二十歳の誕生日
十二月中旬、私の誕生日。
今でこそ、二十歳なんてまだまだ子供と思うけど、当時の自分からしたら、一気に老けたというか、大人を通り越してオバサンになったような気がしていた。
これでようやく、“大人の仲間入り”!
でも、誕生日を迎えたから何か特別な変化があるわけでもなく、友達からプレゼントを貰って、それ以外は普段通りすぎる生活。
二十歳になったからって、井沢さんに期待はしていないけど、今年も、昨年のように「おめでとう」と、お祝いのひと言をもらえた。
しかし、彼は私が“二十歳”になったとは気付いていなくて、周囲の人の
「椎名ちゃんも、もうハタチか!」
という声に、驚いた様子だった。
今まで、私はいくつだと思われていたんだろう。そんなに子供っぽかったのかしら?
「へー。お前、二十歳なのか」
感心したように言う、井沢さん。
私が二十歳ということは、井沢さんは二十六歳? なんか、遠いな。
そういえば最近、仕事以外で “椎名ちゃん” とは、呼ばれていない。
前は、“お前”と呼ばれて嬉しかったのに、慣れてしまうと、そうでもなくなる。嬉しいことに違いないけど、たまには普通に呼んでほしい。……なんて、贅沢なことを言ったらダメだよね。
*
街は、クリスマスムード一色。
淳ちゃんの幸せ話を聞いて楽しい気持ちを分けてもらう私に、この後、想像もしないことが舞い込んでくる。




