美味しいものって難しい
「さて、何を作ろうか」悩んでいる。
ダンジョンから出た僕達は、屋敷に戻ってきた。
ひとっ風呂浴びた後、リンはお昼寝するといい寝室へいった。
僕は、キッチンで頬杖をついている。
美味しいものを作るといっても、具体的に何を作ろうか決めてないからだ。
材料も肝心の砂糖がまだだ。
砂糖1つで大分変わる気がするのだが、無いものは仕方ない。
美味しいといっても、食事とは限らなくてもいいから、オヤツに出来るものでもいいかなと思う。
ケーキとか?いや作れないし、作り方知らないし。
では、団子とか煎餅はどうだろう?できる気がしてきた。
砂糖を使えばより甘いものができそうだが、砂糖が無くても作られていた気がする。
しかし、材料は何だったかな?お米か、或いは餅だったか?
何となくだが、餅ではなかったように思えるから、今回はお米で作ろう。
間違ってたとしても美味しいものが作れればいいんだ。
お米を用意する。
お米を用意するのにも一手間いるんだよね。
収穫してきた稲を、本来なら1週間位かけて乾燥させるが、そこはスキルでさくっと乾燥させ、籾にし、籾殻取って糠取って、漸く白いお米が登場する。
炊けば美味しいそうなお米だが、炊くのではないと記憶だけはしていたが、記憶違いかもしれない。
では、炊く以外で何かあったか?煮るでもなく、焼くでもない。
何だったかなと思って考えて、調理器具を見ながら考えてると、ふと手にしたのが蒸し器であった。
蒸し器を僕は使ったことがない。
でも、理屈はわかる。
一番したに水を入れ、一番上に食材入れて、火をかけ蒸していくやつなんだと。
どうせ蒸すなら、お餅も作るかと、餅米を用意する。
鉄鍋に水をたっぷり入れ、米と餅米をセットする。
火を着けて待つこと、ウトウトし始め軽く寝てしまった。
ふと気が付くと、火が消えている。
どのくらい時間がたったかわからないが、蒸し器の隙間から湯気が漂っており、お米の匂いが充満していた。
蓋を開けてみると、つやっとしたお米が登場する。
「これを潰すんだよな、でもー」加工スキルを使おうかと思ったが、自動餅つき器を発見したので、セットして任してみた。
ペッタンしたりグルグルしたりとしているのをみて、ヨモギが生えていたと思い出す。
草餅を加えてみようと思うのだが、ヨモギの扱いがわからない。
僕はこの時、料理色々勉強とまではいかなくとも、覚えておけばよかったなと思った。
今回は断念しよう。
今日出来そうなのを想像してみる。
正しい作り方かわからないが、お餅と煎餅と団子かな。
まずは、分かりやすく出来るお餅かな。
大きい板の上に、片栗粉を敷き、突き立てのお餅を適度な大きさに千切っていく。
以上。後は、固くならないうちに、収納してしまえばいい。
必要なときに出して、食事なり、オヤツなりしていけばいい。
結構なアレンジが出来るはずだ。
今回はあくまでも、団子と煎餅がメインである。
煎餅は、お米を潰したのを熨斗状にして丸く切り取り乾燥させる。
それを、焼いていくであってたはず。
そうだな、乾燥までは加工スキルを使おう。
全てが手作りといかなくても、ずるではないはずだ。
時間短縮にもなるしね。と、思いきってスキルを使うと、そこには煎餅の元となるものがずらっと並んでいた。
それらを一時放置して団子作りに入る。
餅を作るときと同じような状況で、餅よりも小さく作っていく。
これを刺す串を、竹を取ってきて、加工スキルでさくっと作る。
団子を竹串に刺しながら、作っては収納していった。
みたらし団子の蜜は、ちょっと自信がないのでこれもパス。
ダンジョン産の中納言小豆を使用して、アンコを作ろう。
小豆を水から煮詰め、灰汁を取り、ある程度煮詰まったら、麦芽糖で味付けする。
塩で整えたら、皿に団子をのせ、アンコをたっぷりのせて出来上がり。
灰汁取りって、結構な重労働だった。
さて、煎餅作りをしよう。
あっタレがわからない。
醤油を直接塗ったら、かなり塩辛そう。
なら、醤油を水で薄めながら、麦芽糖で甘味を付けていく。
あってるかはわからないから、完全目分量で味見しながら適当に加えていった。
炭火をおこし、網をセットして煎餅を焼いていく。
ある程度焼けたところで、タレを付けて焼いていくと、本当に香ばしい匂いが立ち込めてきた。
焼き終わった頃、リンが起きてきた。
「おはよー、いい匂いだね。何してるの?」「煎餅ってもの焼いてるんだよ。食べるか」「食べ物なの。食べるー」
フーフーと熱そうに煎餅をもち、パリッという音と共にリンが頬張った。
「かたーい」と言いながらポリポリ美味しそうに食べていく。
僕も、一口食べてみたが、美味しかった。
自分なりに記憶と想像と試行錯誤はしたつもりだ。
かなり疲れたが、美味しかった。
ただ、自分の試行錯誤だけでは、なかなか難しい。
何か便利なスキルとかってあるのかな。スキルばっかに頼るのもよくないが。
料理スキルとか・・・。
「リン」「?」「料理スキルってもらえる?」「料理スキルいいよ。えーとはい」あっさり出てくるカードをもらって、直ぐに発動、取得した。
すると、頭の中で効果音が聞こえる。いや、聞こえた。
「料理スキル取得により、料理教室を取得しました」




