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逢瀬は、プラットホームで。  作者: 椎名美雪
第二章
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勧誘活動

 宗教には付き物の、勧誘活動。「布教」とも言うよね。

 それを“するように”と、上の人――成田さんから言われた。


 丁度良いので、どのようなものだったのか、説明してみようと思う。

 この手法は、あくまでもこの団体に限ってのことで、他の団体ではどうかは知らない。念のため。


 まずは、対象者を呼び出すことから始まる。

 呼び出しといっても、その辺で立ち話ではダメ。

 喫茶店やファミレスなど、長い時間いられる場所に限る。

 呼び出しに成功したら、慣れない最初のうちは応援要員が数名付くけど、ある程度慣れてきたら一人立ちする。


 という、暗黙のルールみたいなものが存在した。


 呼び出しといっても、ハナから「宗教のお誘いです!」などと言うはずがない。


 まずは、当たり障りのない会話から。


「久しぶりだね! 元気? 今度会わない?」


 再会を喜ぶような感じで、気さくに呼び出され、指定された飲食店に入ったら最後。


 呼び出した信者と、対象者が、まずは二人で席に着く。

 昔話もソコソコに、いきなり宗教の話が切り出される。


 当然、対象者は驚くよね?


 気味が悪くなって、帰ろうとしても、応援要員が近くで構えているから、店外に出られない。

 呼び出した信者の近くの席に、応援要員があらかじめスタンバイしているから、対象者とのやり取りやら雰囲気は、丸聞こえで筒抜け。


 対象者がマズイと気付いた頃には、もう遅いという訳。


 四人掛けの席だとしたら、対象者は壁際とか奥に追いやられてしまう。

 そうすると、出られないでしょう?


 こんなことされたら、精神的に参ってしまう。


 信者たちは、熱心に教義を訴えているけど、全く興味もない素人には、到底理解出来るはずがない。


 でも、彼らには、そんな事はどうでもいい。とにかく、信者の数を増やすことが大事。

 こんなものの何処に、説得力があるんだろうね。力技で捻じ伏せているだけだよ。


 相手が感動して、自ら「入りたい!」というのならスゴイな~って思うけど、こんなの脅迫だよ。


 最終的には、対象者が根負けして、教会に連行される。

 それが真実の姿。


 最も、精神的に不安定な人や、とにかく救いを求めている人、純粋すぎる人は、あっという間に“落ちる”というけれど。


 そんな人、そうそうお目にはかかれない。



 成田さんは、私にそれをしろと言う。

 そして、こんな指令を出された。


 今月中に、「一人入信させなさい」――――と。

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