食べ物への執着
リンが、色々出し始めたのをみて、つい止めてしまう。
「タンマタンマ、ストップ止めて、戻して。先に何とったか画面見せてもらっていい?」
「いいよー」
「1.2.3・・・33個いや、種類か。よくとったな、凄いけど、一応ホメテナイ。まーいいや。ダンジョン産のものはさっき適在場所に植えちゃったから、とりあえず動かないものから出して。できたら小さいものからお願い」
「んーわかった」
種は、自分で指定したところに撒くことも出来るのだが、基本自動で撒くことも出来る。
そして、せっかくドコゾノ神様に、だと思うのだが改良してもらったので、リンが何かもっているなら植えて増やそうとしたのだが、そんなに多く持っていると思わなかった。
キノコ類、草類、木類、魚系、動物系の順で出してもらった。
シイタケの種 / ダシの代表、焼いても煮てもヨシ。
キクラゲの種 / 耳たぶの固さが心地よい。
シロキクラゲの種 / 白いキクラゲ。
ホウキタケの種 / 箒のような形だが、掃ける様なことはない。
シメジの種 / 匂い松茸味シメジと言われるように、美味しい。
白いキクラゲって初めて見たかも。
ホウキタケって初めて聞いた。掃けないよね。
次行きいましょう。
ヨモギの種 / お灸を据えるはいい香り。
ミズナの種 / シャキッと歯応え、サラダの代表。
ミツバの種 / 葉っぱが3つで三つ葉の苦味。
ジネンジョの種 / ネバネバ好みか、しゃきしゃき好み。コロコロむかご。
カブの種 / 白くて丸いは春野菜。
クズの種 / お菓子は葛餅、葛湯はやさしく葛根湯。
ワサビの種 / ツーンとしてても優しいお味。ツンデレか。
歩いてくる時に、こんなにあったか疑問でしかない。
よく見つけてきたと、だんだん誉めたくなってきた。
さて次はどんなのが出てくるやら。
クリの種 / トゲトゲしい殻に守られてます。
クルミの種 / 堅い殻に守られてます。
カキの種 / 8年たって渋かったら嫌だよね。甘いけど。
ウメの種 / 梅干しって酸っぱいだけじゃないんだよ。
タケの種 / 小さくて超新鮮な筍は、お刺身で。
ヤマモモの種 / 赤くて甘くて酸っぱいよ。
この時期は、筍なんて無いのに、よく竹何て持ってきたねと聞いたら、何となく持ってきただけで、竹に関しては食べ物関係なかったらしい。
次は、魚など、川魚になるのかな。
エビ、カニ、亀もいた。
雄と雌が両方いるか、心配したけど今回は全部雄雌いるようだ。
テナガエビ・雄 / 腕が長いエビ、かっこよく美味。
テナガエビ・雌 / 腕が普通っぽい。雄に比べ小さい。
スジエビ・雄 / 筋が入ってる普通のエビ。
スジエビ・雌 / 筋が入ってる普通のエビ。
アブラハヤ・雄 / 油を塗ったようなハヤ。
アブラハヤ・雌 / 油を塗ったようなハヤ。
ウグイ・雄 / 産卵期は、綺麗な化粧を赤くお腹にして。
ウグイ・雌 / 寒バヤと、冬場に美味しく人気です。
アユ・雄 / 縄張りは俺のものだと、釣られてく。
アユ・雌 / 子供は肉食、大人は草食。スイカの香り。
カジカ・雄 / 蛙じゃないよ。魚だよ。
カジカ・雌 / 小さくても、赤い目で肉食よ。
アユカケ・雄 / アユは引っ掻けることなく、丸呑みだ。
アユカケ・雌 / カマキリと呼ばれている魚だよ。
ウナギ・雄 / 夏バテ解消。蒸されて焼かれてホックホク。
ウナギ・雌 / 生血は毒がありますよ。
ナマズ・雄 / 見た目がグロちゃん、人気薄く。
ナマズ・雌 / 白身でタンパク。美味しいのに。
サワガニ・雄 / 川の隅でチョコチョコしてます。
サワガニ・雌 / 川の隅でチョキチョキしてます。
ドジョウ・雄 / 泥の上でゴロゴロと。
ドジョウ・雌 / 泥の中でスヤスヤと。
スッポン・雄 / 噛んだら一生離さない。わけがないで。
スッポン・雌 / 美味しくコラーゲン頂きましょう。
説明文が、雄と雌で一緒なのがあるが、ほとんど違うのだなと思う。
確かに、雄と雌で全然違う物っているけど、一見見た目わからないものも多いのだが、説明文ははっきりいってよくわからない。
ただ、嘘はつかれてないと思うが、説明になってないのが多すぎる。
あー突っ込んだら負けだっけ。
最後は、動物だ。正直ちょっと驚いた物がいた。
ウサギ・雄 / 鵜と鷺という鳥の肉だって。そんなんサギだから。
ウサギ・雌 / 草食の私のデザートは、柔らかいウンチ。
シカ・雄 / 臆病者だって。まー音には敏感だけど。
シカ・雌 / 女性の味方、鉄分豊富よ。
イノシシ・雄 / 猪突猛進、いやいや曲がれますって。
イノシシ・雌 / 私の瓜坊てを出したら突っ込むよ。
猪とは、遭遇したらどうしようと思っていた僕はなんだったのだろう。
リンに遭遇したイノシシの方があわれに感じてきた。
この調子だと、リンに遭遇した狼や熊の方が哀れではなかろうか。
「他にはいない?」
「うんとね、さっき出したのは、良さそうのを出しただけで、同じやつならたくさんあるよ。あでも、動物はこれだけかな」
そう言って出してきたのが、瓜坊だった。
瓜坊とは、イノシシの子供である。
小さいうちは、模様があり、その模様がウリに似ていることから、瓜に似た坊主で瓜坊になるわけだ。
リンは、まるで瓜坊をぬいぐるみのように抱えている。
瓜坊は、必死に逃げようとしているのにも関わらず、ものともせず抱えているリンの姿は絵的に可愛い。
「ねえ、これで何か作らない?鍋とか」
「鍋」この暑い夏にかとも思ったが、猪は焼くよりも煮る方がいいと言うのであるならまーいいかと思うけど、大事なぬいぐるみを抱えてる風で言われても、違和感抜群でビックリするしかなかった。
「鷹にぃ、料理って言うのかなー。全部やっていい?」
「任せてもいいが、出来るのか?」
「うん。たぶん」
「そうか、たぶんは聞かなかったことにして。でもなんだ、その瓜坊は捌くのか?」
「うん。でもね、ここは使わず錬金術でやっちゃうよ」
「あーなるほど、確かにその手があったな。ってかそうなるとこの解体場意味無くなるかも」
「そんなことないよ。たぶん」
何か、リンは、たぶんが口癖になっているが。
かくして、リンの料理が始まった。
用意したものは、次のようになった。
猪肉 瓜坊を錬金術でお肉に変えて、薄切り状態にする。お皿にお花のように盛り付けたら、ボタン肉の完成だ。
シイタケ 笠の部分をざっくりと切る。
キクラゲ 適当な大きさに切る。
ホウキタケ 適当な大きさに切る。
ミズナ 根っこ付近を切り捨て、適当な大きさに切る。
ミツバ 根っこ付近を切り捨て、適当な大きさに切る。
大根 輪切りにする。
カブ 短冊切りにする。
大粒大豆 水洗いをした。
薄力粉 出した。
塩 味付けの基本だよね。
麹菌 出した。
白米 籾から玄米に、玄米から白米にした。
糠 玄米から白米にした時に出たもの。
味噌 大粒大豆と薄力粉と塩と麹菌を錬金術で味噌にする。
日本酒 米と水と麹菌を錬金術で酒、日本酒にする。
これで材料が整いました。
お米を炊いておきます。
白米にしたお米と水を炊飯器にいれて、スイッチオン。
次に、大きめの鍋に酒を入れます。
シイタケ、キクラゲ、ホウキタケ、ミツバ、大根、お肉を入れ火をつける。
沸騰したら味噌を入れ、煮込んだらミズナを入れて終わり。
見ててビックリした。
まさかの調味料は実際 塩だけだと思っていた。
いきなり味噌を使ってくるとは、いや、速効で作れる錬金術もなかなかである。
しかも、水を使うのでなく、お酒を日本酒だよ。
日本酒だよと言っても、僕は高校生だったから飲んだことなかったけど、たまに料理に母さんが使っていたなと思う。
食べ比べた事がないからわからないが、酷が出るらしい。
猪の肉って食べたこと無いから物凄く楽しみだ。
カブを忘れてると思ったら、白米にした時のお米の胚の部分、お米の皮みたいな部分を細かくして糠を作ってあり、糠と塩とカブを錬金術でカブの糠漬けを作っていた。
箸休めのお新香を作るとは、完璧である。
糠漬けは、独特な匂いから、好き嫌いが別れるが、僕は好きだ。
さて、食べる場所はどうしよう。
大きい食堂はあるけど、個人用のスペースもある。
色々見て回ったが、枯山水のある書院の間で食べることになった。
贅沢な話ではあるが、早く食べてみたいし何処でもよくなってきたが、解放間あるところもいいと思う。
いざ実食「「頂きます」」
ズズズーっと汁を口に含む。
味噌のいい塩梅と、シイタケの出汁が上手く絡み合っている。
輪切りにされた大根を箸で割り、口に運ぶ。
ホロホロと解けるように口の中で解れた大根は、汁の旨味を口の中で解放していく。
お肉は、ちょっと豚肉よりは固めか、いや、肉質というものがしっかりしている感じだ。
臭いも気になるレベルではない。
ミズナのシャキシャキ感も凄くいい。
茸は、シイタケがしっとりとしていて、キクラゲが、コリコリしている。
ホウキタケは、シイタケともキクラゲとも違う食感で美味しい。
時折、ミツバにのほろ苦さがアクシデントになるが、それもまた良しである。
ご飯が進み、箸休めのお新香が、いい塩梅で、箸休めにならない嬉しい誤算だ。
こうして夕飯が終わり、僕たちは眠りについた。




