蕎麦と饂飩は関東風でした。
「リン、ちょっと貸して」リンの持っている竹のコップを預かる。
水筒を取り出すと、水筒の一部を加工して竹のストローを作り出すと、サイダーをストローで掻き回す。
シュワシュシュシュシュとだんだんと炭酸が抜けていき超微炭酸のサイダーが出来上がった。
「はい、ちょっとは刺激があると思うが、さっきよりは飲めると思うよ」
リンが受けとり、恐る恐る飲み始めるが、直ぐにゴクゴク飲み干した。
「これなら飲める。と言うか甘くて美味しい」
リンにとってここまで甘い飲み物は初めてだろう。
お代わりをするので注ぐと、今度は自分で掻き回して炭酸を抜き飲んでいた。
最後には、炭酸を自分の好みに調整して飲むようになっていた。
僕はその間、ハクビシンを倒しまくってたけどね。
リンが、炭酸調整サイダーを堪能し終わったとのことなので、最後の階へと進むこととした。
そこにいたのは、今までの狸擬きでなく、本物の狸が姿を表した。
「今度こそ狸だよね」リンも疑い深くなってきている。
「狸で間違いないよな」実は僕もなんだけど。
「狸だけじゃないよね」「そうだな。あれは狐だな」「狐だね」
特別に赤色とか緑色とか付いてるわけではない。
普通の狸と狐だ。
目で見たら、すぐ倒すと言うのが、染み付いてきたのか、リンはすでに弓を放っていた。
弓矢は確実に狸と狐を貫いていく。
そして、リンの手元に出したものは、かき揚げと油揚げであった。
確認はしていないが、恐らくかき揚げが狸で、狐は油揚げであると思う。
リンは両手に持ったかき揚げと油揚げをじっと見ている。スキルでも使ってるのかなと思いきや、「これ何?」って聞いてきた。
うん。リンのスキルの使いどころがわからない。
それに、僕に聞かれても詳しくないから困るのだけれども、答えられる範囲で答える。
「かき揚げは、色々な具材を小麦粉でくるんで揚げたもの。油揚げは豆腐を揚げたものなんだけど、作り方とかわからない。屋敷に帰ればわかるかもね」
「ふーん、じゃ食べれるんだ」「美味しいよ。そのままで食べるより、何かと一緒に食べることの方が多いと思うけど」「何かって」
「そうだな。こっちのかき揚げは、蕎麦とか饂飩とか、丼ぶりもいいかも」「丼ぶりはいいよね」
丼ぶりは、お気に入りらしい。
しかし、最近のリンは食べすぎではないかと思っている。
成長期だから良いのかと思うが、ちょっと心配する。
一応聞いてみた。
「最近、ちょっと食べすぎじゃない?大丈夫」「うん大丈夫大丈夫」
説得力薄いのだが、次のリンの言葉で納得した。
リン曰く、「食べすぎた分は、Mpに変えてるから問題ないよ」と。
ん?なんなんだ、そのチート能力。
しかし、そんな能力があれば食べ放題飲み放題だな。
それはそれで羨ましい。
しかし、小さい女の子が豪快に、かき揚げをそのまま口に運んでるのはいかがなものかと思う。
お母さんでもいれば、「そんなはしたないことは、しないの。ちゃんと箸を使って食べなさい」なんて、言われちゃうんだろうな。
と言うか、リンに躾つけなくて良いものか。ちょっと悩んできたぞ。
あーあ、狐が油揚げを食べるような食べ方して。
まー良いか。
僕はそのまま、部屋を回り殲滅していく。
リンも食べるのをやめ、殲滅して回っていた。
「そろそろボスでもいく?」「いいよー」
ボス部屋に近づき、部屋の扉を開けると、そこに2体のボスが現れた。
1体は、大きな尻尾を携えた大きな狐。
もう1体は、大きなフグリを携さえた大きな狸であった。
「おっきいね」と言いながらすでに弓を構えているリン。
本当にぶれないと言うか、すぐに攻撃してしまう癖が着いたようだ。
僕なんかは、敵であるとはいえ、どんな魔物かじっくり見てしまうのだが。
そんな暇もなく、弓矢は確実にボス2体の体を貫いていく。
残ったものは定番のものであった。
たぬきそばと、きつねうどんである。
汁の色の濃さから、関東風であろうと思った。
「これは?」「これがさっきいった狐饂飩と狸蕎麦だよ」「狸を倒して出てきたから、狸蕎麦って言うの?狐を倒して出てきたから狐饂飩と言うの?」「あっいやそれだけは違うと断言できる」「ふーんつまんないの」うん。つまらないとかいう話ではないのだが。
今日の僕の夕飯じゃなくて夜食はこの饂飩と蕎麦で良いやと思っている。
関西風と言うものを食べたこと無いから、ただ薄味ではないかと想像してしまうのだが、ここの蕎麦と饂飩なら、特上にすれば美味しくいただけるであろうと思う。
そうとなれば、ここの5階のボス部屋と部屋を往復して出来るだけ集めることにした。
しかし、ここのボスってでかいんだよね。狸のあそこが。
物凄く攻撃しづらい。
目をつぶってでも攻撃できる飛び道具そろそろ用意しても良いかな。
蕎麦と饂飩は、懐かしくて美味しくて、目に水が少したまったのは内緒の話だよ。




