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逢瀬は、プラットホームで。  作者: 椎名美雪
第三章
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じれったい?

 友達から、「ああ! じれったい!!」そんな悲鳴にも似た叫びが聞こえる。


「もー、なんなの? 井沢さんて」


 夏の暑さと相まって、イライラした声で沢田ちゃんとまっちゃんがボヤいている。



 井沢さんは、まっちゃんをあまり良く思っていないけど、まっちゃんの方は、どこ吹く風。

 彼の気持ちをよそに、まっちゃんはグイグイと向かっていく。


「この際さ、ハッキリ聞いてみたら?」

「そうだよ。“私のコト、どう思ってるの?”ってさ」


 全くもう、他人事だと思って~!


「私、聞いてあげようか?“椎名ちゃんのこと、どう思ってるの?”って」


 まっちゃんが、トンデモナイことを言いだした。


(なんて事を言いだすの!? この子はっ!!)


 首をブンブンと横に振り、彼女ならやりかねない発言を阻止する。


「だめだめ!! それだけは、絶対にダメだって!」

「えー? なんで? 気になるじゃん」

「聞いたって、同じ答えしか返ってこないよ!」

「そんなの、聞いてみなきゃ判らないじゃん」


 口を尖らせて、不満そう。

 みんなの気持ちは、解らなくないけど……。


 この期に及んで、『私のこと、好き?』なーんて、寝ぼけたことを聞けるわけないじゃない。そんな可愛らしいセリフ、可愛い女の子が言うから良いんだよ。似合うんだよ。


 小首傾げながら、見上げる感じで?


 ――ああ。絶対に有りえない。

 想像すればするほど、違和感がありすぎて、全然私のキャラじゃないよ。


 そんな私だけど、もうひとつだけ“勇気を出してみよう”と思っている事がある。


 まだ、誰にも話していないけど、ね。

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