料理に欠かせないダンジョンとは 5
3階に降りた僕。リンも一緒だ。
降りてすぐ異音に気付く。
ブーンという音が聞こえる。
羽のある虫が今回の魔物のようだ。
蚊か蝿か等と思いながら進んでいくと目に映ったのは蜂であった。
僕は殆ど驚くような事はなくなってしまったが、普通の人がいたら恐怖そのものであろう。
毒針を向けて集団で飛んでくりゃ、怖いわけだが体長が1メートルもあれば死を覚悟する人も多いのではと。
リンがスキルを使い調べているので、僕も調べてみよう。
ハチ / スズメバチの形をした魔物。おしりの針には毒はない。 / 刺す / − / キウイフルーツ / マンゴー / 80文 / 80
僕が、毒針で無いことにホットしていると、リンが僕の顔を覗き込んできた。
「どうしたの?」「んっあーあの蜂は毒を持ってないんだって。良かったね」
「蜂が毒を持ってないと良いの」「そーだね。毒を持ってたら刺されたとき大変だからね」「あんな大きいので刺されたら、毒がなくても大変そうだけど」
確かにと思ってしまう。
よく見ると、大きさが大きさだ。
針という細長いものではなく、あれはランスと言ってもいいほどの大きさだ。
雀蜂だからといって持っていい武器ではない何て思ってしまった。
「そんなことよりさ」「そんなこと?だよね。今の僕たちからしたら。で、どうした?」「うん。そんなことよりね、キウイフルーツって何?後マンゴーって」「くっ果物だよ」それ以上の答えがでなかった。
よく知らない上にあまり食べたことがないからだ。
ただ、キウイという名前は、ニュージーランドにいる鳥の名前から頂いてつけたということくらいだろうか。
鳥の名前から付いた蜂の報酬に鳥の付いた果物をくれるのだろうか?となるとマンゴーはどこから来たのだろう?わからない。
考えすぎだとも思う。
「ふーん。私は美味しいものが食べれればそれでいいよ」
弓矢を飛ばし、一気に魔物を倒すと現れるキウイフルーツとマンゴー。
それらを手にし、僕に渡してくる。
リンのスキルがあれば、調べられるのになと思いながら、食べれるところを教えていく。
フムフムと聞いていたリンだが、説明が終わると同時に走って行ってしまった。
大分馴れてきたのだろう、遠慮も無くなってきている感があるのだが。
リンが居なくなってしまえば僕は暇になる。
必要分の種は、それほど時間をかけなくても採取できる。
ならば、やることは雀蜂の研究かな。
リスポーンした雀蜂の側によると、当然のごとく毒にない毒針を突き立ててくる。
もちろん僕には通じない。
皮膚の上で止まる針を掴むと、スルリと手をすり抜け針はお尻の中に潜ってしまった。
再び針を出して攻撃してくるので、針を掴むと今度は、僕が針を引っこ抜く。
見事にチリになり消えていく。
次はチリにならないよう飛んできた蜂を捕まえると目の前に顔があった。
雀蜂は、確か雑食だったと記憶しているが、それでも肉食に向いている。
物を噛みきる虫の顔は総じて怖い。
そんな顔というより、顎に手を突っ込んでみる。
ガシガシと噛まれているが、僕の手ではどのくらいの強さで噛まれているか見当がつかないので、適当に木を出してみる。
木は、蜂の顎で噛み砕かれてしまった。
木刀を出してみた。
最初は噛み跡を残す程度だったが、徐々に細くなりチリとかしてしまう。
攻撃と設定?されていないものでも、通常の仕組みの中で武器になるのだと思う。
数分もしてない気がするが飽きたので、必要分のアイテムを手に入れるために暴れ、安全地帯までくると布団を敷き寝た。どのくらい寝てたかな?
寝ている間、僕の回りで時おりモゾモゾと動いていた気がするが、Hp等はすぐ回復する僕でも、眠気には勝てない。
それでも一般人よりは起きてられるのだが。
そんな僕は、1度寝てしまうと起きるまで起きないのだ。起きれないのだ。
モゾモゾと感じていたものが何なのかわからないまま眠り、目を覚ます。
目からの視界よりも先に、ブーンという音が耳に着く。
1匹でも十分 五月蝿いのに、こいつら数十匹が重なっている。
こんな中でよくまー寝れてものだと感心して隣にいるリンに気付かずにいた僕は、リンのお腹に手を付いた。
ムニューと聞こえそうな感触の後、咳き込むリン。
どうやら、僕が寝てるところに潜り込んで一緒に寝ていたようだった。
咳き込み終わったリンがこっちを睨んでくる。
悪気は無かった。むしろこれは事故だと言いたいが、ここは素直に「ごっごめん」と謝ると、ブスーとしている。カワイイ
「次、次進む」リンの気迫に、首を縦に降るとニコッと笑うので、布団をしまい手をさしのべた。
4階に到着する。
「また、蜂なの?」「ん?あれ蜂じゃなさそうだよ」「形にてるよ」「形はにてるけど、お尻針無いでしょ」「うーんホントだ」「それに、さっきの蜂は何か皮膚がツルッとしてたけど、あれは何となくモサッっとしてるしょ」
「んーじゃあれは」「蛾」「が、なの」「うん」「よく見ると顔が何か優しそう」「蜂に比べたらね」
「3種類」「えっと、僕には1種類しか見えないが」
「腰の部分の模様の色が違うみたい」「ん?ん?あーホントだよくわかったね」「うん」リンちゃん得意顔、頂きました。
オオスカシ赤 (G) / オオスカシバという蛾の形をした魔物。よく飛び回る。 / ー / ー / 赤葡萄 / ー / 25文 / 25
オオスカシ白 (G) / オオスカシバという蛾の形をした魔物。よく飛び回る。 / ー / ー / 白葡萄 / ー / 25文 / 25
オオスカシ黒 (G) / オオスカシバという蛾の形をした魔物。よく飛び回る。 / ー / ー / 黒葡萄 / ー / 25文 / 25
次は葡萄だ。
僕は、葡萄は好きだ。
しかし、この魔物は攻撃パターンというものがないようだ。
この後、葡萄狩りを楽しむ僕であった。
そして、巨峰のような葡萄を黒葡萄。
マスカットのような葡萄を白葡萄。
赤紫した普通の葡萄を赤葡萄と呼んでいるのだとはじめて知る僕であった。




