修羅場になるかも 鷹仁
次の日、学校に行った。
何故かって、高校生だからね。
収納されているアイテムは、1人では全然消費しきれないほど入ってる。
まーでも、問題ない。
クエストとして拾ってきたゴミちゃんたちは、分解済みで、要らないものはとっくにダンジョンにポイだ。
そういえば、この前のダンジョンでもうけたお金どの位あったかなと思う。
単純なお金の金額では、計算できないのがめんどくさい。
大きさは3種類、1円玉と5円玉と10円玉とある。
ボスを倒したときの100円玉と50円玉はちょっと置いといて、まずは、1円玉の大きさの小銭をじゃらじゃらとばら蒔いた。
仕分けようと思ったが、なんか数多すぎて超めんどくさくなった。
今授業中じゃないのかって。
勘がいい人は、多いよね。
その通りだよ、だってつまんないんだもん授業。
ちゃんと、聞いてるフリしてるよ。
問題ない。
さて、授業も無事終わったし、帰ろっか。
クエストは、今日やる気無いし、何処か行こうかな。
そう言えば、造幣局いかないと、お金使えない。
あーそうだ、あいつらにも教えんとかなー。
いや、警察か親が教えてるだろうから、イランお世話かなと思いつつ小学校に向かった。
小学校前にたどり着いたはいいが、小学校に入るわけにはいかない。
なので、校門の前をうろうろウロウロ学校の中を伺っていた。
チラホラ帰り始める小学生から、温かい目線を受けながら、じゃなかった。
なんか冷たい目線が集まってきた。
この御時世、小学生に道を尋ねただけで警察に通報されかねない時に、小学校の校門でウロウロしてれば、怪しさマックスだよね。
直ぐに若そうなと言っても、僕にとっては年上なんだけど、教師と思われる女の人が駆け足で近づいてきた。
「わが校に何かご用でしょうか」
「いや特に、ちょっと人探しを」
「人探しって、誰を探してたんです?まさか児童では?」
「確かに児童ですね。名は・・・」
「あなた、誰をつれていこうとしてたんですか?」
「誰って、そのー」
「はっきりおっしゃい、場合によってはケイサ・・・」
近づいてきた、初老くらいの男性に肩を叩かれ、一瞬言葉を失うも、「教頭、この人子供たちを」「落ち着きなさい、児童達が見てますよ」と言われ、静かになった。
「ここはいいから、持ち場に戻りなさい」と言われ、戻っていく女性教師。
「さて、君も何時までもそこにいると、迷惑でもあり誤解も招くから、用事が本当にあるなら、こっちに来なさい」そう言って、校長室に案内された。
校長は、僕が小学校にいたときとは違う人であった。
「掛けなさい。君名前は?」
「井宮鷹仁です」
「井宮と言うのかね。で、わが校にどういった用件で?」
「はい、そのー龍君と彩琥ちゃんにちょっと」
「名字はわからないのかね」
「6年と4年としか」
「ちょっと待ってなさい」
そう言うと、職員室の方に行って、直ぐに戻ってきた。
考えてみりゃ、怪しさマックス、警察でも呼ばれたかなと思う。
暫く校長と話していたが、どこまで話していいかわからず、しどろもどろの僕にどうしようもない時間が流れる。
そこに、2人の子供が入ってきた。
「「失礼しまーす」」
小学生が校長室に入るとか、普通だったら滅多にないこと。
めっちゃ、緊張している2人。
「「あっ」」という2人に、「知り合いか」と聞く校長。
龍一が「はい」と答えると校長も胸を撫で下ろすかのように安堵したのだが、つかつかと近寄ってきた彩琥が、僕の服をつかんでこう言った。
「私の体を返して」と。
ん?思考が飛ぶ。
「普通の小学生の女の子の体にして」
確かに、普通の小学生の女の子に、いや、男の子にだって、武器を渡して、ダンジョン1人でクリアーしてこいなんて無理な話。
それを、クリアーできるほどの体にしてしまえば、当然、力は上昇することでしょう。
片手で軽く閉めたはずの蛇口が、次の子が使おうとして、蛇口が固すぎて開かないなどの力の事。
長距離で、全く疲れず、逆にどこで疲れたら自然かわからなかったそうだ。
「か弱い女の子だったのに」
おいおいと、突っ込みそうになる龍一に「お兄ちゃんは黙ってて」ときた。
これって、どういう状況?少なくとも校長室ですることじゃないよね。
彩琥の言いたいことはわかった気がする。
ダンジョンを攻略したことにより、昨日の自分の体とのギャップについていけず、滅茶苦茶戸惑ってるんだよね。
わかるよ、事情の知ってる僕に何とかしてほしいといいたいんでしょ。
強くさせ過ぎた僕に何とかしろと言いたいんだよね。
でもね、事情に知らない校長がさっきから凄い顔になってるの、こういうの剣幕って言うんだっけ、気付いてると言うか、気づいて彩琥。
そりゃね、事情の知らない人が、普通のか弱い女の子の体を返せなんて言われたら、もにすごく勘違いするよね。
でもね、女の子って大体嫌いな男性には近づいてこないよ。
だから、校長先生もそんな顔しないで、龍一君が怯えてるって。
彩琥も、そろそろ膝の上から降りなさい。
じゃないと校長先生が限界だから。
「で、君達は何をしたんだ」
「昨日、ダンジョン行ってただけですよ」
「君ね。いい加減に?・・・」
僕が提示した白いカード、ダンジョンライセンスを見せると、校長先生が固まった。
無理もない事である。
ーーー~ーーー
校長の思考。
話には聞いていたが、ホラ話位にしか思っていなかった。
まして、国のお偉いさんが勝手に言っているような適当な権利としか。
校長になって、初めて教育委員会で見せられたレプリカ。
その本物が、この高校生は持っている。
記憶が正しければ、黒色なら、普通の人と変わらないが白になると普通ではないという。
特に体の違いは明らかだと。
だから、この彩琥は、体を返せと言ったのだとそこまで理解できた。
しかし、子供たちも・・・持ってたのかカードを。
ーーー~ーーー
「で、君達は今から何処かいく予定なのか?」
「えーちょっと、ついでにこの子達も一緒にと思って」
「そ、そうか。でも、今度は門の前でうろつくのだけは・・・」
「それについては、申し訳なく思ってます。あの」
「他の先生たちには、適当に言っとくから」
「ありがとうございます」
「教頭先生、お客さんがお帰りだよ。門まで送ってあげて。君達は」
「「帰ります」」
「そうか。気を付けて」
「「はーい。さようなら」」
「はい、さようなら」
「彩琥、誤解を招くこと言わないでね」
「ん?私何かした?」
あーうんあーいいです。
無事門を出た僕ら3人は、教頭に挨拶をして歩いていた。
「今日もダンジョン行くの?」と彩琥が言う。
行きたいんかいと思うがちょっと間をおき、「今日は別のとこだよ。遠いからタクシーで行こう」
「えっお金持ってないよ」
「昨日、稼いだ分は?家とか」
「それは持ってる。けど使えないって言ってたよ」
「それを使えるようにしにいくんだよ」
「それってぞーへーきょくってとこ」
「そう。造幣局だよ。へいタクシー」
見事スルーあれだ乗車拒否ってやつだ。
タクシーに乗り、造幣局へ着くと、そこには暗い顔の紗綾さんがいた。
近寄り難しと思うかな、向こうからきたよ。
「どうしたんです?」
「昨日の変金にきたの。そしたら税務署の人間が来てて、昨日のは任務だからって9割引されたの。ひどいと思わない。9割りだよ9割引。昨日飲んだのと差し引いて50万しか残らない」
50万入ればなかなかだと思いたい。
ブーブー言いながら去っていく紗綾さんに手をフリいざ造幣局へ。
「ここは、子供の遊び場じゃありませんよ・・・」
懲りない門番だなと思ってたら、「どうぞ」って言って入れてくれた。




