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逢瀬は、プラットホームで。  作者: 椎名美雪
第三章
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無言の答え

 いきなり、「友達は売らない!」なんて言ってしまった。

 勢いもあってのことだけど、彼に二度もタテついたことになる。

 一度目は、まっちゃんとあまり仲良くするな、という意味で言われた「関わるな」に対して反発したとき。


 あの時、井沢さんは冷たい目で私を見ていた。


 そして今。

 言ってしまった後に、それを思い出して、私の中に緊張が走る。


 反発したことに、後悔はない。

 だけど、彼はなんと答えるのだろう……。


 さっきは勢いに任せて、強気な態度と表情で突っかかれたのに、風船がしぼむように、プシューと小さくなっていく。


(言い過ぎちゃった?)


 どうしても彼の顔色を窺ってしまう。



 肝心の井沢さんは、キョトンとしたような顔をしている。

 少しの、考えるような間合い。


 やがて小さく息をついて、少しだけ目尻を下げた。


“仕方ねーな”


 そんな声が聞こえてくるようだった。


「わかった」とも、「わからない」とも言わなかったけれど、彼はあまり、感情を言葉には出さない人だったから。


 その後、同期の間で、被害報告はない。

 少なくとも、私が訴えた “私の同期は誘わないで” という願いだけは、聞き入れてくれたみたいだった。


 また怒らせてしまうかと、一瞬不安だった。

 だけど、冷たい眼差しを向けられることもなかったし、ホッとした。


 気が小さいだけに、勢いに任せてしまうことが多い。

 私の悪いクセ。


 これは直さないといけない……そんなことを思っていた。

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