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料理に欠かせないダンジョンとは 2

 3階に降りた僕達は、洞窟型のダンジョンを進んでいく。

 目の前に現れてきたのは、蜥蜴に似た容姿の魔物だった。

 2種類いる。

 1つは、体が焦げ茶色のような色をしていて、ゴツゴツとした容姿である。

 脚の指先は妙に膨らんでいるように見えるこの魔物は、ヤモリに見える。

 ヤモリ、家を守るものと漢字表記され、家守と書くらしいが、実物を見たことがないのでどうとも言えないのだが、確実に目の前の1メートルのヤモリが家に張り付いていたら絶対家は守れない気がする。いや、家は守れても安心して住めないかも。

 そして、もう1つは、両生類である。

 蜥蜴にしろ、家守にしろ爬虫類だと記憶しているが、一緒にいるのは確かに両生類だ。

 黒くて艶のある肌と、お腹にある赤のまだら模様のある生き物は、イモリであろう。アカハライモリ或はニホンイモリとも、漢字表記は、井守だ。

 現在でも井戸水を使用している家は多いと思うが、井戸から水を桶などで汲み上げてる所はないだろう。

 井戸を守ると書いても、イメージわかないだろうな。

 そんな事を考えていたが、目の前のイモリが井戸の中に居たら、井戸は守れても水汲みにいけないかもしれない。

 さて、そんなヤモリとイモリがどんな野菜を出してくれるのだろうか、早速鑑定していきく。


ヤモリ (G) / ニホンヤモリを大きくした魔物。家は守れない。 / くわえる / ー / レタス / サラダ菜 / 45文 / 45 


イモリ (G) / ニホンイモリを大きくした魔物。井戸は守らない。 / くわえる / ー / キャベツ / ホウレンソウ / 45文 / 45


 取り合えず、グリーンサラダが作れそうだ。

 それはそうと、イモリは毒があったと記憶しているのだが、その辺りには触れてない。

 デトロトトキシンみたいな名前。河豚(フグ)と一緒の毒と記憶しているのだが。

 いや、薬だったかな?ホレグスリって言ってたような?ちょっと記憶曖昧である。

 んー目の前のイモリを黒焼きにして、果たして相手が惚れてくれるかといったら、疑問だ。

 焼くのはやめておこう。どの武器使おうかな。

 まあ、今持ってる槍で続行しよう。

 イモリとヤモリは、氷漬けにする。すぐにチリになって消えていくんだけどね。

 そして、グリーンリーフを手に入れた。

 何時もなら、3階にある安全地帯で一服するのだが、今日はそこまで動いていないし、宝箱とかないからスルーでいいかな。

 そういえば、宝箱ってダンジョンの醍醐味だよね?無いのかな。

 多分無いんだと思う。

 それはいいとして、次は4階だ。何がいるのか楽しみである。野菜が。

 4階の所にいた魔物は、ザリガニであった。

 赤いのと茶色いのがいる。っとちょっと待て。爬虫類からの両生類まではいいがなぜここに甲殻類が現れた?などと思う。

 「何あの変な形の手の生き物」とリンが言う。

 あれ?ザリガニを知らないのか。いや、知らなくて当然なのかもしれない。

 僕が暮らしていた時代は、淡水の池などには大抵ザリガニは居たものだが、今僕がいる時代ならザリガニは皆無だろう。

 「あれは、ハサミって言うんだよ。物を挟んだり、切ったりするんだ」

 そう言って、僕は手でチョキをつくって見せ、もう一方の手を挟んで見せる。

 「屋敷の鍛冶する所やご飯を作る所にも、同じような物が沢山あったと思うが?」「そーだった?かな」

 「そーだね、今度はリンも一緒に何か作るようにしようか」

 「えっ良いの?ダメかと思ってた」「そっか。気付かなかった。ここのダンジョンと向こう側にあったダンジョンをクリアーしたら、一緒に料理作るか」

 「うん。絶対だよ」「うん。じゃーまずは、あの魔物を倒さねば」

 僕は、槍を構え、リンは弓を構える。

 まあ、リンならスキルを使って答えを出してくれるとは思うが、自分が当たり前と言う物を、知らない人に説明するのって案外難しいなと思う。

 さて、目の前のザリガニを改めてみてみよう

 色の違い以外は、よく見ないと分からなかった。

 赤い方が、茶色に比べるとスマートな体型をしているので、アメリカザリガニとニホンザリガニで間違いないと思う。

 そもそも僕は、ニホンザリガニを見たことが無い。

 小さくて、茶色いザリガニをニホンザリガニと勘違いしている人は多くいる。

 でも、殆どがアメリカザリガニの小さいときなのだ。

 うん。話がそれた。

 今大事なのは、ニホンザリガニにしろアメリカザリガニにしろ、どっちでもよく、あの目の前のザリガニは何を出してくれるのかだ。


ニホンザリガニ (G) / ニホンザリガニを大きくした魔物。 / 挟む / ー / 白菜 / 春菊 / 50文 / 50


アメリカザリガニ (G) / アメリカザリガニを大きくした魔物。 / 挟む / 人参 / 牛蒡 / 50文 / 50


 鍋かな。

 白菜(はくさい)は、鍋に欠かせないだろう。

 春菊(しゅんぎく)なんて、春の菊なんて書かれているけど、食べる茎を収穫するのって冬でしょ。と言っても植える時期で変わるんだろうけど、冬の鍋の定番じゃん。

 人参(にんじん)もよく入ってるし。でも人参って小さい子がよく食べれずに弾くことって多いよね。リンは大丈夫かな。ちょっと心配。

 牛蒡(ごぼう)もついてくるのか。

 牛蒡って、木の根っこと勘違いされて、怒られたみたいな話を聞いたことがあるのだけれど、少なくとも木の根っこではなく、草の根っこなんだよね。

 そういえば、草は草でも何の根っこなんだろう?気にしたことないや。

 しかしだよ、アメリカ兵が、日本兵に怒っていたと聞いたにだが、何もアメリカザリガニから出さなくても良いのに、と思う。

 そのアメリカも、日本の食用用としてでっかい蛙を持ってきて、蛙のエサ用としてアメリカザリガニを持ってきたのに、監理できなくて爆発的に日本に広がっちゃったんだよね。

 でっかい蛙は、日本人の口にあわず、と言うか見た目でアウトだったとか。

 で、アメリカザリガニが、日本の高級食材ってのもおかしな話だよね。食べたこと無いけど。

 「これ、食べ物なの?」リンもアメリカ兵と一緒の感覚を持ったのだなと思う。

 リンの手には、牛蒡が握られていなかった。

 緑色をした葉っぱである。

 「何か臭うんですけれど」

 臭うちゃう。匂うだよ。春の訪れを思わせる香りでしょ。とは言えない。

 僕も小さい頃は苦手でした。

 「今はね、品質が下下でしょ。だから(くさ)いだろうけど、特上にすれば、変わるだろうし、リンも食べたくなると思うよ」多分。

 首をかしげるリンに、「ほらほら、全部特上にして数揃えたら次進むよ」と促す。

 果たしてリンは春菊を嫌いにならない済むか、僕にはわからない。

 

 

参考) 牛蒡は菊科の植物。

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