料理に欠かせないダンジョンとは 4
「蜜柑もオレンジもおいしー」
「そんなに食べてると、手が黄色くなるぞ」
「えっそーなの」
蜜柑に含まれてる何が原因で手が黄色くなる症状になり何て呼ばれているのか知らない。
ただ、健康被害があるものでなく、一時的に色が着くとだけ知っている。
確か人参の入った野菜ジュースでも同じ症状になると思ったが、この時代にはないもんね。
「でも、とまらない」美味しいものには、歯止め無いよね。
次の階に行くかと誘うと、あっさりウンと言う。
階段を降り進んでいくと、見えてきた魔物はバッタであった。
後ろのいかにも鍛えたといわんばかりの太い脚を使い跳ね上がっている。
イナゴかと思ったがもうちょっと厳ついようなかっこいいような、そういえば僕は殆どと言っていいほどバッタを見たことがないと思う。
「トノサマバッタとあるよ。トノサマって何」
「トノサマ?殿様は武家の偉い人ではなかったかな」
「偉い人なの。あの魔物は偉いの?」
「えーと」こういうのってどう答えたら良いのだろう?本気で困る。
「なっ名前をつけた人が、このバッタを見て大きく立派に見えたからそういう名前にしたんじゃないかな」
「ふーん」気の無い返事だった。名前に対してあまり興味は示してないのだろう。ちょっと助かる。
「で、あの魔物は、林檎とパイナップル出すみたいよ。美味しいの?」
「マジか」
バッタ (G) / トノサマバッタを模した魔物。後脚で蹴られると痛いではすまない。 / 突進 / ー / 林檎 / パイナップル / 75文 / 75
確かに林檎とパイナップルだが、それよりも目がいってしまう所がある。
攻撃方法は突進で、蹴りではない。
蹴られるとヤバそうだが、それはあくまでも攻撃ではないのかと突っ込みたくなる。バッタの後には十分気を付けようと思う。
そういえば、リンゴとパイナップルは偶然か?何かこれにペンを刺して繋げる何か儀式のような?記憶に薄いけど、気のせいかよくわからないフレーズが頭の中をよぎった。
ペンじゃないけれど、パイナップルって名前の由来は、松の実りマツボックリのような形と、林檎のような味?を掛け合わせて、パイナップルってなってるそうだよ。
ちなみに僕は、パイナップルが得意ではない。
好き嫌いとまではいかないが、パイナップルの食べた後の舌のヒリヒリとする感覚が苦手だ。
でも、パイナップルの入った料理、僕は酢豚位しか知らないけど、他にもあるだろうし持って帰って育てるけどね。
「美味しいの?」「えっ」「聞いてるの」「うっうん。美味しいよ」
舌がヒリヒリするのは苦手だが、決して不味いと思っていないのだ。
美味しいと聞いたリンは颯爽と行ってしまった。
魔物は通りすぎようとしているリンに目掛けて、少し沈むような体制をとり、脚で思いっきり地面を蹴って飛び上がる。
突進と言うよりは飛び付いている感じである。
リンは、バッタの飛び付きじゃなく突進をうまく交わすとそのまま行ってしまう。
1匹のバッタが僕の目の前まで突進してきて止まった。
このまま僕に突進してくるのかなと思ったが、目の前まで来たバッタはその場でモゾモゾとUターンしまた沈みこむ。
バッタは、突進する為に地面を蹴ったのだが、失敗したのか浮かび上がって前に進んでいなかった。
直後、バッタの後ろ足が僕目掛けて飛んできた。
高さは足の付け根のあたりである。
力が強く、僕は痛くは無かったが少し後に押された感覚を持った。
もしこれが普通の人であったら、確実に吹っ飛ばされていただろう。
高さが高さなので、玉砕コースではなかろうか?バッタがそういう仕様なのかどうかは僕にはわからないけど。
ともかく気を付けて攻略していこう。
どんな角度でも命中する手裏剣をどんどん投げバッタをアイテムに変えていく。
林檎とパイナップルの種をゲットし改めて特上にした林檎とパイナップルを見る。
林檎はフジリンゴのような感じである。
パイナップルは、多分普通のパイナップルだ。
では、早速試食と思ったときに、リンが現れた。
「これどうやって食べるの?」
普通に食べればと思ったが、どうやら蜜柑の恐怖が残っているようだ。
「じゃ一緒に食べる?」「うん」
まずは、パイナップルから。上の方に生えてる草枝を切り、4等分に輪切りにする。
皮と実り境を包丁で切り分けると、一口サイズに切り分け、爪楊枝を刺すと出来上がりである。
僕は、1つパイナップルを頬張ってみた。口に広がる甘味の強い味はいいのだが、ヒリッとする感覚はやはり好きにはなれそうにない。
リンはお構い無いようだ。ペロリと平らげてしまった。
次は林檎だ。
皮付きのまま8等分にし、芯をとるだけのものにした。
うさぎさんリンゴにしてもよかったのだが、可愛いと食べれなくなっても嫌だし、逆にうさぎさんの形が理解されない場合もショックだと思うので、今回はそのままだした。
芯近くの蜜の溜まり具合もしっかりとあり、食べればシャクリト音がして心地よい。
リンは、食べ方を覚えたので、すぐに行ってしまった。
僕はまた、危険なバッタに手裏剣無双を行うのであった。




