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逢瀬は、プラットホームで。  作者: 椎名美雪
第三章
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クリスマスの日に

「誕生日プレゼント、だいぶ遅くなったけど、欲しい物あるか?」


 誕生日のことなんて、もうすっかり忘れていた。一週間以上も前のことだし、井沢さんも、いつもと変わらない風だし。

 それを今聞かれても、嬉しさよりも先に、「?」が来る感じなんだけど。しかも、その日は、クリスマス・イブ。金曜日。


 わー! すごい! 良いタイミング!!  ――ではない。

 何度も書くけれど、彼はクリスマスには無関係。たまたま、その日と重なっただけだと思う。


「プレゼント? くれるの?」

「冗談で言うかよ」

「そうだよね」


 少し考えてみるけれど、急に欲しい物を聞かれて、浮かぶはずがない。


「俺、すぐに向こうに行かないといけないんだ。明日、時間があったら、こっちに来れるか?」


 先を急ぐ井沢さんは、年内の残り数日が、生きるか死ぬかの瀬戸際らしい。

 正直言えば、明日割こうとしている時間さえも、惜しいはず。


“土曜で、仕事がお休みの日に、ココに来るの?”――そう、思わないはずがない。



 踏切を渡った反対側は、街並みがガラリと変わって、たくさんの店舗が立ち並んでいる。確かに、何かを選ぶなら、充分すぎるお店の数。きっと何かは見つかるでしょう。


 考えるまでもなく、頷いた。

 明日はお休みなのに、また会える。


 井沢さんには内緒で、クリスマスに会えることを、一人で喜んでおこうかな。

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