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料理に欠かせないダンジョンとは 3

 5階に降りた僕たちの前に現れた魔物は、僕が以前戦ったことのある魔物で、蛇と蛙であった。

 鑑定してみると、大根と紫蘇を出す魔物である。

 ここは僕には用がない。

 「リン、ここは僕は以前戦ったことのあるものだから僕はボスを見に行くけど、リンはどうする?」

 「えっそうなの?だったら私もボスを見に一緒にいく」

 「良いのか」「いいよー」

 というわけで、ボス戦へと進んだ。

 ボスは、大蛇である。

 となると、本当にここにいる意味は無くなる。

 リンが、サクッとボスを倒していたしね。

 ダンジョンを出ると、眩しい太陽が照りつけている。

 眩しさに手で目を覆いながら「一旦休憩する?」「いらない」

 「じゃ、あっちのダンジョン潜ろうか」「うん。ところで武器変える」

 「えっ他の武器にするの?」「ううん。鷹にぃが」「僕か、そうだな」

 「これなんてどうかな?」「うーん何だっけ」「手裏剣だよ」「そーそれいいね」

 ダンジョンを進んでいくと、魔物がいた。

 黒と白がくっきりとした模様の羽を持ち、一部青みがかった模様とその先に赤いマークのある蝶々。

 ヒラヒラと優雅に飛んでいる揚羽蝶(あげはちょう)がいる。のではなく、大きすぎてバサバサと飛んでいる。ちょっと怖い。

 そういえば、中学校の時生物の先生が「蝶々は1匹2匹と数えるのではなく、1頭2頭って数えるんだ」と教えてくれたことがある。

 そんなはずはないとその時は思っていたのだが、目の前のデカイ揚羽蝶をみれば、納得できる。確かに蝶々は1頭2頭であると。

 納得したところで、目の前の揚羽蝶は、何を出してくれるのだろう。早速鑑定・・・リンが倒してしまいました。

 出てきたのは、蜜柑(みかん)いやオレンジか。

 その両方だった。

 

蝶々 (G) / ナミアゲハの形をした魔物。羽には鱗粉はなく直接絵が書いてある。 / 叩く / ー / オレンジ / 蜜柑 / 60文 / 60


 オレンジと蜜柑の2種類なのは間違いないようだ。

 昔の蜜柑は甘くなく、改良されて甘くなっていったと聞いたことがあるが、このアイテムは下下の状態ではわかりにくいが、どうも改良後の甘いオレンジと蜜柑のようである。

 「何か丸いね。これ食べれる?」「たべれるよー美味しいけどリンには酸っぱいかもね」「酸っぱいの。ふーん」「まずは、特上にしようか」「うん」

 部屋に入ると、ワッサワッサと飛んでいる蝶々に手裏剣を構える。

 飛んでいる魔物に刀だけで挑んだらかなりめんどくさかった後思うが、こういう時は飛び道具に限るなと思った。

 しかし、動いている魔物にまともに当てられるのかは疑問。

 しかし、この手裏剣は命中がある。多分当たるだろう。

 手裏剣を構えると、魔物に的がマークされた。

 それは、動く魔物でも普通に付けられたので、僕は思いっきり手裏剣を投げてみた。

 見事に刺さった。刺さった手裏剣はマークした部分から勢い余って魔物ごと貫いた。

 貫いた手裏剣は、その向こう側にいる魔物に当たるのかと思いきや、マークした部分に戻っている。

 貫通しても命中と思うが、戻るまでする意味がわからない。

 まーそれがこの手裏剣なのだと思うが。

 マークを付けた魔物とは別の魔物に手裏剣をめり込ましてみても、僕の手から離れた手裏剣はマークした場所に届くまで、めり込んだ魔物から這い出してマークに命中した。

 反対側に飛ばしても、ダンジョンの壁に突き刺しても、マークに向かっていく手裏剣を使い魔物を倒していく。

 蜜柑とオレンジの数が揃ったので試食タイムに入る。

 「にがーい」という声に振り向くとリンが皮ごと食べていた。そりゃ苦いわ、いくら特上とはいえね。

 水筒を取り出して、口を濯いでいるリンの蜜柑をもらうと、よく見てみる。

 温州蜜柑(うんしゅうみかん)に近い形だ。

 皮は剥きやすい、実も薄皮が弾けそうな位だ。

 食べてみると、口の中に水分が弾け飛び、さっぱりした酸味としっかりした甘味が広がっていた。そして、ちょっぴり薄皮の苦味が走る。

 美味しそうに食べてるであろう僕の顔を恨めしそうに見てくるリンに、僕は、蜜柑の実の薄皮を剥く。

 弾けそうな一粒一粒が食欲を注いでくる蜜柑をリンの口へと運ぶ。

 さっきの苦味が原因か、恐る恐る大きな口を開けかぶりついた。

 瞬間、リンの顔はオットリとなる。

 僕はもう一度、リンの目の前で皮を剥き、薄皮を剥き渡してから、蜜柑を丸ごと渡した。

 リンは、もう剥いてくれないの?みたいな顔をしてたが、自分で蜜柑を剥いて食べていた。夢中で。

 だが、ここにはそんなに数があるわけでもないので、すぐにリンは別の部屋に移動していく。

 「あんまり食べ過ぎると・・・居ない。まーリンなら大丈夫か」

 僕は、スキルを使い蜜柑の種を取り出すと、今度はオレンジに向かう。

 オレンジ、確かお母さん曰く、「皮は、消毒とワックスが塗ってあるから食べちゃダメよ。お風呂にもいれちゃダメよ」と言ってオレンジを食卓に並べる前によく洗っていた。

 ダンジョン産のオレンジが、消毒液とワックスに侵されているとは思えないが、食べないので問題ない。

 余談だが、蜜柑の皮を使った料理は、特別に消毒液を使わない、もしくは最小限に抑えていると聞いている。もしくはダンジョン産の蜜柑を使っていたとか、あり得ないか。

 さて、目の前のオレンジだが、指で皮を剥くにはちょっと難しい。

 固いし、すぐに破れてしまい蜜柑のように剥けない物である。

 これを、八等分にすれば、すんなり剥けるからちょっと不思議。

 でも、今の僕は行儀よく剥く必要もないので、そのまま剥く。

 手の内に、ビッチリとオレンジの皮の水分が弾けついてしまったので、布で拭き取る。

 出てきたオレンジの実は、普通以上に美味しかったのでこれも種にして収納した。

 皮を手にし、ムニュっと曲げると、皮に含まれた成分が飛び散る。

 小学校の時、これを人の目に向けて飛ばした事を思い出した。

 意外に痛いんだよね。これ事態は子供の悪戯程度の事なんだろうけど、今にして思えば、皮についてるであろう消毒液をかけてしまったのかななんて思ってしまうと悪いことしたと思う。

 最も僕もやられたけどね。

 僕のここで出来ることは終わったから次の階へ行きたいけど、リンはいつまで蜜柑とオレンジを食べているのかな。

 様子でも見に行こう。

 

 

 

 

  

次回、1月3日3時 及び 1月13日13時の投稿をお休みさせていただきます。


年末年始 3時に、鷹仁編を連日投稿させて頂きますので、よろしくお願いします。

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