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逢瀬は、プラットホームで。  作者: 椎名美雪
第四章
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手詰まり

 心身ともにクタクタになりながら、仕方なく帰宅。

 帰りたくなくても、他に行くところなどない。帰宅した私を待つのは、鬼のような母。


 私はもう、これ以上母の話に付き合いたくなくて、昼間、郵便局で手続きをした内容証明の写しを出し、母に説明をした。

 また激高するのが解っているから、まっちゃんのことは伏せておく。

 母は、公的なものに弱い人だから、ひとまずは理解――というか、納得をしてくれた。


 けど、問題はまだ残っていて。


「とりあえず、これは解った。今後は、あの女たちが来ることも、電話が掛かることもないのね?」


 そう言われて、ドキリとした。そんな保障はない。

 この内容証明は、母を安心させるためだけのもの。教団が納得して受理するとは到底考えられないし、私を脱会扱いするとも思えない。


 そもそも、あの教団に、“脱会”という言葉などない。“手詰まり”とは、多分こういうことだ。


 これはもう、井沢さんに直接話を、相談をするしかない。

 彼が言いそうなことは解っている。

 それでも、母から井沢さんに直接苦情とか、怒りが向けられるよりは、ずっとマシだと思うから。


(明日、聞いてみよう)


 そう、心で決めるけれど、どう言葉にしようか悩んでしまう。どんな言い方をしても、内容は変わらない。


 嫌われたくない気持ちが、私を一層孤独にさせる。


“お前も所詮、他のやつと同じなんだな”そんな目で見られそうで、怖かった。

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