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お店を開く準備12 鷹仁

 改めて確認しよう。

 屋敷は、全て取り払い晒しにする。

 犯罪者は、全員に注射器で眠らせるアンド自白剤投入する。

 で、いいのかな。

 そうそう、話が続いていた。

 屋敷に武器があったら、1人1つ持たせてやってくれとのこと。

 銃砲刀剣類違反で捕まえるとのこと。

 最後にやる半日前に連絡が欲しいと言われた。

 なぜかというと、ここ東京だけでなく各都道府県警の連携とるためだとのこと。

 僕は、是非とも早く終わらせたいという願望から、お奉行と協議した結果、今日日が変わって午前2時に決行でどうだとなる。

 そうと決まれば、「お待ちどうさま、焼き肉定食をお届けに上がりました」あーうん頼んでいたっけ。

 僕の前には、大盛りご飯の焼き肉定食が置かれた。

 大盛りって僕のだったのかとこの時初めて知った。

 「せっかくだから頂こう」出前のご飯を僕は初めて堪能した。

 一応参考のためにと、屋敷の見取り図を置いて、お奉行は帰っていった。

 僕は、お爺さんと雑談をして帰っていった。

 その時お爺さんは、くれぐれも無理しないでくれと言ってくれた。有り難いことである。

 僕は、そのまま時間を潰していた。夜更かしは初めてなので寝ないことを祈りながら。


 そのころ・・・

 お奉行が検察庁に戻ると、全警察本部に激震が走った。

 本日26時に犯罪屋敷が潰れるという激震だ。

 本部長の元に数名が呼ばれ極秘に各都道府県の警察車両が東京に集まった。

 ある県警は、フェリーで移動し、ほとんどの都道府県警はパトカーを少し改造車にして高速を東京へと向けて走った。

 パトカーを改造車と言っても、さほど変えているわけでもない。ちょっと文字を変えて、地元のパトカーですよと思わせてるだけだから、東京からより近い県は問題ないが、遠くの県ほど何回も変える手間がめんどくさくなったのか、大型のレンタカーにパトカーを詰め移動している県警もあったそうだ。

 こうして昼過ぎに集合をかけた者達は、夜の10時頃全てが指定の警察署に詰めていた。

 時が過ぎ、真夜中の2時頃、全てのパトカーが屋敷に向けて動き出す。

 眠らない街東京と言えど、流石に真夜中の2時ともなれば静かだ。

 昼間に比べて人が少ないというだけで、少なからずの人が外のはいる。

 車に乗っている人もいれば酔って歩いている人も。

 そんな人達はこの日の光景から、百パト夜行とよんだ。

 

 その頃僕は、初めての夜更かしをしていた。

 おそらく親達は眠っているだろう。道路に面した2階の部屋が僕の部屋だ。

 そっと窓を開けると、身体を外に出し網戸を閉めると地面へと音もなく降り立ちと目的地に向かう。

 屋敷に着いたのが、2時少し前。様子をうかがうと門番がいる位で特に番犬の様なものはいない。

 僕は、仕事を始めた。人が居れば薬いや注射で眠ってもらって、自白剤を忘れないように注射する。

 後は片っ端から解体し、屋敷、犯人と忙しく動いていた。

 半分くらい終わった頃、パトカーが次々と到着し始めた。

 そして、パトカーから降りてきた警官達は、解体が半分以上終わっている屋敷を見ながら、呆れるような感覚で見とれていた。

 そんな中、1人の警官が尻餅を着いていた。

 目には見えていたけどお構い無く仕事を続け、20分ほどで片付いた。


 「どうした、尻餅なんか着いて?確かに人間業ではないが」

 「夜鷹の宮遊び」

 「ん?夜鷹?宮遊び?あれがそう見えると」

 「そういう訳じゃないんだが」

 「どういう事だ」

 「昨日な、これとまったく同じ夢をな見たんだ」

 「それが」

 「でな、ここから先は漠然としか言えないのだがな、犯人達と接触し離れるときの移動がが速すぎて、ボールのように見えるだろ。それに」

 「確かにサッカーのパスをしているようにも見える。が、それに?」

 「それにな、屋根を解体しているときは、鷹が飛んでるようにも見えなくはないだろ」

 「強引だけどな」

 「そんな話を娘にしたらな」

 「確か4才の娘だったな」

 「なんか、娘も同じような夢を見たのだと、俺に合わせただけかも知れんがな」

 「それで」

 「でな、俺の夢はここで終わったんだが、娘がその続きも見たというんだ」

 「ほう、で」

 「で、娘曰く、隣のお兄ちゃんくらいの男の子で、宮ナンチャラ鷹なんだかと名のるらしい。のだ」

 「それで、夜鷹の宮遊びかい。安易な」

 「そこは娘に言ってくれ」

 「4才の女の子に言えるか。そんなことよりいい加減、立て」「大丈夫ですか?」僕は手を差し伸べる。

 「えっもう終わったのか。ありがとう。じ、自分で立てる」

 「そうですか」

 「き、君の名前は」

 「えっと、井宮鷹仁です」

 「そっそうか、えーとどうすればいいのかな?」

 「左上からあいうえお順に並んでいるので間違えないように連れてっていけばいいかと。僕はあっちで見ています」

 「わかった。ありがとう」

 「いえいえ」僕は右上の隅に移動すると座った。

 この後の警察の動きは迅速で、指名手配犯の顔と書類を照り会わせて各パトカーに乗せ去っていく。

 ぼーっと見ていた僕であったが、気が付けばそこはもぬけの殻になっていた。

 僕は、スマホを覗くと、すでに依頼完了状態になっている。

 お金も振り込まれていたので、おとなしく家に帰って寝た。

 夜中の2時半を少し過ぎていた。

 

 僕が眠りに落ちた頃、ネットの中で日本全国のパトカーが、東京で百パト夜行を終え離散したと。

 夜明近くになり、起きた人達がネットの騒動に首を突っ込む。

 そんなはずは無い。他見のパトカーが、そうそう集まるわけがないだろと。

 夢でも見たんじゃないか?幻でもと混乱し始めた。

 朝方、広島で九州のパトカーが、怒濤を組んで走っているとか、青森で北海道警察のパトカーを見たとの情報も出てきても、そんな訳あるわけ無いと怒号のごとく混乱しているようだった。

 そんな混乱は知らずに寝ていた僕だが、僕の眠気を全てが吹き飛ぶ出来事が数時間後に起るのだった。


 「いつまで寝てるの。起きなさい。そしてご飯を食べなさい。片付かないでしょ」いつまでも寝ている僕を叱ってくれてるのか、食器類が片付けられないことに怒ってるのかわからないが、多分起こされてしまった。

 僕的にはもっと寝たかったが諦める。

 布団は既に、干されているので眠る場所がないからだ。

 冷めたご飯を温め直し口に運ぶ。時間は10時ちょい前だから9時57分くらいかな。

 母が何となくテレビをつけた。

 10時から見たい番組でも有るわけがないが、何となく暇になったからだろう。

 10時からは今映ってる番組では、再放送の2時間サスペンスドラマでもやるようだが、僕は興味ないので、ご飯を食べながらこの後何しようか思案していた。

 10時、サスペンスが始まろうとした直後、緊急報道に切り替わった。

 僕は、今座ってるところからテレビは見えないし音もほとんど聞こえないから食事を進めていると、僕の目の前に母が来て椅子に座る。

 「あれ、テレビ見るんじゃないの?」「それがね、なんか100人近い指名手配犯を捕まえたとかなんとかで番組変わっちゃったのよ。そんなことってあるのかね?」「さっさーちょっと見てきてもいい」「んっいいよ」母の許しを得てテレビを見る。

 『繰り返します。本日未明警察は100人近い指名手配犯を逮捕しました。詳しくは・・・』確かに番組変わってる。

 僕がテーブルに戻ると、だるそうにしている母が、「しっかし、100人近い指名手配犯って警察も大変ね。取り調べして裁判して、お金かかるだろうし税金も使われるんだよね。いっそのこと奴隷にして働かせばいいのに」

 「あっ」僕の中で忘れてた何かを思い出す。

 朝食を食べ終わると、僕はその場所へ向かうのだった。


 後に、警察では僕の事を【宮遊びの夜鷹】と呼ぶようになり、僕の仕事を【夜鷹の宮遊び】と呼ぶようになったという。


 


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