突進 / ー / 朴の木材 / ー / 25文 / 25
んー?突進なんだ。転がるではないんだな。
大きさも50センチほどなのだが、どのくらいの威力か想像つかない。
僕たちには効かないだろうけど。
そして、朴の木材、朴ってなんだろう?ここら辺はエンちゃん先生に聞いてみよう。
『木にトと書いて、朴と読む。』「「ほうほう」」
『朴の葉っぱは、大きく厚みがあり殺菌効果を持ち合わせているから料理の器に利用されているのよ。この辺りは機会があれば話すわ』「「ほー」」
『何かバカにされているような』「「そんなことはない」」『そー続けるわよ』「「うんうん」」
『朴木材は軽くて柔らかく加工しやすくヤニが少ない木材なの。その一方で材質が緻密つまり極め細やかで均一なの。その為、表面が弾力があり打撃や切り傷に強いという特徴的な一面があるの。その上日本全土に分布しているので、身近で特殊な物に利用されていることが多い。代表的なもので、下駄の歯、太鼓のバチ、まな板、刃物鞘等ね。その刀の鞘も朴の木よ。以上かしら』
ほー勉強になります。
さて、アルマジロの方は、皮膚が弾丸を弾くくらいなのだから、リンの弓矢が通らないのではと、懸念してみたが、そんなこともなく無事倒すことが出来た。
僕も問題なく倒せた。
リンの弓矢が弾き飛ばされ、僕の刀も刃が通らない。
その上突進してくる速さが素早く、避けるのに精一杯だ。
避けながら、なんとか刀の切っ先をアルマジロの下に潜らせアルマジロをひっくり返す。
お腹を見せたアルマジロに突き攻撃を展開するも、丸回れて刀が挟まれてしまう。
なんとか隙間から刀に全体重をかけて押し込みようやくアルマジロを倒すことが出来た。みたいなドラマは起きなかった。
順調に進んだので次の階へと足を運ぶ。
今度こそモフモフ・・・針ネズミでした。
モフモフ感0であるが、ちょっとかわいい。
針ネズミは、ネズミでなくモグラに近い存在だそうだ。
土の竜と書いてモグラ。
土竜と書いて土竜カッコいい。
針ネズミ (G) / 針を立たせじっと動かなくなる。見た目かわいい。 / 動かない / ー / 松の木材 / ー / 7文 / 7
見た目はともかく、地味な魔物である。
動かないが攻撃とか、あり得るのか?いや目の前の魔物がそうなのだからあり得ることになった。
魔物に近づくと、本当に動かなくなった。
体長30センチほどの針ネズミ。かわいいなと思い、そっと手を伸ばすと、急に針ネズミが身体をブルッと振るわせた。
動かないって言ってたのに、危うく針が指に刺さるとこでした。
危ないので、刀でブスリとしたところ、絶命し松の木材が残る。
『松は本州北部から四国、九州で自生している。材質の固さは程よく、ヤニを多く含むため水辺の使用に向き船舶材に多く使用されている。その他多くの用途に使用されているが、主に裏方仕事が多いようだ』とのこと。
裏方というのが良くわからないが、多く使われる木であることがわかる。
沢山松を回収すると、安全地帯に入り、軽い昼食を取り眠りについた。




