お店を開く準備6 鷹仁
やる気を十分無くしたところで、サー出発とはいかない。
そこで、お昼タイムとすることにした。
実際の時間では、かなり早いのだが一暴れした後なので問題ない。
さくっと残った鉱石を、ばらしてインゴットにして、余った物を棄てようとした。
石だから棄ててもいいが、どうせなら石材として使えるかもとも思う。
取り合えずとっといた。
「試食って聞いたけど、どんなのがあるの?」
「えーと、サラダとスープ、餃子と唐揚げ、あんみつがあるよ」
「主食は?いや、ここに母さんのつくったおむすびがあるから、これ食べよう」
「うん。買わずにすんだ」
どうも、買う予定だったようだ。
そんなわけで、まずはサラダだ。
サラダといっても、ものすごい種類があるが、今回のサラダは生野菜サラダだ。
千切りのキャベツと、数種類のレタス、輪切りにされたプチトマトと、茹でたうずらの卵がこれまた輪切りにされて、添えてある。
ドレッシングは、使いきりタイプの市販の物が添えてあった。
ただ、種類はそれなりに揃えてくれてあり、和風、洋風、イタリア風、中華風、コールスロー、シーザー、そして塩だ。
僕は和風を、龍一はイタリア風を、彩琥はシーザーをかけていた。
サラダをよくみると、少しもしなれていない。
ピンと張ったサラダは、ドレッシングを弾いてるくらい活きがよかった。
一口食べてみる。
シャキという歯応えが、口の中で響いているようだ。
「これ凄い新鮮だね。美味しい」「あーうんこれね」
「ん?何かまずかった?」「ううんそーじゃないんだけど」と言って教えてくれた。
キャベツとレタスとプチトマトは、龍一のお父さんの知り合いの農家から直接買ってきたのだそうだ。
買ってきたというよりは、お金を払って直接採ってきたとのこと。
家に帰ってくると、龍一の収納袋に1度全て納め、虫や使わないところをカットを、龍一の錬金術で行い、戻す。
ウズラのゆで卵と、お皿を用意して、必要な分の野菜を用意すると、できるだけ早く野菜をカットして盛りつけドレッシングとホークを添えて出来上がったものを収納袋に戻すといった調理方法らしい。
実質、野菜は収穫してから10分も経ってないのではと思う。
ドレッシングに関しては、こだわってつくってもいいが、市販のものの方が安定しいるとのことだった。
シャキシャキとサラダを堪能した。
次にスープを食べ、いや飲もう。
スープは冷たいカボチャのスープだ。
カボチャを皮ごとじっくりと煮る。
柔らかくなったカボチャを、裏ごしして丁寧に細かく潰していく。
牛乳で野菜を煮込み、野菜出汁の牛乳をつくる。
裏ごししたカボチャと、出汁の牛乳を合わせて煮込み、調味料で調えれば出来上がる。
これを深皿に盛り、乾燥パセリを添える。
そして、龍一の収納袋に収め、龍一の錬金術で温度を5℃にすると完成。
カボチャの甘味と、野菜の旨みが牛乳で包まれているものが、口の中で解放する。
さらに、冷たいスープは喉を潤しながら消えていった。
5℃へのこだわりは特になく、冷蔵庫より冷えて、凍らない温度にしてみたかったとのこと。
洋風の前菜を頂いた後は、中華風のおかずだ。
これに、家から持ってきたおむすびを食べるのだが、先程から出てくる料理が前菜の段階で凄すぎて、おむすびを出しづらい。
何て事はお構いなしに、おむすびを手渡し、餃子をみる。
餃子はパリパリ羽根つき餃子だ。
知り合いの中華料理屋でつくってもらったらしい。
あっつ熱の餃子と唐揚げが目の前にある。
餃子は、野菜と肉が半々位あって、両方の旨みが重なりあっている。
餃子のタレはこれまた市販の物だ。
唐揚げも熱々であり、こちらは塩が盛られている。
餃子も唐揚げも安定の美味しさで、おむすびとも愛称バッチリであり、思いっきり頬張ってしまう。
ムセはしなかったが、ちょっと頬張り過ぎたのは、内緒だ。
最後は、あんみつだ。
半透明の寒天と、緑色をしたお茶の寒天のツートンカラーである。
トロッとした密が寒天の下でこずんでいる。
寒天の上には小豆が甘さ控えめでのっている。
寒天に蜜を絡め、アンコと一緒に頂く。
弾力のある寒天は、口の中でホロッと崩れると喉ごしよく通りすぎる。
堪能した。よかった。
高校生の僕が言うのもなんだが、すごく美味しかった。
もっと美味しいものって世の中あると思うが、そこまで求めてない。
十分だ、お願いして正解だったと思う。
「そうそう、喫茶店って名前だけどね」「うん?」何だろうなと思う。
「喫茶店って、食べ物の提供は出来ないそうだよ」「そうなの?じゃ」
「うんとね、飲食店として登録してあるから問題ないらしいけど、喫茶店という名前を変えたらどうかなって言っておいてと言われたんだけど」「そうなんだ、か、考えとく」
そこら辺って全く知らないけど、不動産の社長さん上手くやってくれたんだと思う。
さて、こっちもそろそろヤらないとね。
と言っても、ゴキブリだけを相手にするのは、さすがに嫌だという。
無理もないので、やり方を決める。
結果が次の通りだ。
ボス部屋→5階→4階→3階→2階→1階→1階→2階→3階→4階→5階→ボス部屋の順で回り、各階の1人のノルマは100個以上とし、金鉱石が25万個集まった時点で一応終了とのことに決まった。
十万ちかくある金鉱石だが、自分達の依頼で集めたものではないからと言って拒否された。
では、何故多めに設定したかというと、金インゴット個人的に欲しいじゃんとのこと。
そんなわけで、ボス部屋に着いた。
意を決して中に入ると、目の前に3匹の1メートルのゴキブリがいた。
僕は、先程のように部屋中に膨れ上がるだろうと警戒するも、一向に増えない。
頭の中で混乱しているうちに、彩琥の弓が3匹のゴキブリを射抜き終わった。
「あれ?もう終わり」「みたいだね」「たくさん出るんじゃないの」「うーんさっきはそうだったのだが」結局最初は3個手にいれた。
「しかし、ゴキブリキモい。連続無理だねー」「あーだから一周してくるんだろ」「うん。100匹だっけ一階につき」「最低100匹な。一部屋だいたい何分くらいで終わるんだ?」「ん?1分もあれば終わるかな」「凄いな、俺2分は欲しいかな」「攻撃範囲が違うからね」「まーね」
木刀と弓では、攻撃範囲が違うのもそうだが、今の彩琥は一矢一匹ではなく一矢数匹倒せるので、一部屋百匹の部屋がものの1分で片付けられるのである。
むしろ、木刀を使って2分で一部屋を片付けられる龍一の方が僕は凄いと思うのだが、妹に負けてる感があるのか、平然を装ってた。
「残りは24万9997個だ」「「はーい」」数を聞いたらやる気なくしたようだ。
「では始め」と勢いよく言ったら、すっ飛んでいった。
僕も、手裏剣を構え部屋に入る。
そこに構えていたのは、カブトムシであった。1メートル級の。
カブトムシは、2本の角を使い相手を放り投げるという技を使う。
長い方の角を相手の下に忍ばせ、短い方で相手を掴むようにして、長い方で相手を持ち上げてポイする方法だ。
ここのカブトムシも、長い角を下に向け、突っ込んでくる。
相手を救い投げるつもりで突っ込んでくるのだが。
角の先は少し上向きにカーブしており、先端は二股に別れ尖っている。
湾曲した巨大な槍である。
カブトムシ自信は、相手を投げ飛ばすつもりなのうだろうが、相手から見たら槍を構えて、いや備えて突っ込んでくるのだから刺されたら死ぬなと思う。
想像しただけでけっこうえぐい。
僕は、手裏剣を投げる。
手裏剣は、カブトムシの小さい角に当たると、角を2つに割りながら体の中にめり込んでいった。
それをきっかけに全てを倒し次へ進む。




