お米の次は小麦
どのくらい時間がたったのだろう、体力温存やMp温存と言う言葉を知らない僕達は、1つの階層に時間をかけてしまう。
そして、大量のアイテムをせしめるのだ。
今回のアイテムは4つ。
うるち籾、これはうるち籾が100g紙袋に入っている。
白米にすると、炊きあげたとき茶碗一杯分に相当する。
そのまま、種籾として使えるのも勝手がいい一品である。
米油、竹筒に100g入っている。
ちょっと小さい気もするが、油を大量に使うことも多くはないし丁度いいと思う。
使いきった後の竹筒は水筒同様残るしね。
なにかに使えるかな?紙袋は小物入れとか使えそうだけどね、油の入っていた竹筒は、使いきったとしても油が少なからず残るからちょっと使いづらいかも。
餅籾、これも100gが紙袋に入っている。
餅も同様に100gの物が紙袋に入っている。
こちらの餅だが、切り餅と言われるものだ。
50gの切り餅が2つ入っている。
残念に思ってしまう人もいるかもしれないが、丸餅ではない。
僕の持ち物スキルの枠は、既に特上にした4種類のアイテムは99個と埋まっていて、収納も数えられないほど埋まっている。
いつものことである。
さて、そろそろ次の階へ進むことにしよう。
リンと合流、次の階へ進んだ。
次の敵は、どのようなものか覗いてみた。
雀位の大きさだが、頭は黒い、青みがかった首の後ろから下にかけて薄い黒褐色をしている感じである。
頬っぺたは白く、お腹に一本の黒い線があればシジュウカラなのだが、お腹の模様が違うようだ。
1つは、上から横線で、赤白青とある。
1つは、腹の真ん中に赤い丸があり回りは白だ。
1つは、縦線で、左から青白赤とある。
1つは、縦線で、左から緑白赤だ。
これらは何を意味するのだろう。
よくわからない時は、調べるに限る。
鑑定だ。
そ、そういえば、戦う前に鑑定しろってよく言われたような。
僕は、学習するじゃなかった、学習できる男ですよ。
と言うわけで、鑑定・・・シュっと音と共に弓矢が飛んでいきシジュウカラ擬きを倒してしまった。
アイテムと引き換えに消えていく魔物達。
予想外であった、学習できなかった、いやさせてもらえなかったのか。
まーいいかと思う。
せっかくなので残ったアイテムを調べてみた。
薄力粉 / 練ると粘りの弱い小麦粉。カステラ、ビスケット等に向く。
中力粉 / 練ると粘りがある小麦粉。うどん、和菓子等に向く。
強力粉 / 練ると粘りの強い小麦粉。フランスパン、食パン等に向く。
デュラム粉 / 練ると粘りの柔軟な小麦粉。スパゲティー、マカロニ等に向く。
お米同様に100g位の量が紙袋に入っているようだ。
作るものによって向き不向きがあるのはわかった、と言うかはじめて知った。
いや、薄力粉とか強力粉とか言葉は知ってたけど、こういう風に分けられてるのは知らなかった。
なんて感心していたら、覗き込んでくる顔に気付いた。
目をキラキラさせながら、はっしられた言葉はこういうものだった。
「食べてみたい」
「はい?」
「うん。食べてみたい」
「な、何を」何となくわかるが、聞いてみた。
「カステラでしょ、ビスケットでしょ、うどんに和菓子、フランスパンにスパゲティー食べたい」
うん、そう来ると思ったが、そうとしかこれないよな。
「食べたいのはわかるんだが、材料が無いよ。それに調味料も無いから麺を作ったとしても麺だけじゃ美味しくないし、それに僕詳しくないし・・・エンちゃんに聞いてみようか」僕は静かに聞いてますけど。
リンがさらに目を輝かしてこちらを見てくる。
そりゃそうかもしれない。
テレビを見せてもらえる感覚と似ているもんね。
いや、画面に人としゃべれるから、テレビ電話?ゲーム的になるのか?んーそこら辺はいいとして、平らな壁に映像をだした。
『何か用』
「うん。リンが」「あのね、小麦粉について知りたいの。特に何ができるか、美味しいものいっぱい食べたい」
恒例になりそうなこの雰囲気の状況は、エンちゃんが後ろの机で紙に何か書いてるのである。
ーーー小麦粉簡単講座ーーー
小麦は主に2種類の小麦に別けられる。
デュラム小麦とよばれる種類とパン小麦とよばれる種類とに別けられ、デュラム小麦が、デュラム粉という小麦粉になり、パン小麦が他の小麦粉になる。
パン小麦の種類がさらに、薄力粉、中力粉、強力粉と別けられるのよ。
小麦粉の成分の中の、タンパク質にあたるグルテンと言われるものがある。
小麦粉を練るときにでる粘りの元になる物で、このグルテンの性質と含有量で別けられてるのよ。
ちなみに、このグルテンだけで作られてるのが、お麩ね。
粘りの多い少ないで、料理や食材に使い分けて作られているのよ。
そうね、12種類の錬金術のレシピ教えてあげるわ。
材料が揃ったら作ってみるといいわ。
カステラ→薄力粉+卵+砂糖
ショートケーキ→薄力粉+卵+牛乳+バター+はちみつ+バニラ+生クリーム+いちご
ビスケット→薄力粉+牛乳+バター+砂糖
うどん→中力粉+塩
そうめん→中力粉+塩
酒饅頭→中力粉+麹+砂糖+小豆
食パン→強力粉+酵母+卵+砂糖
フランスパン→強力粉+酵母+卵+砂糖
中華麺→強力粉+重曹
マカロニ→デュラム粉
スパゲティー→デュラム粉
マルゲリータピザ→デュラム粉+酵母+塩+オリーブ油+トマト+チーズ+バジル
こんなところかしら。
頑張って集めてね。
ーーー~ーーー
ちょっと突っ込みたいところはあった。
例えば、和菓子が饅頭をさすとして、なぜいきなり酒饅頭になるのかとか、バニラとかトマトとか明らかにダンジョン産に頼らないとなら無いものだの色々ありそうだと思う。
ここで改めて敵さんを見てみよう。
オランから (G) オランダ国旗を腹に描いたようなシジュウカラ。 / つつく / 薄力粉(下下) / ー / 8文 / 8
ニホンから (G) ニホン国旗を腹に描いたようなシジュウカラ。 / つつく / 中力粉(下下) / ー / 8文 / 8
フランから (G) フランス国旗を腹に描いたようなシジュウカラ。 / つつく / 強力粉(下下) / ー / 8文 / 8
イタリから (G) イタリア国旗を腹に描いたようなシジュウカラ。 / つつく / デュラム粉(下下) / ー / 8文 / 8
小麦で作られている物は、世界各国で様々であり、その中から代表的な国を選ばれたみたいになってるけど、これはこれで偏見ではないだろうかと思うが、そうなっている物は、どうしようもない。
そんなシジュウカラ達を片っ端から無双していき、小麦粉を集めている。
何時ものように、大量に。
時間がどのくらいたったのか、リンの動きが止まったのに気付いた僕は、リンのところに行ってみた。
リンは、紙袋から小麦粉を取り出して、手にのせ眺めていたが、僕が近付くことに気付いたのだろう。
ハッっと顔を上げたとき、小麦粉がフワッと舞い上がり、リンが吸ってしまったため、噎せたのか咳き込んでいた。
その為、小麦粉がさらに舞い上がっていた。
さらに、舞い上がる小麦粉を見ていたリンが、面白くなったのだろう別の小麦粉を出して小麦粉を撒き散らし始めた。
僕は、何となく見ていたが、ふと頭の中に危険だという警告だけが浮かんだ。
何で危険かは、わからない。
ただ、食べ物で遊ぶのは良くないので、注意することにする。
僕が、リンに手を出そうとしたとき、リンは反対側を向き、小麦粉を袋ごとばらまくと、弓を構え弓矢の先に火をつけた。
次の瞬間、火が急激な広がりをみせる。
僕は、とっさにリンを引き寄せ、リンに覆い被さるようにしながら丸くなった時と同時に爆音と爆風が起きた。
粉塵爆発である。
粉塵爆発は、洒落になりません。
小麦粉に限らず、粉を撒き散らすようなことは絶対にしないでください。




