リンと家造り
充分なMポーションを、所有できた僕達は、最後のボスに挑む。
ボスは、盗人と、女盗人を大きくしたような感じだった。
大盗人 (Gボス) ごくデカイ、なんの特徴もないおっさん 殴る 蹴る (薬)ポーション(下下) 150文 100
大女盗人 (Gボス) ごくデカイ、なんの特徴もないオバサン 大ビンタ (薬)Mポーション(下下) 150文 100
うん。定番そうなボスだな。
2人で倒すのも面倒だ、と言うよりは今のリンなら、ちょっと魔法を使えば倒しちゃいそうな・・・うん倒されたなボス。
「終わり?」
「終わりだね」
「えー」
「エーじゃないよ」
「エーとはいってない」
ん?その感覚はなんだ?スルーするべきものだよな。
「外出るぞ、やること多いからな」
「家造り?」
「そうだな」
「場所は亜空間」
「ん?、リン亜空間なんてよく知ってたな」
「実感はないんだけどね、出来そうだよ。しかも、亜空間で造ると材料は要らないよ」
なにそれ、どうゆうことだっけ?
頭を傾げてると、リンが続けて言ってくれた。
想像した物を創造出来るみたいな感じでしゃべってた。
契約者が思った通の物が出来るというものだ。
出入りも、契約者のみ、時間の流れは外と同じ。
「植物とか育つ?」
「それは・・・駄目みたい。そうしたいのであるならば、別に作る必要があるね」
「じゃ、別々に作るってのはどう」
「面白そう」
「僕は農園、リンは家いいかな」
カチッ シュパシュパ チン。
「ここで話してると、ボスでてきちゃうね」
「そだね。相手にならないから良いけど」
「そだね」
「ダンジョンから亜空間行けるかな。そうすれば時間節約」
「不老なのに贅沢だな」
「良いじゃん」
「じゃ、作っちゃうか」
「いいよー」
ということで創ることにした。
リンの作った空間に入ることにした。
入ってみた。
「「えーすごいな」」
「なぜこうなった」
「面白そうだったから」
「確かに」
「でしょ」
「うん」
「鷹兄の方は?」
「あーっと広くて何でも採れるものって感じで作ったよ」
「うん。嫌な予感」
「行ってみるか」
「うん」
行ってみた「「うわー」」
僕は、条件だけ言って、エンちゃん任せにしてみたら、偉いことになっていた。
縦10km横10kmの空間に、山あり海あり川あり、沼あり湖あり滝あり、平原も土から砂地までさまざまである。
海や湖、沼など桟橋や浮島があるのだ。
全てエリア別になっていて、一辺が100mの正方形に区切られていて、適した食材をそこで育てることが出来るらしい。
しかも、勝手に増えて、餌や肥料も要らないとのこと。
育てているものは、エリアからもでないとのこと。
しかし、エリアに合っていないものを育てようとしても育たないので、必ずエリアの確認は必要である。
と言っても、エリアにそぐわないものを置こうとしてもNGがかかるからわかるけどね。
空間の中の移動は、エリアに関わらず行き来できるし、好きなエリアの真ん中に移動も出来るから楽なんだよね。
今は雑草どころか苔も生えてない。
アイテムだけしか育てられないというのも楽なとこである。
一方、リンが選んだ空間の中身は、城付き忍者の里というものだ。
一辺が1kmの空間の1/4の右下に、城が建っていた。
右上は、自然を利用した訓練場で、左上が人工物の多い訓練場である。
この人工物が多いエリアに長屋や商店、武家屋敷風の建物もあり、充分住めるようになっている。
左下は桜並木の見事なものがあり、さらに下に行くと、お寺とも神社とも言えないような、かなり凝った作りの家があり、目の前の日本庭園も立派にある。
家のなかに入ってみると、ビックリするくらい充実していた。
水道ガス完備、風呂トイレも普通に使える。
台所もものすごく充実しているし、排水等のことも考えなくて良さそうだ。
これはもう、宿と考えるべきではないだろうか。
「僕はこの家でいいや。玄関に僕の作った亜空間、農場亜空間んー農場に行けるようにしておくよ」
「私も鷹兄と一緒でいい。同じく玄関に外に行けるようにしとくよ」
「うん。これでいいね」
良いけど、あっさり終わってしまったな。
家って、土台作りから始まって、大黒柱ろ決めて、部屋の間取りとか色々あるのに、まーいいか。
「暇になっちゃったね。ここまで万能だとは思わなかった」
「どうする?しばらくここでのんびりする?」
「そうしたいけど、農場みて回りたい」
「何もないけど行く?」
「うん」
左下から順に回ってみようと思う。
左下とその周辺は海で、特にここは深海エリアになっている。
「何もないね、何が育つの?」
「何だろうね?ここだったら海底にいない魚なら大抵育つのではないか?一番下だと鮟鱇なんか取れそうだね。アイテムにあれば良いけど」
「おいしいの?」
「いやー食ったことないし。美味しいといいね」
「この辺は海だからみる場所ないね、浮島づたいに歩いていく?それとも飛ぶ」
「飛ぶ」
左下から右下にかけて海地帯で、左に行くほど深く、右に行くほど浅くなる。
海岸エリアに飛んだ。
左は磯エリアで右に行くほど浜になっていき、一番右に河口エリアがある。
全体の右に川があり、右上に行くほどに下流、中流、上流、滝で、その上に沢エリアがある。
各エリアごと、魚介類が楽しめそうだ。
水性植物もまた楽しめそうだ。
上の部分は、左から沢、湖、湿地帯、沼となっている。
そして、沼のほとりと言えばいいのか、その近くに小屋が連なるエリアがある。
「ここは?」
当然のように質問というか疑問が浮かぶわけで・・・。
「入ってみよう」
小屋に入ると、棚のようなものが並んでいた。
ここは、あらゆるキノコを育てる場所なのだ。
後は、右から土で、順に砂地に近い状態になっていく。
エリアを変えたければ、変えればいいし害虫もいない。
病気もない。
アイテムが集まったら、確実に引きこもれること間違いなかった空間である。
リンの創ったと言っても自動で創られたようだが、なかなかである。
城の中は、それはもうからくりだらけで、壁がくるくる回ったり、床がスライド方式で動いたり、天井が下がってきたり、弓矢が飛んできたり、床が抜けたり石が降ってきたり、網が飛んできたり、檻で閉じ込められたり、水で溢れたり、油が降ってきたり、床が斜めになったり、畳が跳ねたりと、落ち着かないことこの上ない城である。
壊れても、壊しても、時間が来れば勝手に直るし、仕掛けも移動するので落ち着かない。
ちなみにだけど、これ等は人体に影響はない。
何故かというと、影響が出る前にクッション材みたいなもので守られたり、武器等が危なくなる前に幻のように消えてしまうからだ。
アトラクション観光地として売れること間違いなしである。
自然を利用した訓練場では、竹槍の落とし穴から、罠からと、色々存在している。
何もないところから、手裏剣が飛んでくるなど楽しいアトラクションじゃなくて、危険で満ち溢れている。
人工物のエリアもそうだ。
じゃ、危険で住めないかというと、そうでもない。
幻として消えるから、安心して住めるのだけれど、落ち着かないよね。
左下のエリアだけそういったものがない。
家の中にも、中庭があり、見事な枯山水造りである。
枯山水を邪魔しないように、ひっそりとそれでいて立派な紅葉した楓が、黄葉がかっている。
外庭に桜、中庭に楓、まさに亜空間ならではである。
枯山水を見れる長廊下で、ゆっくりと腰をおろす2人は、お茶を飲みながら、話していた。
「次は、食べ物の多いダンジョンがいいね」
「そうだね」
そんな話をしながら、眠りについてしまった2人であった。




