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嫌われたくない
私は、どれだけ馬鹿なんだろう。
どうして、断れなかったんだろう。
どうして、勇気がなかったんだろう。
どうして……井沢さんを、嫌いになれないんだろう。
いっそのこと、嫌いになってしまいたいのに、彼に見つめられるだけで、そんな思いは消えてしまう。
どうして、優しい声で呼ぶんだろう。
計算ずくでも、呼ばれる度に嬉しい私は、救いようのない馬鹿だ。
それとは裏腹に、
(社内では、誰よりも近い存在なんだ)
なんて思っていた。
教団に、井沢さんが勧誘し入信した、彼の同期だという女性に出会うまでは。




